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1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/28(月) 23:28:59.24 ID:Cc2ZyDuB0
兄「マジでやべーよあれ」

友「え?お前に妹いたの?」

兄「うん、中学2年生なんだけど最近マジ可愛いのよ」

兄「バリバリの反抗期なんだけどね」

友「へえーじゃあ話せてねえんだ」







2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/28(月) 23:29:41.52 ID:Cc2ZyDuB0
兄「そうなんだけだ、普通に美少女なわけよ」

友「見てみたいなーどんな子なの?」

兄「えーとね」



5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/28(月) 23:34:19.17 ID:Cc2ZyDuB0
兄「まず、特徴としてあげられるのがその大きな目と白い肌。肌は恐ろしいまでに白くて、一回テッシュと間違えてぶっかけちゃったこともあるくらいだよ。
それからヤバいのはやっぱ顔、ステキなほどに美しいのよ。これが。
俺は一度、遊楽魚。という魚を捕まえたことがあるんだけど、その遊楽魚を見ているくらい不思議とウットリとするステキな少女なんだよね。
まず、見ていて驚くのが、この世の物とは思えない輝き、翼が生えたような、それはよく見てみると人間じゃあなかったのかもしれない。その光で目が死んでも全くおかしくはなかった気がするよ。
それよりも驚いたことは、その妹が喋ることであった。
俺がやっとこさ捕まえた遊楽魚は喋ることなんてないからね。
ここでお前は、魚は喋らなくて人間は喋るからお前はキチガイ。と思っているだろ?
その考えはおかしくは無いよ。
ここで話している事は、常識で照らし合わせると、ただの人間と魚であることに間違いはないけど、その2つをお前は見たことがないんだからね。知らないんだからしょうがないと思うよ」



7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/28(月) 23:39:06.20 ID:Cc2ZyDuB0
兄「ここで、まず遊楽魚の話をしようと思う。遊楽魚を知ることが、俺の妹を知ることに一歩、確実に踏み込むことができるからね。
どうして遊楽魚の事を知るのかというと、その俺の妹は特徴的にも性質的にも、その遊楽魚とピッタリと照らし合わせることごできるわけなんだよ。
だから、ここで遊楽魚の事を知ることによって、妹に関して簡単に理解することができる。
イキナリ妹の事を教えてほしいなんていうもんじゃないよ。どちらにせよ知らない生物の話なんだから、遊楽魚という根本から話し始めた方がいいのには違いが無い。
焦って近道をするのはよくないよ。
人は結果だけを求めすぎるとやたらと近道をしたがるからね。
その近道こそダメだっていうのに。
近道をすると、その過程に関して感心が示せなくなる。つまり、結果だけのスッカラカン人間になってしまうということだよ。
テストで考えても、いい点を取ったけど授業の内容はスッカリ覚えていない。
そんなのはダメ人間の一種だからね。
テストというのは学習における力試しなのだから、まず学習が大事という根本の事実に気がつかなきゃいけないんだ。」



9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/28(月) 23:44:36.40 ID:Cc2ZyDuB0
兄「ごめん。話が大分それてしまったね。
遊楽魚の話をしようか。」


兄はこう語った。

あれは思い出しただけでいつの話しになるだろう。
公園にいたあるオジサンに、遊楽魚なる魚の存在を聞いて、夏休みの毎日をそれに費やし、ヤットの思いで捕まえた遊楽魚。
これは僕の小学校の夏休みの話である。
その日もラジオ体操に言って、友達と話しながら公園で遊んで、スイカを食べたりと楽しい毎日だった。
だけど、夏休みの5日くらいの時に、公園で集合するメンバーの一人であるケンちゃんが体調不良で公園に来なかった。
その日はケンちゃんのラジコンで遊ぶつもりだったから、みんなその日は解散して後日ケンちゃんと遊ぶつもりだった。
僕は水を飲んだりブランコにのったり、遊び足りなかったから一人で公園にいた。
みんな公園からいなくなって、僕もそろそろ帰るか。と思っているとあるオジサンが僕に話しかけてきた。
このオジサンが、僕の遊楽魚生活にドップリ嵌る事になった原因である。



12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/28(月) 23:50:22.93 ID:Cc2ZyDuB0
オジサンは言った。
「ネェー君。何か探しているのかい?」
「うぅん。何も探してないよ」
「そうかい。それはよかった。そんなことよりも、オジサンすげえ事を知ってしまったんよ。」
「なになに!?」
僕はその時子供だったから、すげえこととか、秘密とかに異常な感心を持っていた。少年時代は誰だってそうだろう。
「えへへ。君には特別に話してあげよう。この街には湖があるだろ?」
「山の向こうでしょ?」
「へへ、そうだよ。その湖にヤバい生物がいる事を見つけちまったんだよ」
「えぇーっ!ネッシー!?」
「そりゃあ違うよ。ネッシーよりヤバい生物さ」
「なんだよそれ!?」
「遊楽魚だよ。」
「エッ」
それを聞いた瞬間、おじさんはいきなり慌ててどこかに走り出していった。
おじさんは早く一瞬でどこかへ行ってしまった。
そして家へ帰った僕は、魚の本を開いて遊楽魚という魚を探して見たのだが見つからない。
僕は遊楽魚が一体どんな魚なのか気になってしょうがなかった。
楽しい夏休みよりも、ケンちゃんのラジコンよりも、ずっとずっと気になって夜も眠れなくなってしまったのである。
遊楽魚がどんな鱗を持っているのか。どんな大きさなのか。
知らないまま、僕は一人で湖に行くようになった。



13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/28(月) 23:54:14.35 ID:Cc2ZyDuB0
夢中であった。
ただひたすらに、遊楽魚を求めて深い深い湖をたった一人で探しまわっていた。
いない。つまり想像上の生物であるということは考えもしなかった。
野暮だからとか、悔しいからとかではなく、発想に無かったといえる。
いくら小学生でも、それくらいの区別はつくだろう。
しかし僕は、脳内にいる遊楽魚が一体どんな姿をしているのか。
その幻影に取り憑かれてひたすらに遊楽魚を探し続けていた。
毎日の時間をその湖で過ごすようになったが、僕は諦めなかった。
というよりも、これも諦めるという発想が無かった。めげるという発想が無かった。
僕はそれくらい強い希望と目的地に向かって足を進めていたのである。



14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/28(月) 23:57:30.38 ID:Cc2ZyDuB0
そうして3週間くらいたった日。
ついに遊楽魚と思える魚を捕まえることができた。
その魚は、本当の意味で真っ白な魚であった。
僕はその時これが遊楽魚であるという根拠は無かったが、心の中では確信した。
それを見た瞬間に僕は、心が踊るのを感じて、胸の高鳴りも感じた。
体が宙に浮くような感覚に襲われて、激しくはあるが優しく持ち上げてくれるような感覚にも陥った。
重力がメチャクチャになった。立っているつもりだったがいつのまにか地面にへばりついていた。
それから、それから、それから

僕はその時初めてオルガスムに達した。



17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/29(火) 00:06:32.18 ID:CI9XslP60
生温くて気持ちのいい水の上にプカプカと浮かんでいる感覚だった。
いや、実際湖の上に浮かんでいたのか知らん。
それから僕はその場所で気を失ってしまい、母が警察で電話して多くの人を騒がせたのは恥かしい話である。
けど、起きたその時には遊楽魚はいなかった。
確かにバケツの中に水と一緒に入れておいたはずなのに、遊楽魚がいなかったはずがない。
実際網で取って、触ってバケツの中に入れたのだ。
そして、あれは遊楽魚であったことに間違いが無い。
あんな真っ白な魚は今まで見た事が無かったし、名前通り気持ちがよくなった。
本に載っていないのはあまりにも生息数が少ないのか、別種として区別されてしまっているかのどちらかである。
どちらにせよ、僕は遊楽魚を見つけて、それを触ったことには変わりが無い事実である。
大人は僕の言ってる事を信じなかった。
そんな魚はいないし、お前は湖で寝ていた。としか大人は言わなかった。
子供ながらにどうしてだろうと思った。
「いるのか分からない」ならまだしも、どうして遊楽魚が「存在しない」と言い切れるのか気になってしょうがなかった。



20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/29(火) 00:14:02.40 ID:CI9XslP60
これは今でも少し思っていることである。
大人は、本当に見たことがないことでも、本に載っていなかったり、常識で考えられないことは基本的に無い物だとするのだ。
では、常識とはなんなのだろうか?
僕達は常識という物に従って生きている事になる。
常識とは世界のルールであり、当たり前のことなのである。
その当たり前が、「なんの」当たり前なんだろうか?
誰が作り、誰が考え、誰がそれを広めたのか?
みんなそれはわからないだろう。
そんな何かも分からない。全然知らない物を人は頼りにして生きているのである。
そう考えれば、人間とは馬鹿な生き物である。
しかし、間違っていないとは言える。
なぜなら、僕達は常識に従っていることによって、人間として生きる権利を獲得しているからである。
事実、常識に従えば何の不自由も無く生活することができる。
しかし、世間は常識に従わない人に対して厳しすぎる。
常識を従わない人は、危害は加えられないものの、ゴミとして扱われる。
これは一体どうしてだろうか。
常識とは一体何なのか?



21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/29(火) 00:17:33.55 ID:CI9XslP60
僕は常識が嫌いだった。
常識はどこに言ってもあるものだから、この世界そのものが嫌いなのかもしれない。
僕は、その常識というものについていくことができなくて、家に引きこもることになった。
何ヶ月も同じ部屋に引きこもっていると、この部屋そのものが世界だと感じてくる。
しかし、間違ってもいない。
僕は常識がある世界が嫌だから、自分の部屋という世界に引きこもったのである。
つまり、僕の部屋は僕の世界だった。



24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/29(火) 00:21:50.89 ID:CI9XslP60
兄「妹が、欲しいなぁ」



25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/29(火) 00:25:36.06 ID:CI9XslP60
僕はそんな部屋の中にいながらも、遊楽魚の存在が忘れられなかった。
だけど、湖に行ってももういないような気がしたから、湖には行かなかった。
何よりも僕の世界から出たくなかった。
常識という厄介なものに足をとられたくなかった。
しかし、僕が僕の世界で存在すること自体、外の世界の常識に影響しているのである。
つまり、僕の小さな世界は、常識の世界の中にあるということである。
中にある時点で、僕の世界は僕だけのものじゃなかった。
だから淋しかった。



26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/29(火) 00:25:54.18 ID:CI9XslP60
兄「遊楽魚が、欲しいなぁ」



27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/29(火) 00:29:26.53 ID:CI9XslP60
そんな中で僕は家の中で妹を発見したのである。
家というとは、国が違うだけで僕の世界であった。
その中で遊楽魚のように美しい妹を見つけて、僕はまたしてもオルガスムに達した。
2年ぶりだった。
考えてみれば当たり前のことである。
遊楽魚のように美しい少女をみてそんなことにならないらはずが無い。
感動して泣き出していた。
僕の世界の中に、こんなにも美しい生物がいてもいいのかと。



28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/29(火) 00:29:42.75 ID:CI9XslP60
兄「壊されたのは、僕です。」



29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/29(火) 00:31:32.10 ID:CI9XslP60
それから僕の引きこもり生活は終わった。
美しい妹をみていると、常識なんていうちっぽけなものがどうでもよくなったからである。
それにしても、妹は本当に遊楽魚に似ている。
にすぎていて自分でも驚いているくらいなんだよ。
妹の話しはこれで終わりだよ。
会いたかったら僕の世界へおいで
一度来たらでられないと思うけどね。えへへ。



30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/29(火) 00:31:49.42 ID:CI9XslP60
兄「やっぱり、この景色なんだなぁ」



31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/29(火) 00:32:06.41 ID:CI9XslP60
終わりです