スレURL:
1:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/08(金) 22:20:32 ID:5S9zdi2o
男「はー!このあたり全然かわってねー」テクテク

男「10年ぶりだけど、相変わらず何もないなー」テクテク

男「しっかし、母ちゃん何の用だろうなー」テクテク

男「いきなり帰ってこいとか…ちょっとビビるぜー」テクテク

男「おー、久しぶりの我が家!」ピタッ

男「昼だけど、母ちゃんいるかなー」ピンポーン

嫁にしろと迫る幼馴染みのために××してみた (電撃文庫)





2:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/08(金) 22:21:27 ID:5S9zdi2o
男「…」

男「返事がない…」

男「おいおい、勘弁してくれよ」ピンポピンポピンポーン

男「こっちは長旅で疲れてるんだよ!開けろー!」ガチャガチャガチャ

男「…」

男「母ちゃん居ないのかよ!どうすりゃいいんだコレ」ピーン…ポーン

ガチャ



4:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/08(金) 22:23:03 ID:5S9zdi2o
母「うっさい!誰だこんな時間に!今何時だと思ってるんだよっ!」ギロッ

男「…」

母「…」ボケラー

男「…おはようございます、あなたの息子さんですよー」フリフリ

母「…あぁ、アンタか…何の用だい…」ボケー

男「…母ちゃん、こんな事言いたくないけどさ」ハァ

男「アンタが呼んだんだろーがっ!!」カーッ!

母「…」ボー



5:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/08(金) 22:24:05 ID:5S9zdi2o
男「…」

母「!!」ハッ

男「おはよう母ちゃん。目、覚めたな?」

母「男、お帰り!久しぶりだねぇ、ちょっと痩せた?」ハハハ

男「こんな時間から寝てるって、いい身分だな母ちゃん」ハハハ

母「さぁ、入りな入りな!散らかってるけど」ハハハ

男「おう、疲れてるんだよ。ちょっと眠いし」



6:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/08(金) 22:24:59 ID:5S9zdi2o
母「しかし、10年ぶりに見る我が子はアレだねぇ」

男「何だよ?」

母「冴えない面してるねぇ」ハァ

男「ちょっと!ため息とかやめろよ!傷つくだろ!」

母「28歳、独身。彼女いない歴=年齢の息子を前に」

母「冴えない面、以外の表現が有ったら教えておくれよ」ハハハ

男「何で彼女居ないって言い切れるんだよ!」

母「へぇ?じゃあ彼女居るのかい?」



7:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/08(金) 22:26:34 ID:5S9zdi2o
男「…」

母「ニヤニヤ」

男「口でニヤニヤ言うな!腹立つ!」

母「で、居ないんだろ?」

男「居ないよ!」

母「だろうね」ハハハ

男「ところで、何の用なんだよ。急に帰って来いって」

男「しかも日付まで指定してよ」



8:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/08(金) 22:27:29 ID:5S9zdi2o
母「アンタ、何か忘れてる事ない?」

男「何の事だよ」

母「…」ハァ

男「だから!何なんだよ!」ガタッ

母「…いや。アホだとは思ってたけど、やっぱりアホだったねぇ」ハァ

男「はぁ?」

母「幼ちゃん、可哀想に…」ボソッ



9:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/08(金) 22:28:42 ID:5S9zdi2o
男「ん?何て?」

母「別に!何でもないよっ!」

男「…結局、俺を呼んだのはどうしてなんだよ」

母「…今夜、深夜0時にウチの裏の公園に行きな」

男「は?」

母「アンタが真性のドアホじゃないって、母は信じていますよ…」ニコヤカー

男「怖っ!何その仏様みたいなスマイル!?」

母「とにかく、そういう事だから!行けよ!絶対!」



10:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/08(金) 22:30:21 ID:5S9zdi2o
男「わかったよ…行けばいいんだろ、行けば」ハァ

男「とりあえず昼寝してーんだけど」

男「俺の部屋、10年前のままか?」

母「に、2階の部屋は今アタシの物置だよ!」

母「絶対2階に上がるなよっ!寝るなら居間で寝な!」

男「物置って…まぁいいけどさ」

男「じゃあ、ちょっと寝るわ」フリフリ

母「…ふぅ」



11:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/08(金) 22:31:47 ID:5S9zdi2o
男「おぉ…この公園も10年ぶりだなぁ」

男「…ちょっと早かったな」

男「ふぃー。夜はまだまだ肌寒いなぁ」ホゥ

キィ…キィ…

男「ん?誰かブランコに乗ってるな」スタスタ

男「…」(女の人だった…)

?「!」ハッ!

男「?」

?「来てくれたんだね…」



12:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/08(金) 22:32:44 ID:5S9zdi2o
男「んん?」

男(誰だ、この美人)

?「私、ずっと待ってたんだよ…」

男「あ、あの…すみません。人違いじゃないですか?」アセアセ

?「えっ?」

男「えっ?」

男「えっと、誰…ですか?」

?「あ、あの…私、幼だけど…」



13:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/08(金) 22:33:38 ID:5S9zdi2o
男「え?幼?マジで?」

幼馴染「男、私の顔忘れちゃったの?」

男「いやいや、10年ぶりだから!」アセアセ

男「幼、超美人になってたからさっ!」アセアセ

幼「そ、そんな事ないよ」テレテレ

男「いや、マジで!マジで!」

男(てかこれは変わり過ぎだろう…)



14:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/08(金) 22:35:10 ID:5S9zdi2o
男「少し痩せた?」

幼「10年前と比べたら、少し、ね」クスクス

男「…髪、伸ばしたんだな」

幼「うん。伸ばしたの」サラサラ

男「すげー似合ってるよ」

幼「ありがと。約束だもんね」フフ

男「え?」

幼「え?」



15:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/08(金) 22:36:26 ID:5S9zdi2o
幼「…男、まさか、忘れてるんじゃないよね?」

男「え?い、いや忘れてないよ!」キョドキョド

幼「…」ジーッ

男「ホントだって!俺がお前に嘘ついたことあるか?」

幼「数え切れないくらいいっぱいあるよ…」ハァ

男(それもそうか…昔はよく嘘ついて、からかってたもんな…)



18:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/08(金) 22:42:27 ID:5S9zdi2o
幼「忘れちゃってたなら、今、何でここにいるの?」

男(母ちゃんに言われたから…とは言えないよなぁ)

男「忘れてないってば!あの時の約束なー」

男「幼の方こそ、良く覚えてたなー」ハハハ

幼「…いつ、何の約束をしたのか言ってみて」

男「あー、あの時だよな。あのーあー」シドロモドロ



19:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/08(金) 22:48:59 ID:5S9zdi2o
男(やべえ!全然覚えてねぇ!)

幼「やっぱり、忘れちゃってたんだね…」

幼「…」

男「…すまん幼。覚えていない」

幼「うぅ…」グスッ

男(泣き出しちゃった…どうしよう…)



20:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/08(金) 23:01:00 ID:5S9zdi2o
男「あ、あの…その…」

幼「男…やっぱり…」ボソッ

男「ん?」

幼「…何でもないよ…男やっぱり覚えてないんだね」グスッ

幼「うぁーーーーーーん!」ゴウキュウ

男「お、幼、落ち着いて!夜だよ!今、深夜だよ!」

幼「ぞんだの、がんげいないんだぼん」グシュグシュ



21:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/08(金) 23:10:45 ID:5S9zdi2o
幼「うぁーーーーーーーーーーーん!!!!」ゴウキュウ

男「」

幼「おどごのあほーーー!!!」ゴウキュウ

男(やばい、こうなった幼はちょっとやそっとじゃ、泣き止まない…)

男(約束とか、全然覚えてないし)

男(正直、訳わかんないけど…)

男(とにかく謝らなきゃ!)



22:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/08(金) 23:33:04 ID:5S9zdi2o
男「幼!ごめん!」ドゲザー

幼「…」グスグス

男「俺はいつ、何の約束をしたのか、覚えてない!」

男「でも今、幼の涙を見て、思った」

男「その約束を守る為なら…何でもする!」ドンッ!

幼「…今の言葉に、二言は無いよね?」グスッ

男「無い!」ドドンッ!!



23:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/09(土) 00:00:00 ID:wsmcxXXw
ピピピピピ

男(ん?携帯のアラーム音?)

幼「今、丁度0時だね」

男「お、おう。そうだな」



24:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/09(土) 00:00:51 ID:wsmcxXXw
幼「男、今日が何の日かは覚えてる?」

男「今日?日付変わって…6月9日?」

男「…ロックの日?」

幼「…」ジーッ

男(外れっぽいな…。考えろ、俺!冴え渡れ、灰色の脳細胞!)

男「6月…9日…」

男(…何か引っかかるな…何だっけ…)



25:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/09(土) 00:02:07 ID:wsmcxXXw
幼「……」ジーーーーーッ

男(視線が痛い…)

男「…」

幼「…」

男「あっ!」

幼「ん!?」

男「思い出した…」

男「今日6月9日は、幼の誕生日だ!」

幼「はーい!正解でーす!男10ポイーント!」ビシッ!



26:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/09(土) 00:02:58 ID:wsmcxXXw
男「やったー!10点もらったー」ワーイ

幼「…」

男「…」

幼「で?」

男「え?」

幼「え?じゃなくて…」ハァ

幼「ヤクソクは?ヤクソクの方は思い出さない?」

男「…ごめん、そっちの方は全然思い出せないや…」ショボン



27:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/09(土) 00:04:17 ID:wsmcxXXw
幼「…わかった。うん、わかったよ」

幼「ていうかっ!」クワッ

幼「わかってたよ!男が約束の事、忘れてるって!」ガーーッ!

男「お、幼、深夜なんだから、もう少し声小さく…」アセッ

幼「構わないよ!むしろ聞いて欲しいくらいだよっ!」

幼「男っ!さっきの約束、守ってもらうからねっ!」

男「お、おう!ドンと来い!」



28:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/09(土) 00:05:49 ID:wsmcxXXw
幼「私の頼み事はたった1つのシンプルな事!」

男(どんな事言われても、驚かずに、絶対聞く!)ドキドキ

幼「今日…」

男「…」ドキドキ

幼「私と…」

男「…」ゴクリ



29:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/09(土) 00:06:43 ID:wsmcxXXw
幼「結婚しなさい!」

男「…」

幼「…」

男「はぁぁあああぁぁぁぁぁああああぁぁああああ?」

幼「ちょ、男、声デカイよ!」アセッ

男「これが叫ばずに居られるか!」

男「けけけけけ結婚ってお前!」



30:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/09(土) 00:07:32 ID:wsmcxXXw
幼「約束、守ってくれるよね?」ニコ

男「ちょっ、それは、あの…」

幼「何でも聞くって言ったじゃん!」

幼「男は2回も約束を破るの?」

男「あ、あの…」

幼「私の事、嫌いなの?」

男「いや、ずっと好きだったけど…」

幼「じゃあ良いじゃん!はい決まりねっ!」



31:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/09(土) 00:08:44 ID:wsmcxXXw
男「いや、俺が昔どんな約束したか覚えてないのは悪かった」

男「けど、お前、結婚って!一生の事だぞ?」

男「…良いのかよ、俺で?」

幼「言ったでしょ、ずっと待ってたって」

男「ぅ、待ってたって…」



32:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/09(土) 00:09:43 ID:wsmcxXXw
幼「はい、コレ」スッ

男「?何、この封筒」

幼「婚姻届が入ってるから、ハンコ下さい」ニコッ

男「は?」

幼「実印、家にあるんでしょ?」

男「押印しておいてね」

幼「朝、役所に出しに行こう!」

男「」

幼「それじゃ、朝迎えに行くからねっ!」

幼「ちゃーんと睡眠取っておいてよね!」

タッタッタッ

男「」



33:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/09(土) 00:10:31 ID:wsmcxXXw
男(どうしてこうなった…)

男(封筒の中には確かに婚姻届が入ってた)

男(何であいつはこんな物用意してたんだ…)

男(ていうか、どうする俺、どうなる俺)

男(昔の俺、何を約束しちまったんだ…)

男(んーダメだ、思い出せん!)

男(とりあえず寝るか…)



34:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/09(土) 00:11:44 ID:wsmcxXXw
男「グガーグガー」

幼「男くーん!あさー、あさだよー。早く起きて学校いこー!」ユサユサ

男「ぉー。あさかー…がっこーかー」ボケラー

幼「男、すっごい寝癖!」ケラケラ

男「…」ボケー

幼「おーい。愛しの妻が起こしに来たよー?」フリフリ

男「…」ボー



35:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/09(土) 00:12:36 ID:wsmcxXXw
幼「早く目覚めて!」バシッ

男「!」ハッ

幼「ようやく起きたか!さ、役所行くよ!」

男「ゆ、夢じゃなかった…」

幼「ちゃんと押印してあるよね?」ガサガサ

男「あ」

幼「…」

男「あの、ちょっと、待って、幼さん」

幼「…」プルプル



36:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/09(土) 00:15:10 ID:wsmcxXXw
男「いきなり結婚は無理だろう?」

男「ほら、俺、今、東京都民だしさ」

男「仕事の事、とかもあるし」

男「俺の母ちゃんや幼の両親ともちゃんと話し合ったりとかさ」

男「その、最終的には結婚するにしてもさ」

男「前のステップがその…ごっそり抜けちゃっててさ…」

幼「…サイ」プルプル

男「え?ごめん、聞こえなかった。何て?」



37:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/09(土) 00:16:29 ID:wsmcxXXw
幼「うるさーーーーーーーーーーーーーい!!!!!」ガーーー!!!

男「」

幼「10年、待った!」

幼「今日という日を10年!10年だよ?」

幼「大学でも、会社でも」

幼「言い寄ってくる奴らを振り払って!」

幼「親戚からの『結婚まだなの?』攻撃も華麗にスルーして!」

幼「次々結婚していく周囲の友人達からのプレッシャーもはねのけて!」



38:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/09(土) 00:17:52 ID:wsmcxXXw
幼「私は待った!待ってた!」

幼「待てない!待てない!もーう待てない!」

幼「もう1分1秒だって待ってやんない!」

幼「さぁ、ハンコ出して!」ガシッ

男「」

幼「はよ!はよ!」



39:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/09(土) 00:18:41 ID:wsmcxXXw
母「はぁ…やっぱりこのアホは思い出さなかったんだね…」

幼「あ、おばさん、いやお義母さん。おはようございます!」

幼「やっぱり男は思い出しませんでした」

幼「誕生日だけはかろうじて思い出してくれたけど…」

母「あの約束は忘れたままだったんだね」

幼「…はい」ショボン

母「まぁ、良いじゃないか。準備はしてあるんだし、ね?」

幼「はい!今から役所に行ってきますっ!」パアッ!



40:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/09(土) 00:19:20 ID:wsmcxXXw
男「おい!ちょっと待っておい!」

母「ん?何だボケ息子。言う事あるなら聞いてやるよ」

男「これはどういう状況なの?」

男「俺にもわかるように説明してくれ」

母「あぁ、アンタは今日、幼ちゃんと結婚する」

母「以上」

男「だから、何でそんな事に…てか、母ちゃん知ってたの?」

母「知ってたっていうか、覚えてたっていうか」



41:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/09(土) 00:20:04 ID:wsmcxXXw
母「幼ちゃん、もういいだろ」

母「このアホにアレ聞かせてやんなよ」

男「アレ?」

幼「はい…」スッ

男「ん?ICレコーダー?」

幼「再生してみて」

男「ん…」ピッ

10年前の男『幼、俺…』

男「あ、俺の声だ」

母「黙って聞いてなよ」



42:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/09(土) 00:20:54 ID:wsmcxXXw
10年前の男『東京で頑張るよ!』

10年前の男『そんで、一人前の大人になったらさ』

10年前の男『幼を迎えに来るよ!』

10年前の男『10年後の幼の誕生日に』

10年前の男『俺と結婚してください!』

10年前の幼『嬉しい…約束だよ?』グスッ

10年前の男『おう!約束だ!』



43:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/09(土) 00:21:31 ID:wsmcxXXw
10年前の幼『忘れたりしたら…』

10年前の男『忘れるわけないだろ!』

10年前の幼『忘れてたら、私、男がビックリするような事するよ?』

10年前の男『何だそれ、怖いな』ハハハ

10年前の男『絶対忘れねーって!』

10年前の男『キミの髪が~肩まで伸びたら~』

10年前の男『結婚しようよ~フフンフーン』

10年前の幼「フフ。何それ。髪伸ばせって事?」フフフ

10年前の男『ハハハ。そうだなー。幼、髪伸ばしてみれば?』ハハハ

ピッ



44:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/09(土) 00:22:20 ID:wsmcxXXw
男「…」

幼「…」

母「わかったか、アホ」

男「すんませんでしたーーーーーー」ドゲザー

幼「男は絶対忘れると思ったよ。わかってたよ」

幼「何せ、生まれてから18年ずっと一緒だったもんね」

幼「だからこの会話も録音しておいたんだー」フフン

母「良くやったよ、幼ちゃん!」グッ



45:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/09(土) 00:23:49 ID:wsmcxXXw
男(ヤバイヤバイヤバイ!完璧に忘れてた!)

幼「さぁ、男、役所に行くよ!」

男「でも幼、本当に俺なんかでいいのか?」

幼「男じゃないとダメなの!いい加減そろそろわかってよ!」

母「ハラ決めなよ、ダメ息子」ニヤッ

幼「さぁ、その手を伸ばしてよ!」

男「わ、わかったよ!するよ!結婚するよ!」



46:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/09(土) 00:24:28 ID:wsmcxXXw
幼&母「イェーイ!」パシッ

男「何故にハイタッチ?」

母「色々あったんだよ…色々ね」ハァ

幼「そうそう。何せ10年だもん。色々あるよそりゃあ」ハァ

男「色々…ね」ハァ

母「さぁ!晴れの門出にため息ばかりじゃ、縁起悪いよ!」

幼「そうだよ!行こう、男!」

男「おう!行くか!」



47:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/09(土) 00:25:43 ID:wsmcxXXw
男(まぁ、幼相手ならいいか…いいよな)

男(昔から一緒に居て、楽しかったし、すげー美人になってるし)

男(ハッピーエンド…だよな)

男(いや、エンドじゃないか。ハッピー…だな!)

幼「今日は色々忙しいからねー。ちゃっちゃと行くよー」

男「?あぁ、まずは幼の両親にご挨拶に行かないとなー」



48:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/09(土) 00:26:15 ID:wsmcxXXw
幼「あぁ、そんなの良いから良いから」

男「そんな訳にもいかないだろ。10年会ってないんだぞ?」

男「娘さんを嫁に下さいって言わないと!」

幼「ウチの親もわかってるから良いの良いの」

男「…わかってる?」

幼「良いから、役所行くよ!」



49:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/09(土) 00:27:01 ID:wsmcxXXw
役所職員「はい、確かに受理しました」

役所職員「おめでとうございます」

幼「ぃやったーーーーーーー!」ピョンピョン

男「幼、はしゃぎすぎだろ」ハハハ

幼「何度も言うけど、10年待ってたんだからね!」

男「わ、わかったよ。とにかくこれからよろしくな!」



50:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/09(土) 00:28:15 ID:wsmcxXXw
幼「さて、無事籍入れて、夫婦になりましたね、私達」ニコニコ

男「そうだな。考えないといけないこと山積だけどな」

幼「大丈夫。何も問題ない」

幼「問題ないんだよ、男」

男「いやいや、あるだろ、色々」

幼「ない!」



51:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/09(土) 00:29:12 ID:wsmcxXXw
男「住む所とか、仕事とかさ」

男「幼が東京に来るのか、俺がこっちに帰ってくるのか」

男「帰ってくるなら、仕事どうするのか?とかさ」

幼「ノープロブレムだよ、男」

幼「さぁ、次行くから車に乗って!」

男「次って?」

幼「良いから早く早く。ケツカッチンだよ!」



52:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/09(土) 00:30:28 ID:wsmcxXXw
美容師「今日はどんな感じにしますかー?」

男「えっと…」

幼「美容師さん、ちょっとこっちに」

美容師「ちょっと何何?何の話し?」

幼「実は…」ゴニョゴニョ

美容師「へぇー。そうなんだー。オッケ~!」

美容師「それじゃ、張り切っちゃうよ!」

幼「お願いします」ニコッ

男(何故朝の10時から髪を切るのだ…)


幼「おー、サッパリしたねー」

男「お、おう。さっぱりしたなー」

幼「さぁ、次行くよー!」

男(どこに?って聞いても答えないんだろうな…)



53:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/09(土) 00:31:18 ID:wsmcxXXw
男(で…)

男(気付いたら、結婚式場?に居て…)

男(タキシードを着せられていた…)

男(何を言ってるかわからねーと思うがry)

男「あ、あの、幼は?」

式場係員「隣りの部屋で着替えてますよ。大丈夫だからね」ニコニコ

式場係員「カッコイイですよ、新郎さん」ニコニコ

男(何なんだ、コレ)



54:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/09(土) 00:32:00 ID:wsmcxXXw
幼「男、どうかな?」テレッ

男「おぉ…超綺麗だな。似合ってるぞ、そのドレス」

男(すげー綺麗だ…ここに天使がおる)カァッ

男「!」ハッ!

男「いや、幼、そろそろ説明してくれよ!」

男「何でこんな…」

幼「さぁ、もうそろそろ時間だから行くよ!」

男「行くって…どこに?」



55:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/09(土) 00:33:04 ID:wsmcxXXw
牧師「…愛を誓いますか?」

幼「はい、誓います」

牧師「それでは神の御名のもとに、この2人を夫婦と認めます」

参列者「ワー」パチパチパチ

男(チャペルで結婚式?)

男(てか、幼の両親と、ウチの親戚がみんな集まってる…?)



56:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/09(土) 00:34:08 ID:wsmcxXXw
披露宴の司会者「それでは新郎・新婦のご入場でーす」

披露宴の司会者「皆様、盛大な拍手でお2人を迎えてくださーい!」

パパパパーン パパパパーン

男「」

幼「ほら、行くよ!」

男(…結婚披露宴?)



57:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/09(土) 00:34:56 ID:wsmcxXXw
幼の父「男君、久しぶりだね。幼の事よろしく頼むよ!」ポンポン

幼の母「フフフ。幼、綺麗よ。男君と一緒なら、必ず幸せになれるわよ」パチパチパチ

男の親戚のおっさん「おう、男。やっと結婚だな!心配してたんだぜー」ワッハッハ

男の親戚のおばちゃん「男ちゃん、やっと結婚ね!次は子供ねー」ハハハ

男の従兄「男、年下のくせに先に結婚かよ!悔しいぜ!」ハハハ

男の従妹「男おにいちゃん、結婚おめでとう!お幸せにね!」パチパチ



58:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/09(土) 00:35:37 ID:wsmcxXXw
会社の社長「男君、本当におめでとう。綺麗なお嫁さん貰って羨ましいぞ」ヒューヒュー

会社の専務「はっはっは!本当に素敵な新婚さんだ!お幸せにな!」パチパチパチ

会社の先輩「男君、おめでとう!お幸せにね!」パチパチパチ

会社の同僚「男~。こんな可愛い彼女が居たんなら言えよなー」ニヤニヤ

会社の後輩「男先輩、おめでとうございますッス。ホント、奥さん綺麗で羨ましいッス」ヒューヒュー

会社の事務「お、男さん…おめでとうございます。お、お幸せに…」グスッ



59:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/09(土) 00:36:10 ID:wsmcxXXw
友「男!10年ぶりだな!結婚おめでとう!」パチパチパチ

イケメン友「男、幼ちゃんを幸せに出来るのはお前だけだ!おめでとう!」パチパチパチ

オタ友「男殿、久しぶりでござる。そしておめでとうでござるドゥフフ」パチパチパチ

女「男君、幼さん、おめでとう。ホント、似合いの2人だね!」パチパチパチ

元ツンデレ「ふんっ。幼ちゃんを不幸せにしたら、許さないんだからねっ」パチパチ

元委員長「やっと結婚ね!幼、おめでとう。男君と…お幸せにね」パチパチパチ

元生徒会長「君は本当に世話の掛かる後輩だった。…幼さんと仲良く…ね」パチパチパチ



60:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/09(土) 00:36:47 ID:wsmcxXXw
男「」

幼「ほらっ、最後の挨拶はアドリブだけど、しっかりね?」

男(えっ?急にスピーチって言われても…)アワアワ

男(何なんだよこれー)アワアワ

会社の同僚「男ー!クライアントへのプレゼンだと思えー!」

会場の客「ワハハ」ドッ

男(プレゼン…そうかこれはプレゼン、これはプレゼン…)ブツブツ

幼「男、大丈夫?」

男「ん、よし!大丈夫。やれるよ」

男「…」スーーーーハァッ

男『本日は、ご多忙の中、わたくしたち2人の為に足を運んで頂き…』



61:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/09(土) 00:37:39 ID:wsmcxXXw
幼「いやー、終わったねー」

男「終わったなぁ」

幼「ビックリした?」

男「説明求む」

幼「ビックリしたでしょ?」

男「したよ、超ビックリした」



62:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/09(土) 00:38:22 ID:wsmcxXXw
男「なんでウチの会社の連中全員来てるの?」

幼「2ヶ月前、直接会社まで行って、頼んだの」ニコリ

男「は?2ヶ月前?」

幼「うん。結婚式の招待状持って、頼みに行ったの」フフフ

男「東京来てたんなら、何でオレの所には来なかったの?」

幼「全部ぜーんぶ。今日という日の為だよ!」

幼「男をビックリさせたかったんだよ!」

男「…マジかー」アングリ



63:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/09(土) 00:39:10 ID:wsmcxXXw
幼「10年前、言ったでしょ。忘れてたらビックリするような事するって」

男「そりゃ言ってたけど…これはお前、アレだぞ?」

幼「あの頃からこうしようって決めてたんだー」

幼「だから構想10年の大プロジェクトなんだよコレは!」フフン

幼「他にも全部色々、準備してあるよ」フフフ

男「まだ何かあるのかよ…」



64:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/09(土) 00:40:08 ID:wsmcxXXw
幼「男の実家ねぇ」

男「実家?」

幼「2世帯住宅にしちゃった!」テヘペロ

男「」

幼「2階部分が私達の新居になってるよ!」

男「母ちゃんもグルなんだな?」ハァ



65:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/09(土) 00:40:55 ID:wsmcxXXw
幼「勿論!10年前から一緒に色々計画してたんだから!」

男「だから2階に上がるなって言ってたのか…」

幼「あとねぇ…」



66:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/09(土) 00:41:45 ID:wsmcxXXw
幼「男は外注のデザイナーって事で、自宅で仕事が出来るようになってます!」

男「えぇーーーーーー」

幼「これも2ヶ月前に社長さんに頼みました!」

幼「ネットさえ繋がってれば、ちゃんと仕事出来るんだから凄いよね!」

男「社長、そんな事一言も言わなかった…」

幼「10年、会えなかった分、ずっと一緒にいたくってねっ」ニコ



67:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/09(土) 00:43:35 ID:wsmcxXXw
男「てか、オレ以外のみんながグルだったのかよ!」

幼「そうでーす」テヘペロ

男「あのさぁ」

幼「何?」

男「オレに彼女が出来てるかもとか、そんな事は考えなかったの?」

幼「彼女居ないって知ってたからね!」

男「何で?」



68:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/09(土) 00:44:39 ID:wsmcxXXw
幼「だって、私とおばさん…じゃなくてお義母さん、2人でさ」

幼「3ヶ月に1回は男の様子を見に行ってたからね!」

男「はぁ?いつから?」

幼「10年前からだよ!」フンス

男「」

幼「お義母さんと、話してたんだよ」

幼「男は絶対、この約束の事忘れるって」

幼「だから定期的に様子を見に行ってたんだよ」

男「」

幼「あ、男のアパートの大家さんも、私達の事知ってるから」

幼「連絡とかマメに取り合ってたんだよ」フフ

男「」



69:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/09(土) 00:45:41 ID:wsmcxXXw
幼「たまーに、ちょびーっと部屋片付けたりしたんだけど」

幼「気付かなかった?」

男「部屋に入ってたのかよ…」

男(気付かなかった…)

幼「アヤシゲな本を何冊か捨てたんだけどなー」フフフ

男「マジかよ…」

幼「ぶっさいくな風俗嬢をブロックしたのも私達だよ!」

男「」

幼「あんな女に男の貞操を渡す訳にはいかなかったからね!」フフン

男「…参ったよ。ホント参った」ヘタリ



70:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/09(土) 00:46:26 ID:wsmcxXXw
幼「さぁ、そろそろ帰ろうか!我が家へ!」スッ

男「ん?あぁそうだな」ヨッコラ

幼「…」ガシッ

幼「…」グイッ

幼「ェィ」チュッ

男「」ドサッ

男(立ち上がろうとしたら、手掴まれて」

男「引き寄せられて、キスされて、しりもちついた…)



71:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/09(土) 00:47:21 ID:wsmcxXXw
幼「…」カァッ

男「ぉぉぅ」カァッ

幼「28歳だけど、ファーストキスだよ?」テレッ

男「俺もファーストキスだけど」テレッ

幼「帰ったら、この続き…ね?」マッカッカ

男「お、おぅ」マッカッカ



72:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/09(土) 00:48:03 ID:wsmcxXXw
男「28歳の冴えない男が」

男「10年ぶりに実家に帰ってみたら…」





















男「いつの間にか隣りに嫁が立ってた」

おわり



73:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/09(土) 00:48:47 ID:hdkq7I/M
面白かった おつかれさまです



75:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/09(土) 00:58:56 ID:6oLv55LY
おつおつ



76:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/09(土) 01:04:30 ID:PvlGsLIU
おっつおっつ
次もこういうの頼むわ



78:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/09(土) 01:19:07 ID:JmsFIVjk
乙!



81:以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/09(土) 04:45:41 ID:HKCuODqw

幼馴染には幸せせになって欲しい


あるいは現在進行形の黒歴史6 -幼馴染が俺の嫁?- (GA文庫)