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1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 15:19:00.23 ID:auD8mxvo0
友「今日こそって、毎日一緒に帰ってるじゃない……」

女「いやいや、例えそうだったとしても初めて一緒に帰るみたいな意識を常に持つ事が重要なんだよ」

友「いやー、意味わかんないし」

女「一緒に帰るということは一種の心的伝達的コミュニケーションとして様々な副産物を産むんだよ」

友「は?」

女「簡単に言うと私は鯛焼きが食べたいのだよ。しかし今月のお小遣いがピンチなのだよ」

友「奢らないよ」

女「えー、ずるいー」

友「何がだ」





2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 15:21:47.43 ID:auD8mxvo0
女「おいしー」モフモフ

友「まったくもう、これじゃ結局私が半個分奢ってるのと変わらないじゃない」

女「今度ジュース半分あげるから。私の飲みかけをな!」モグモグ

友「いらんわ。っていうか私はそもそも鯛焼きあんまり食べたくなかったんだけど」

女「いやいや、そう言いながらもなんだかんだで鯛焼き屋さんに寄ってくれる
  みょみょみょんの優しさがこのしっぽをますます美味しくするよ。
  このあんこが全く入っていない、もちぱさの生地感がすっごいしっぽのね」

友「なんか文句あるの?」

女「ゴメンナサイ。無いです」




3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 15:25:04.85 ID:auD8mxvo0
女「その玉子焼きおいしそー」

友「たこウィンナー二匹」

女「一匹!」

友「残念。交渉決裂」

女「ぐっ……一匹ときんぴら!」

友「二匹」

女「一匹ときんぴらとひじき!」

友「三匹」

女「増えるんかい! たこ祭りか! オクフェスか! オクトパスティバルか!」

友「もう、うるさいなぁ。ほら、食べなよ」

女「わーい」




4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 15:28:17.90 ID:auD8mxvo0
女「ねぇねぇ、しゅくだ」

友「ダメ」

女「なんで! せめて最後まで言わせてよ!」

友「この間写したのがばれて怒られただろー」

女「あれは現国なのがダメだったんだ。今度は英語だから大丈夫!」

友「いや、英作なんだから変わんないだろ」

女「うう、最後の頼みの綱がダメとなったら……もう破滅だあぁあああ!」

友「一回破滅してみたら?」

女「ひどっ!」

友「……ほら、一緒に考えてあげるから。さっさとノート出しなさい」

女「あっ……ありがとー!」




5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 15:31:25.02 ID:auD8mxvo0
女「あっ、筆箱忘れた! どーしよう!」

友「……あー、もう。ほら」

女「わー、ありがとう! やっぱりみょみょみょんの慈悲は海の底より深いね!」

友「あんた、これで今月に入って3回目だよ。ちゃんと出かける前に忘れ物チェックしなよ」

女「してるよ!」

友「じゃあなんで忘れるんだ!」

女「チェックして思い出せたら忘れ物じゃないんだよ!」

友「……はー」

女「うわっ、露骨なため息」

友「これでため息つかない奴がいたら、会ってみたいわ」

女「あっ!!」

友「……今度は何?」

女「教科書とノート忘れた!」

友「……あんた、何しに学校来たの?」




6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 15:35:15.42 ID:auD8mxvo0
女「あー、マラソン大会だるいなー。一体なんの意味があるんだろうこの苦行……」

友「しかも真冬にやる意味もわかんないなぁ」

女「一緒に走ろうね」

友「え、嫌」

女「何故!」

友「いや、なんとなく。体育の成績にも響くし」

女「酷い! みょみょみょんの私への愛はそんなものだったのか!」

友「なんだよ愛って。そんなもんだよ!」

女「くそっ! こうなったら意地でも一緒に走ってやる!」




8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 15:39:55.89 ID:auD8mxvo0
-マラソン大会当日-

女「おーい待ってー」タタタ

友「……」タタタ


女「いやー、寒いねー」タタタタ

友「はぁ……はぁ……」タタタタ


女「もうすぐゴールだよ、頑張って!」タタタタタ

友「はぁっ! はぁっ! はぁっ!」タタタタタ


女「ゴール!」

友「し、死ぬ……」




9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 15:43:08.41 ID:auD8mxvo0
女「いやー、結局一緒に走ってくれるなんて、さすが優しいねー」

友「い、いや、そんなつもりは……はぁはぁ……」

女「大丈夫?」

友「あ、あんたそんなに走るの得意だったの?」

女「うん。まあちょっとね」

友「チクショー、ムカツク……」

女「まあまあ」




10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 15:46:27.45 ID:auD8mxvo0
女「ねぇねぇ、これ面白いから読んでみてよ」

友「あ、また漫画なんか持ってきて……それにあんたの薦める漫画って、変なの多いから嫌」

女「む、なんだ変なのって」

友「この間のだって意味わかんなかったし。なんだっけあれ」

女「はかた女あばれ太鼓? つまんなかった?」

友「……で、今度はなんて漫画?」

女「酢飯のゴリ郎~豪腕繁盛記~」

友「……どんな内容なの?」

女「老舗寿司屋に弟子入りしたゴリラが一人前の鮨職人を目指して修行の日々を過ごす下町人情物語! 1巻で完結!」

友「うん。やっぱりいらない」




11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 15:49:59.00 ID:auD8mxvo0
女「みょみょみょん! 次の時間物理の教科書貸して!!」

友「いや、駄目だよ。私だって使うだから」

女「そんな! 多分今日あてられるのに!」

友「隣の子に見せてもらえばいいじゃない」

女「えー……仲良くないし」

友「これを機に仲良くなれよ」

女「私にみょみょみょん以外の友達がいないの知ってるだろ!」

友「知らないよ! っていうかなにさらっと悲しいこと言ってるんだよ!」

女「いや、マジで」

友「はぁー?」

女「いいよもう! なんか急にお腹と頭と足と心が痛くなってきたから保健室行ってくる!」

友「はいはい、仮病頑張ってね」

女「ちくしょぉおーー!」ダッ




12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 15:52:54.90 ID:auD8mxvo0
女「うううううう……」

友「あーなんか変な声が聞こえるー。耳鼻科行こうかなー」

女「今日の宿題は一人で出来る気がしないよ……」

友「よし。頑張れ」

女「助けてよ!」

友「……はぁ、ま、いいけど」

女「えーっとね、まずここが……」

友「え? 今やるの?」

女「だって明日提出だし……」

友「嫌だよ居残りなんて。……じゃあ、私んち来る?」

女「え? ……いいの? みょみょみょんち行っても」

友「? 当たり前だよ」

女「おおおおぉ……」




13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 15:56:24.14 ID:auD8mxvo0
女「お、おじゃましまーす」

友「そういえば、うち来るのって初めてだっけ?」

女「う、うん」

友「へぇー、意外。まあ、お母さんまだ帰ってないから、気兼ねしなくていいよ。
  お父さんも多分今日も帰ってこないし」

女「なっ! お、親がいない!? そ、そんな、いきなり心の準備が……」

友「いや、なに言ってんだお前」


友「そんな端っこにいないでこっち来なよ」

女「あ、うん」

友「なんか、随分大人しいね」

女「いや、友達の家来たのって久しぶりだから、なんか緊張して……」

友「ふーん……?」

女「ふー……」




14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 15:59:31.84 ID:auD8mxvo0
-数日後-

女2「走り女って知ってる?」

友「なになに、何それ?」

女2「夜な夜な町を長い黒髪の女が奇声を発しながら走り回ってるって話」

友「なんだそりゃ」

女2「2、3年前に噂になってたんだよ。夕日町のあたりに出るとかなんとか」

友「よくあるくだらない都市伝説じゃないの?」

女2「いやそれがね、本当らしいんだよ! 私の友達が実際に見たって!
  この話、夕日町中の子は皆知ってるらしいよ!」

友「ふーん……」

友(あれ、夕日町って言えば……)




15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 16:02:24.79 ID:auD8mxvo0
友「ねぇ、あんた確か家夕日町だよね?」

女「ほぇ? そうだけど」

友「走り女って知ってる?」

女「走り女? 何それ?」

友「なんか、夕日町に出る妖怪で、夜に黒髪の女が走り回ってるとか」

女「……何それ。聞いたこと無いよ」

友「そうなの? 夕日町あたりじゃ有名らしいけど」

女「知らない」

友「そう。……ま、別にどうでもいいんだけど」

女「……」




16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 16:05:54.95 ID:auD8mxvo0
女「先日はお世話になりました」

友「え? どれ?」

女「お宅にお邪魔しちゃって」

友「ああ、確かに世話したね。宿題」

女「そこでお返しに我が家に招待したいと思います!」

友「お返しって……」

女「というわけで今日の放課後うちに来いやがれ下さいませ!」

友「どういう日本語だよ」


女「いらっしゃい! ようこそ我が家へ!」

友「お、お邪魔します」

女「汚ねぇ所でやんすが、さ、さ、ずずいっと、ずずいっと奥へ!」

友「なんだそりゃ……」




17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 16:09:04.74 ID:auD8mxvo0
女「そ、粗茶ですが」コト

友「あ、ど、ども……」

友(なんか思ったより部屋綺麗だな。ずいぶん片付いてる……)

女「き、今日は親いないので!」

友「あ、そうなの? 原木さん家も共働きなんだ?」

女「う、うん」

友「ふーん……え、で?」

女「え?」

友「いや、で、何すんの?」

女「え、えーっと……くつろいで!」

友「いやいや……」




18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 16:11:57.16 ID:auD8mxvo0
女「普通、友達の家に遊びに来たら、なにするのかな?」

友「えー? そりゃ遊んだり、前みたいに宿題やったりじゃないの?」

女「おー、そっか……」

友「……」

女「じゃあ、遊ぼうか」

友「何して?」

女「……ゲームがあるけど」

友「あー、私ゲームやんないんだよね」




20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 16:14:41.33 ID:auD8mxvo0
女「あ、そうなんだ……」

友「……」

女「じゃあ……どうしよう」

友「……勉強でもするか」

女「えー!」

友「また宿題出てたでしょ」

女「むー……」

友「……」




21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 16:18:22.66 ID:auD8mxvo0
友「じゃあ、またね」

女「結局ずっと勉強だった……」

友「来年から受験生なんだし、あんたもちょっとは自分でやっとかなきゃだめだよ」

女「う、うん」

友「じゃーね」

女「あ、じゃあ……」

女「あ、あの」




22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 16:21:39.26 ID:auD8mxvo0
友「ん? 何?」

女「また……来てくれるよね」

友「……? 別にいいけど」

女「あ、ありがとう!」

友「いや、お礼を言われる筋合いはないけど」

女「じゃあ、また明日ね!」

友「あ、ああ、うん」

友「……?」




23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 16:25:26.82 ID:auD8mxvo0
-音楽の授業-

ピーヒョローピローピヒョー
女「ねぇねぇ、ちょっと聞いて」

友「ん? 何?」

ピョロリーララーピョロリラホヘー

女「ね! ほらチャルメラ! 凄いでしょ!?」

友「……」スッ

ピロリーララーピロリラララー

女「なにぃっ!?」

友「リコーダーでチャルメラなんて、誰でも吹けるよ」

女「そんな! 大発見だと思ったのに!」

友「はいはい残念でした」




24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 16:28:24.29 ID:auD8mxvo0
女「みょみょみょーん、帰ろうよー」

友「ダメ。今日は生徒会があるから」

女「えぇえぇ、そんなぁ!」

友「ほら、こんなのほっといて早く行こ。遅れちゃうよ」

女2「う、うん」

女「チクショー! みょみょみょんの薄情者ー!」

友「全くもう。私だってさっさと帰りたいって言うのに……」

女2「明神さんって原木さんと仲いいよね」

友「うん? ……まーねー。1年の時席が隣だったから」

女2「みょみょみょんって明神さんのこと?」

友「うん。そう呼ぶのやめろっていつも言うんだけど聞かないんだ」

女2「まあ、珍しい名字だしねー。明神って」

友「呼ばないでよ」

女2「呼ばないよ」




26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 16:31:30.43 ID:auD8mxvo0
友「はー、終わった終わったー」

女2「じゃー、またねー」

友「うん。またー」

友「もう暗くなっちゃったなぁ。さっさと帰ろ……ん?」

女「みょーみょみょーん」

友「うわっ! なんであんたが!」

女「うわー、せっかく待ってたのに」

友「待ってた? 帰れって言ったのに……」

女「こんなに遅くなったのに、一人で帰るのは危ないよ。一緒に帰ろ」

友「う、うん……まあいいけど」

女「えへへ」

友「……」




28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 16:34:43.79 ID:auD8mxvo0
-数日後-

女「ねぇ、見て見てこの写真」

友「ん、何こ……ってなんっじゃこりゃ!」

女「どう? Gカップのみょみょみょんだよ」

友「アイコラかよ……これあんたが作ったの?」

女「うん! パソコン同好会の会長に教えてもらって!
  その人もなんとかいうアイドルが自分と一緒に写ってる写真作ったりしてて……」

友「アホっ!」

バシッ

女「へでっ! ちょっと! 何すんの!」

友「そのスキルをもうちょっとマシなことに使え!」

女「これ以上有意義なことなんてない!」

友「嘘つけ!」




29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 16:38:12.06 ID:auD8mxvo0
女「帰ろー」

友「あー、ごめん。今日も生徒会なの」

女「えー! またー!?」

友「文化祭も近いしね。今日はもう先帰ってて」

女「むぅーん。じゃあ、また待ってる」

友「いや、今日は終わった後も多分うちに集まっていろいろ相談しなきゃいけないから……」

女「あー、そう……」

友「じゃ、また明日ね」

女「うん……」




30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 16:40:29.37 ID:5i/ijOfC0
本名が見え隠れするのがいいね




31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 16:41:13.46 ID:auD8mxvo0
友「うわ、暗」

女2「どうする? 今日はもうやめとく」

友「いや、出店の食材のこととか決めなきゃダメでしょ」

女2「じゃあ、明日も休みだし、明神さんち泊まっちゃおうかな?」

友「え、まじで?」

女2「うん。今から家電話するし。ダメかな?」

友「うーん、まあ別にいい、かな? お母さんに聞いてみなきゃわかんないけど」

女2「よーし、じゃあお菓子とか買っていこっか」

友「そうだね……うっ!?」ゾクッ

女2「どうしたの?」

友「いや、なんか視線を感じたっていうか、変な寒気が……」

女2「えー? ストーカー?」

友「ま、まさかぁ……」




32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 16:44:21.29 ID:auD8mxvo0
女「ねぇねぇみょみょみょん。お願いがあるんだけど」

友「今度は何?」

女「あのね、その……」

友「なんだよ歯切れ悪いなぁ」

女「その……今度、みょみょみょんの家に泊まりに行ってもいい?」

友「え? 泊まりに? 何しに?」

女「何しにって……そりゃあ、泊まりに」

友「泊まって何するんだよ」

女「楽しくお喋りとか!」

友「はぁー?」

女「ね? いいでしょ? 楽しそうじゃない」

友「まあ、別にいいけど……」

女「やった!」

友「えらいまた喜ぶなぁ……」




33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 16:47:03.90 ID:auD8mxvo0
女「おっじゃましまっす!」

友母「あら、いらっしゃい」

女「ひぃっ!?」

友「ただいまー」

友母「お帰りなさい。お友達?」

友「うん。今日泊めてもいい?」

友母「お泊り? かまわないわよ」

女「あ、あのその。は、原木ともうしましゅ!」

友「なんだそのテンパりっぷりは……」

友母「ああ、あなたが原木さんね。いつも清美があなたのこと話してるわよ」

女「へぁっ!? そ、そうなんですか!」

友母「ええ。とっても面白い子だって」

友「ちょっとお母さん! やめてよ! ほら、もう部屋行くよ!」

友母「はいはい。前みたいにあんまり騒いじゃだめよ」




34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 16:50:08.77 ID:auD8mxvo0
女「おおー、ここがみょみょみょんの部屋……」

友「いや、前も来ただろ」

女「このベッドで毎晩みょみょみょんがあられもない姿で寝ているわけですな!」

友「寝てるよあられもある姿で! いいからそんなにはしゃがないでよ」

女「あっ、ごめんっ……おばさんいるもんね」

友「そうだよ。前怒られたんだから」

女「えっ、前って? あの時はおばさんいなかったんじゃ……下の階の人とか?」

友「あ、いや。そうじゃなくて、前他の友達が泊りにきたんだけどね」

女「ほかの友達……」

友「うん。細川さん。あんたも知ってるでしょ? ほら、生徒会の。同じクラスの」

女「ああ……」

友「夜遅くまで起きてたら怒られちゃって……」

女「……へぇ」




35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 16:53:07.54 ID:auD8mxvo0
女「えーっと、私はどこで寝たらいいのかな」

友「あ、布団敷くから」

女「えー、一緒に寝ようよー」

友「はぁー? やだよ狭いのに」

女「いいじゃーん。私とみょみょみょんの仲だろー」

友「どういう仲だよ」

女「……ちなみに、細川さんはどこで寝た?」

友「え? 普通に布団敷いて寝たけど」

女「へぇ……」

友「だからあんたも」

女「じゃあ一緒に寝よう!」

友「聞けよ人の話を!」




36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 16:56:02.04 ID:auD8mxvo0
女「えへへ、みょみょみょんと一緒だ一緒だ」

友「ううう、狭いよ……」

女「あったかいねー」

友「むしろ暑苦しいよ……」

女「……」

女「……ねぇ」

友「……ん?」

女「細川さんとどんな話したの?」

友「……あんた、えらいまた細川さんに絡んでくるね」

女「……」




37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 16:59:09.98 ID:auD8mxvo0
友「私が細川さんと何をしても、あんたには関係ないと思うんだけど」

女「……」

女「……みょみょみょん、細川さんのこと好き?」

友「はぁ? なんだよそれ?」

女「どうなの?」

友「いや……まあ、別に嫌いじゃないよ。友達だし」

女「そう」

女「……じゃ」

女「私は?」




38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 17:02:21.31 ID:auD8mxvo0
友「え? 何を急に」

女「私のこと、好き?」

友「そんなこと言われても……」

女「嫌いなの?」

友「そういうことじゃ……」

女「じゃあ、好きなんだね」

友「いや、な」

女「好きなんだね」

友「……」

女「好きって言ってよ」

友「……そんなこと、言われて言うことじゃないだろ」




40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 17:06:44.57 ID:auD8mxvo0
女「……じゃあ、やっぱりみょみょみょんは私のこと、好きじゃないんだね」

友「いやそうじゃなくてさ……あんた、さっきから何を……」

女「じゃあ好きって言ってよ!」

友「わっ!」ビクッ

女「私のこと好きって言ってよ!」

友「わ、わかったから、大声だ」


女「好 き っ て 言 え よ !」ガッ


友「ひっ! ちょっ、痛い! やめて!」」

女「私のことを! 好きって言えって言ってるんだよ!」




41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 17:10:00.01 ID:auD8mxvo0
友「す、好きだよ!」

女「……!」

友「私は原木さんのことが好きだよ!」

女「……」

女「ありがとー」ニコッ

女「私もみょみょみょんのことが好きだよ」

友「……」

友母「ちょっとー。もう遅いんだから静かにしなさーい」

友「あっ……ご、ごめんなさーい!」

女「……寝ようか」

友「……」




43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 17:12:55.17 ID:auD8mxvo0
女「……」

友「……」

女「……ごめんなさい」

友「……」

女「大声出したりして……」

友「……」

女「……変だよね、こんなの」

友「……」

女「友達に無理やり好きって言わせるとか、変だよね……」

友「……そうだね」

女「ごめん……」

友「……いいよ、もう。寝よ」




44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 17:16:22.57 ID:auD8mxvo0
女「ねぇ、みょみょみょん……」

友「何?」

女「……私のこと、嫌いにならないで」

友「……」

女「……他の友達と遊んでもいいから」

女「私のこと嫌わないで……私には、みょみょみょんしかいないんだよ……」

友「……」

女「お願い、嫌わないで……嫌いにならないで……」

友「……ならないよ」

女「……」

女「ありがとー……」

友「……」

友(この子……)




45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 17:19:26.38 ID:auD8mxvo0
-数日後-

友「うーん……」

女2「おはよう。どうしたの朝からそんな声出して」

友「あっ、おはよう。……いや、別に」

女2「今日は原木さん一緒じゃないのね」

友「……うん」

女2「……どうしたの?」

友「いや……」

女2「……原木さんと何かあった?」

友「……うん、ちょっと」

女2「そうなんだ……いっつもあんなに仲いいのに」

友「いや、喧嘩したとか、そんなのじゃないよ」

女2「じゃあ、どんなの?」




46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 17:22:31.54 ID:auD8mxvo0
友「……」

友「……あの子、どういう子なのかなぁってちょっと思って」

女2「ん? それってどういうこと?」

友「いや、私1年の時から同じクラスだけど、あの子の中学校までの話とか、全然聞いたことなくてさ」

女2「へぇ、そういう話したりしないの? 最初から?」

友「うん。なんか……話したがろうとしないっていうか」

女2「ふーん……」

友「そういえば、細川さんの友達に、夕日町中の子いたよね?」

女2「いるけど」

友「原木さんのこと知らないのかな」

女2「さぁ……じゃあ、本人に聞いてみる?」

友「うん。ありがとう」

友「……」




47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 17:25:51.70 ID:auD8mxvo0
女2「連れてきたよ」

友「あ、ありがとう。わざわざ……」

女3「で、話って?」

友「いや、その、原木さんって知ってる?」

女3「原木……?」

友「私のクラスの子で、夕日町中出身なんだけど……」

女3「原木ねぇ……原木原木と……」

友(知らないのかな……?)

女3「ああ、そういえば受験の時にいたわね。あの暗い感じの子でしょ」

友(暗い……? どこが?)

友「あ、うん。そうかな。で、その、原木さんの中学校の頃の話が聞きたいんだけど」




48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 17:29:12.26 ID:auD8mxvo0
女3「話って言われてもねぇ、私あの人と全然仲いいわけでもないからねぇ」

友「そうなんだ……」

女3「あ、そういえばあの人って……ん、でもこれ言ってもいいのかしらね」

友「何?」

女3「いや……これ私が言ったって言わないで欲しいんだけど、あの人、中学校時代は不登校だったみたい」

友「フトーコー?」

女3「そうそう。2、3年生の時はほとんど学校来てなかったって。
   それなのにここの高校受かって、ちょっと話題になってたわねそういえば」

友「そうだったんだ……信じられないな」

女3「で、で、不登校になる前に事件起こしたとかなんとか」




49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 17:33:58.41 ID:auD8mxvo0
友「事件? 何それ?」

女3「さぁ、詳しくは知らないわ。でも、なんか同級生を刺したとかなんとか……」

友「えっ? 刺した!?」

女3「いや、あくまで噂なんだけねぇ。先生も皆黙ってたし」

友「……そうなんだ……」

女3「私が知ってるのはそれぐらいかなぁ。ちょっと、他の子にも聞いてみるわ」

友「うん。ありがとう。すごい役に立ったよ」




51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 17:37:59.96 ID:auD8mxvo0
友(……不登校に、事件の噂……)

友(どれも今の原木さんからは全然想像もつかない……)

女「みょみょみょーん」

友「うわっ!」

女「わっ、な、何?」

友「い、いや。なんでもない。それより、あんた、なんで今日こんな遅いの?」

女「いやー、朝出かけようと思ったらやった宿題が無くて探してたのさ」

友「宿題って……それ1時間目の現国の?」

女「そうなのさ……おかげで今日は落ち込んでいるのさ……」

友「……」

友(この子と会って、もう1年半になるのか)




52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 17:41:17.39 ID:auD8mxvo0
-1年半前-

友「ねぇ、原木さん……だっけ?」

女「ほぁあああっ!?」

友「わっ! ど、どうかした?」

女「い、いや、なんでもないよ。な、何?」

友「原木さんて中学校どこ?」

女「ほぁっ! あ、ゆ、夕日町中……」

友「へぇ。私は岡野第二なんだ」

女「ふ、ふーん……な、なんで?」

友「なんでって、何が?」

女「い、いや、なんで私にそんなこと……」

友「なんでって……せっかく席隣になったんだから、仲良くしたいなって思って」

女「な、仲良く……」




53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 17:46:12.43 ID:auD8mxvo0
友「そう。……私の名前、憶えてる?」

女「あ、ごめん……わかんない……」

友「明神だよ。明神清美」

女「みょ、みょうじん? 珍しい名前だね」

友「でしょー。私は気に入ってないんだよね」

女「え? なんで? カッコいいじゃない」

友「なんか大層だしさー。そんな『神』ってつくほど立派な人間でもないし」

女「そんなことないと思うけど……あっ、じゃ、明神さんって呼ばないほうがいいのかな?」

友「いや、そこまで嫌いでもないよ。一応私の名前だしね」

女「じゃあ、じゃあみょうじんだから……みょみょみょん!」

友「は?」

女「これからみょみょみょんって呼ぶね!」

友「な、何? その変なの」

女「よろしくね! みょみょみょん!」

友「聞けよ!」




54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 17:49:43.40 ID:auD8mxvo0
友「……」

友(あれがきっかけで、今までずっと一緒にいるな)

友(すっかりみょみょみょんで定着しちゃったけど……)

女「どうかした?」

友「ん、いや」

女「……あの、この間はごめんね」

友「え?」

女「変なこと言って」

友「ああ……だから、もういいって」

女「私はその、みょみょみょんの幸せをなにより第一に考えてるからね!」

友「はぁ?」

女「私に気兼ねせずに幸せになってね!」

友「な、なんかよくわからんけど、わかった」

女「お幸せに!!!」

友(な、なんだ……?)




55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 17:54:05.24 ID:auD8mxvo0
友(不登校はともかくとして、気になるのは同級生を刺したとかいう話だな……)

友(あんまり人の過去を詮索するのは、よくないんだけど……)

友(気になる)

友(かといって本人に聞いてみるのもなぁ……)

女3「お、いたいた」

友「あ、この間はどうも」

女3「聞いてきたわよ例の噂!」

友「え? 例の噂?」

女3「ほら、原木とか言う人の。中学の同級生に片っ端から電話掛けまくったら
   噂の真相を知ってる人がいてね! 聞き出したの!」

友「あ、ああ……」

友(噂の真相ねぇ……)




56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 17:57:55.73 ID:auD8mxvo0
女3「私は違うクラスだったから知らないんだけど、1年生の時、クラスになんか凄いカッコいい男の子がいたらしくて」

女3「原木さんっていう人、その男の子が好きだったんだって」

女3「でも、原木さんの親友だった八坂さんっていう子がその男の子と付き合いだして……」

女3「それで原木さんが八坂さんを放課後呼び出して、カッターで刺しちゃったらしいわよ」

女3「結局お互いの両親がお金で解決して、教師も事件の発覚を恐れて生徒にも緘口令をしいて、それで終わったんだけど」

女3「それから一回も原木さんが学校に来なくなったんだって」

友「……ほんとに?」

女3「少なくとも、八坂さんが怪我して、その時期から原木さんが不登校になったってのは確かみたい」

友「……」

友(そんなくだらない理由であの子が……?)




57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 18:00:58.73 ID:auD8mxvo0
友(いや、でも……)


女『好 き っ て 言 え よ !』


友(ちょっと、おかしいところも……あるかなあの子)

友(……)

友「……いや」




58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 18:03:54.32 ID:auD8mxvo0
友「……私は信じないな」

女3「え?」

友「あの子と一年半付き合ってるけど、そんなことをするような子じゃないよ」

友「暗いって言ってたけど、全然そんなこともないし……むしろウザいくらいに明るいし」

女3「……まあ、高校デビューに成功したってことなんじゃないの?
   髪だって、確か受験のときはお化けみたいに長かったわよ。今はショートみたいだけど」

友「そんなに人って変われるのかな?」

女3「さぁねぇ。っていうか、仲いいんなら直接聞いてみてくれない?」

友「……ちょっと、難しいかも」

女3「だよねぇ。まあ、これ以上首突っ込むのもどうかと思うし、私はもう退散するわ」

友「うん。なんかごめんね。色々」

女3「私もゲスい野次馬根性でやったことよ。原木さんに謝っといて」

友「わかった」




59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 18:07:11.17 ID:auD8mxvo0
友(……)

友(私、なにやってんだろ)

友(確かに、ゲスい野次馬根性だよね……)

友「……」

友「ねぇ」

女「ん? なんか用?」

友「ごめん」

女「……What's?」

友「私、原木さんに謝んなくちゃだめかも」

女「……Where?」

友「……間違ってる」




60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 18:11:34.36 ID:auD8mxvo0
女「な、なんの話? みょみょみょんらしくもないよそんな暗い感じの」

友「中学校、その、あんまり行ってなかったんだって?」

女「……」

女「……え?」

友「ごめん。夕日町中の子に聞いたんだ」

女「……」

女「……まあ、そ、だね」

友「それが、謝んなくちゃいけないこと」

女「……なんで?」




61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 18:16:47.04 ID:auD8mxvo0
女「なんで謝んなきゃならないの?」

友「いやだって、そんな人の知られたくない過去とか詮索したり……」

女「知られたくない過去かどうか、なんでみょみょみょんが決めるのさ?」

友「……」

女「それに、私は別にみょみょみょんが私の過去を詮索したりしても気にしないよ」

女「むしろ嬉しいよ。みょみょみょんが私のこと知ろうとしてくれるってのは」

友「……」

女「私だって、みょみょみょんのことをもっともっと知りたいもん」

友「……そう」

女「あ! でもみょみょみょんのあんな過去こんな過去については無理に聞きだそうとしないよあたしゃ!」

友「どんな過去だよ」




62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 18:20:14.73 ID:auD8mxvo0
友「……じゃあ、もうこの際聞いちゃうけど」

女「よっしゃどんとこい」

友「……学校行かなくなったきっかけって何?」

女「……」

女「なんて聞いてる? その人から」

友「……」

友「なんか、一人の男の子を巡って、八坂さんがどうとか、みたいな」

女「……八坂のことまで知ってるんだ」

友「……」

女「もうちょいくわしく」




63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 18:23:49.25 ID:auD8mxvo0
友「……その、その男の子が八坂さんと付き合いだして、それで……」

女「……」

友「……八坂さんのことを、刺したって……」

女「カッターで?」

友「っ! 本当のことなの……?」

女「そうだねぇ」

女「大体、あってる」

友「……そんな……」

女「……昔の話だもん」




64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 18:27:32.34 ID:auD8mxvo0
女「でも、八坂も大した怪我はしてないよ。手をちょっと切っただけのはず」

友「……」

女「……まあ、自分でもおかしかったな。あの頃の私は」

友「とても想像できないよ。原木さんがそんなこと……」

女「……それからご存知の通りどんどんおかしくなっていってね」

女「一人でいるとあああああー!ってなって、夜中にランニングとかしてたな……奇声をあげながら」

女「なにやってたんだろ私。本気で」

女「でも、このままじゃ駄目だって、勉強して、高校に入って……私頑張ったんだよ」

友「……」

女「……嬉しかった。みょみょみょんが私に話しかけてくれて」

女「そうじゃなかったら私は今、ここに居ないと思う」

女「みょみょみょんが、私を……ちゃんとした人間にしてくれたんだよ」

友「……」




66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 18:32:45.11 ID:auD8mxvo0
女「引いた? 私がこんな人間で」

友「……ちょっとだけ」

女「……」

女「みょみょみょんは、嘘をつかないよね」

女「だから、好きだよ」

友「……私は、原木さんの過去になにも言わない。でも……」

友「私の知ってる原木さんは、ちゃんとした人間だよ」

友「そんな過去を思い出させちゃった私を、好きだなんて言ってくれる、優しい人だよ」

女「……ありがとー」




67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 18:35:40.94 ID:auD8mxvo0
友「……帰ろっか。もう遅くなっちゃったよ」

女「……うん」

友「あんた、明日ちゃんと宿題やってこなきゃだめだよ」

女「えっ……宿題なんてあったけ?」

友「……」

女「た、たすけて」

友「……とりあえず一人で頑張んな」

女「き、きびしいなぁ……」

友「帰りに鯛焼き、おごったげるから」

女「まじか! よっしゃ! やる気でた!」

友「……はぁー」

友(……いいんだよね。これで)

女「たーいーやーきー!」




69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 18:39:54.31 ID:auD8mxvo0
女2「じゃあ、原木さんとはもう仲直りしたんだね」

友「もともと喧嘩なんかしてないけどね」

女2「え、で、結局どういう子だったの原木さん?」

友「秘密」

女2「えー」

友「知りたいんなら、本人に聞きなよ。友達になって」

女2「そだねぇ。でも、あの子あんまり話ししてくれないしな……」

友「……」

友(やっぱり、私以外とはうまく付き合えないのかな、あの子)

友(そんなんじゃ……ダメだと思うけど)

友「まあ、そのうち私が仲人になってやろう」

女2「あはは、お見合いじゃないんだから」


男「明神さん」

友「は?」




73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 18:43:25.90 ID:auD8mxvo0
男「生徒会、お疲れさま」

友「は、はあ……」

友「……えーっと、誰だっけ……」ヒソヒソ

女2「……坂崎君だよ……」ヒソヒソ

友「……ああ、そういやうちのクラスの……」ヒソヒソ

友「な、なんか用?」

男「いや、明神さんとちょっと話したいことがあって」

友「え? 私と?」

女2「……おやおや、これはどういうことかな……」ヒソヒソ

友「……いや、知らないよ……」ヒソヒソ

男「そんな時間はとらせないから」

友「え、まあ、別にいいけど……」

女2「じゃあ、私先に帰ってるね」




74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 18:47:17.90 ID:auD8mxvo0
友「何? 話って。私早く帰りたいんだけど」

男「うん。じゃあ単刀直入に言うね」

男「好きです。俺と付き合ってください」

友「……」

友「……は?」

男「一緒のクラスになったときから、ずっと好きでした」

友「……い、いや、急にそんなこと言われても」

男「急じゃないよ。もう、2年生になって半年以上経ってるんだから」

友「そ、それでも、正直私あなたのことよく知らないし……」

男「これから知ってよ俺のこと」

友「いや、でも……とりあえず返事保留でいいかな?」

男「まあ、まずはお試しってことでさ」

友「は、はあ……」




76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 18:50:41.96 ID:auD8mxvo0
女2「ねぇねぇねぇねぇ、昨日の話ってなんだったの?」

友「あ、いや、なんかよくわからんけど、付き合うことになった」

女2「……」

女2「マジ?」

友「マジ」

女2「へぇー、よかったじゃーん。坂崎君って、うちのクラスで一番かっこいいのに」

友「そうかなぁ……? まあ顔はそうか……いや、別にそんな急に恋人とかじゃなくて
  お互いのこともっと知るためとかなんとか……」

女2「……なんかそれ、うまく押し切られてない?」

友「かもね。いや私告白されたこととか無いし、よくわかんなくて……まあ、嫌だったら別にすぐに別れるしさ」

女2「気をつけなよー。傷ついてからじゃ遅いよー」

友「うん。わかってるって」




77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 18:54:05.91 ID:auD8mxvo0
女「みょみょみょみょみょみょん!!」

友「……もう、何を言ってんのかわかんない」

女「さなんとか君と付き合うことになったってほんと!?」

友「な、なんで知ってるの?」

女「クラス中の噂になってるもん! 立ち聞きした!」

友(くそっ……細川め)

友「う、うん。でもまあ、なんていうかまだお試し期間っていうか……」

女「お試し!? そんな破廉恥な! みょみょみょんがビッチになった!」

友「誰がビッチだ! いったいどんな想像してるんだよ! まずはお友達から、ってやつだよ!」

女「はー……まあ、よかったねー。さなんとか君かっこいいもんね」

友「うーん、まあ顔はね」




78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 18:57:42.89 ID:auD8mxvo0
女「……」

女「とりあえず、おめでとう」

友「あ、ありがとう?」

女「……」

女「応援するからね。全身全霊で」

友「……別にいいよそんなの」

女「……私はちょっぴり」

女「やきもちだけどね」

友「……そんな、別に変わらないよ。これまでと。原木さんとは」

女「……」




79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 19:01:43.78 ID:auD8mxvo0
男「明神さん、帰ろうか」

友「あ、うん」

男「どこか寄りたい場所とかある?」

友「え、いや、別に」

男「今度どこか行こうよ」

友「どこかって?」

男「デートってこと」

友「あ、うん。いいよ」

男「どこがいい?」

友「ん、いや、特に。任せる」

友(デートか……)




80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 19:04:43.65 ID:auD8mxvo0
-映画館-

友(あれ、もういる。まだ約束の10分前なのに)

友「ごめん、待った?」

男「ううん。大丈夫。はいこれ、チケット」

友「あ、ありがとう」

男「ポップコーン買っていこうか。飲み物はコーラでいい?」

友「う、うん」




81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 19:08:29.96 ID:auD8mxvo0
-ハンバーガー屋-

友「結局あいつって敵だったの?」

男「そうなんじゃない? 最後死んだし」

友「あの俳優カッコよかったのになー」

男「そうだね。そういえば、予告編でやってた映画面白そうじゃなかった?」

友「ああ、あれね。見たいな」

男「今度また見に行こうか」

友「うん」




83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 19:12:49.78 ID:auD8mxvo0
-ゲーセン-

男「プリクラって男だけじゃ撮れないんだよね。なんでだろう」

友「盗撮とかの対策じゃないの?」

男「じゃあ、ゲイの人はどうすればいいんだろう?」

友「じ、女装するとか?」

男「差別だ!」

友「はは……じゃあ、男同士じゃないことだし、撮ってみる?」

男「あ、いいの? やった」

友「どれがいいかな」

男「任せるよ。よくわかんないし」




84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 19:16:16.47 ID:auD8mxvo0
男「じゃあ、またね」

友「うん。送ってくれてありがとう」

男「今日は楽しかったよ。またどこか行こうね」

友「また映画がいいな」

男「そうだね。もうすぐあの予告編のも封切するし……じゃあ、また明日!」

友「うん。じゃーね」

友「……」

友「うーん……デートしてしまった……」




86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 19:19:27.35 ID:auD8mxvo0
友「原木さん、帰ろうか」

女「うん。帰るー」

男「明神さん」

友「あ、坂崎君……」

男「帰ろうか」

友「……いや、今日は」

男「あ、お友達と帰る?」

女「……さなんとか君と帰りなよ」

友「え、いやでも……」

女「私はいいからさ」

友「……原木さん……」




88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 19:24:23.66 ID:auD8mxvo0
友「……うーん」

友「どうしようかなぁ」

友「いい人そうだし、カッコいいし……付き合ってもいいのかな……」

友「でも……なんか原木さん寂しそうだったしな……うーんいやでも……」

友「しかし、まさか私が友情と男の間で揺れ動くーみたいなとか……いや、そんな大したもんでもないけど……」

ザワザワ

友「……ん? うちのクラスかな?」

友「何騒いでるんだろう?」




89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 19:27:32.82 ID:auD8mxvo0
ザワザワ

友「おはよー。何の騒ぎ?」

女2「あ、明神さん……あれ」

友「え? 黒板?」

友「写真? なにこ……なっ!」

友「なんっじゃこりゃ!」

友(私が知らないおっさんと手をつないで……ホテルに入ってる写真!?)

友「な、なんだよこれ!!」

女2「朝、皆が登校してきたらそれが黒板に貼ってあったんだよ」

友「はぁー!?」




92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 19:30:40.37 ID:auD8mxvo0
「……なにあれ、隠し撮り?……」ヒソヒソ

「……明神さんって坂崎君と付き合ってたんじゃないの?……」ヒソヒソ

「……ウリってやつ?……」ヒソヒソ

友「くっ!」キッ

友「おいこら! こんなもんどう見ても合成じゃねーか!」

ザワザワ

「……合成?……」ヒソヒソ

「……なんか言ってるよ……」ヒソヒソ

友「ふざけんなこら! おいよく見ろよこれ!!」

女2「みょ、明神さん……」

友「ほら! 回してちゃんと見ろ!! 顔だけくっつけてるんだろ!」

「……あ、ほんとだ……」ヒソヒソ

「……いやがらせ?……」ヒソヒソ




94:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 19:35:29.85 ID:auD8mxvo0
友「わかったか! おい、ちゃんとわかったんだろうな!」

シーン

友「……」

友「……これ、誰が作ったの?」

友「こん中にいるの?」

シーン

友「……いないのね」

友「私、絶対に探すからね。こんなくだらないことした奴」

友「……もし、こん中にいたら、覚悟しとけよ」




95:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 19:39:28.17 ID:auD8mxvo0
友「くそっ、いったい誰があんなこと……!」

男「ねぇ」

友「……おはよう。ごめん、私今超機嫌悪いから……」

男「何、あの写真」

友「……はぁ?」

男「何あれ」

友「……」

男「あんなことしてたの?」

友「……んなわけないでしょ」

男「でも写真……」

友「合成だろあんなもん見てわかんないの!?」ガタッ




100:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 19:53:00.35 ID:T9dWzhUBO
男「なんでそんな合成写真なんか……」

友「知らないよ! 嫌がらせでしょ!」

男「ふーん……どうだかね」

友「……何、その態度」

男「火がないところに煙はたたないとか言うじゃん」

友「何が言いたいの?」

男「……俺、明神さんがそんな人だと思わなかったなぁ」




102:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 19:55:47.25 ID:auD8mxvo0
友「はぁ!?」

男「少なくとも、そんな嫌がらせされるような人だなんて……」

友「……」

男「過去になんかあったんじゃないの? そういう、恨まれることとか」

友「……」

友「このボケー!!」

ボガァッ




105:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 20:01:05.75 ID:auD8mxvo0
男「いっでっ……!」ドサッ

友「何言ってんのお前さっきから?」

友「何? 私が悪いの? この写真」

友「こんなの作られるような人だって? どういう意味?」

友「エンコーしてる写真を作られるような女は、実際にやってるってか?」

男「い、いやそんなことは……」

友「そういや返事言ってなかったっけ。あんたの告白」

友「……お前なんかこっちから払い下げだよ!」

友「嫌がらせの合成写真見て『あんなことしてたの?』なんて言いだす男なんかな!」

友「じゃあね。この一週間無駄にした」

男「ちょ、ちょっと待……」

友「もうクラスでも話しかけないでね」




107:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 20:06:13.04 ID:auD8mxvo0
友「……」スタスタ

友「あー、もう!」

友「むっかつくむかつくむかつく!!」

友「なんだよあいつは!」

友「あいつもむかつくし、あんなのにちょっとでも引っかかった自分にむかつく!」

友「それになにより……」

友「あの写真作った奴!!」

友(あんな男もうどうでもいいけど……)

友(やり方が陰湿だ!)

友「絶対に見つけ出してやる!!」




108:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 20:10:47.75 ID:auD8mxvo0
友(それにしても……)

友(なんで私があんなもん作られなきゃならないんだよ)

友(そんな、恨まれるような覚えなんてないぞ……)

友(それにあんな写真作れる人なんて、高校生じゃそうそう……)

友「……」

友「……まさか」


女『どう? Gカップのみょみょみょんだよ』


友(あの子なら、それぐらいできるかも……)




109:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 20:15:46.19 ID:auD8mxvo0
友「……いやいやいや」

友「なんで原木さんがそんなこと」

友「……いや」


女『好 き っ て 言 え よ !』


友「……やりかねない、か……?」


女『私には、みょみょみょんしかいないんだよ……』

女3『原木さんっていう人、その男の子が好きだったんだって。でも、原木さんの親友だった八坂さんっていう子がその男の子と付き合いだして
  それで原木さんが八坂さんを放課後呼び出して、カッターで刺しちゃったらしいわよ』


友「まさか……」




111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 20:20:49.86 ID:auD8mxvo0
友「……」

女「ん? どしたの?」

友「遅かったね。今日」

女「いやー、寝坊しちゃって。危うく遅刻するところだったよ」

友「……今日、ちょっと残ってくれない? 放課後」

女「ん? なんで?」

友「……ちょっと、話が」

女「……わかった」




112:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 20:25:47.40 ID:auD8mxvo0
-放課後-

女「何? 話って」

友「……」

女「……今日は、さなんとか君はいいの?」

友「……あれとはもう別れたから」

女「えっ!? な、なんで!?」

友「別に」

女「そんな、あんなにラブラブだったのに……!」

友(……人から見るとそうだったのか? 私とあれ……)

女「えっと……その、今からでもやり直したほうがいいよ」

友「……なんで?」

女「だって……あの人、かっこいいし、その……」

友「……まあ、なんで別れたかっていうとね」

友「この写真が原因」スッ




114:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 20:31:16.73 ID:auD8mxvo0
女「え、写真? なにこ……なっ!?」

女「なにこれぇえーー!? ちょっと、みょみょみょんどういうことこれ!?」

友「いや、よく見ろ。合成だよ」

女「合成……!? あ……ほんとだ……」

友「それが、今朝黒板に貼られてたんだ」

女「黒板に!? なにそれ!?」

友「さぁ……たぶん、嫌がらせ?」

女「ひどい! ひどいよ! こんなこと!」

友「……」

女「許せないよ! 誰がこんなことやったの!?」

友「……」

友「……あんた、じゃないの?」




115:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 20:36:32.97 ID:auD8mxvo0
女「……」

女「……え?」

友「違うんなら、違うってはっきり言って」

友「あんた、確か前私の写真使ってアイコラ写真作ってたよね」

女「……」

友「あんたなら、こんな写真ぐらい、作れるよね?」

女「……」

友「あんたが作ったんじゃ、ないよね? これ」

女「……」

友「……私を、坂崎にとられないようにするため」

女「……」




116:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 20:41:34.24 ID:auD8mxvo0
友「……違うんならはっきり言ってよ」

女「……みょ、みょみょみょんは……」

女「私が、そんなことするって、思ってるの……?」

友「いや……そうじゃないけど……」

女「私が、そんなひどいことするような人だって、思ってるの……?」

友「……」

女「……ひどい」

女「……ひどいよ……」

友「……だから、違うなら」

女「ひどいよ!」ダッ

友「あっ! ちょっと! どこ行くんだ!」




119:様子見つつやります:2012/03/23(金) 20:47:42.75 ID:T9dWzhUBO
ダダダダ

友(速っ!)

友「……」

友「……酷いことしたな……」

友「あの子がそんなこと……するわけないよね……」

友「謝らなくちゃ……」

ガタッ

友「ん? 誰?」

メガネ娘「あ、あの……」

友(だ、誰だこいつ……?)




122:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 20:52:41.52 ID:T9dWzhUBO
メガネ娘「その、私、立ち聞きしちゃいまして……」

友「……あ、そう」

友(なんだこの子?)

メガネ娘「その……あの……」モジモジ

友「何?」

メガネ娘「その写真作ったの……私なんです!!」

友「……へ?」




123:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 20:54:59.26 ID:auD8mxvo0
メガネ娘「私、その、パソコン同好会の会長で」

友「パソコン同好会?」

友(そういえば……原木さんが合成技術を教えてもらったとか言ってたっけ?)

友(……この子が……)

友「……その写真って、これ?」

メガネ娘「は、はい」

友「……なんで、こんなもん?」

友「私、あんたに恨まれる覚えはないんだけど?」

メガネ娘「……」

メガネ娘「……私の……坂崎君と……」

友「……」

友(……くっだらんな……)




124:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 21:01:01.39 ID:T9dWzhUBO
メガネ娘「でもでも! そんな、私、明神さんと原木さんの仲まで裂く気なんか……!」

友「……」

メガネ娘「お二人は、いっつも仲良しで、うらやましいぐらいで……」

友「……」

メガネ娘「その、ごめんなさい! 私、どうしても坂崎君をとられるのが嫌で……」




125:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 21:07:15.74 ID:T9dWzhUBO
友「……」

メガネ娘「出来心だったんです! まさかこんなうまくいくなんて……うぇへへ……! あ、いや……その……」

友「……」

メガネ娘「でもでも! でもでも私はそれだけで!」

友「……もういい」




127:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 21:13:35.05 ID:T9dWzhUBO
友「私はあんな男、もうどうでもいい」

友「クラスメイトにも合成だって、自分でわからせた」

友「……でも、私はあなたを軽蔑するわ」

メガネ娘「……」

友「……もう、二度とこんなことはしないで。私にも、ほかの人にも」

メガネ娘「……」

友「そんなことより……!」

友(原木さんに謝らなきゃ!!)




128:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 21:18:58.80 ID:auD8mxvo0
-夜 自室-

プルル プルル
友(メールも返ってこないし、電話にも出ない……)

プルル プルル
友(どうしよう……)

プルル プルル
友(あのまま帰っちゃったんだろうな……追いつけなかった……)

プルル プルル
友(明日、学校で……)

プルル プルル
友(いやダメだ! なるべく早く謝らないと!)

プルル プルル
友(お願い! 電話出て!)

女「……」

友「あっ! 原木さん!?」




129:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 21:25:11.54 ID:T9dWzhUBO
女「……」

友「……その」

女「……何?」

友「ごめんなさい!」

女「……」

友「本当に! 原木さんのこと疑ったりして!」




130:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 21:30:53.40 ID:T9dWzhUBO
女「……」

友「犯人わかったんだよ。パソコン同好会の会長が……自分で名乗り出たんだ」

女「……へぇ、あの人が」

友「なのに、私は……原木さんのことを……証拠もないのに……」

女「……」




132:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 21:36:24.26 ID:T9dWzhUBO
友「本当に、どうやって謝ったらいいのか……わかんなくて……」

女「……いいよ、もう」

友「……ごめんなさい。ごめんなさい。本当にごめんなさい」

女「わかってくれたんなら、もういいよ」

友「……」

友「……私、原木さんならやりかねない、って思ったんだ」




133:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 21:41:35.24 ID:auD8mxvo0
友「中学生の時に、男の子を取られて、親友のことを刺しちゃうような人だったら……」

友「……それくらい、やるかなって……」

女「……」

友「そんなふうに思っちゃったんだよぉ……」ポロポロ

友「ごめんね、ごめんね……原木さんは、ちゃんとした人なのに……」ポロポロ

友「ごめんよぉーー……」ポロポロ

女「……」

女「……泣かないで」

友「ううっ……ううー……」ポロポロ

女「……私も、悪いんだよ」

女「私のそんな話聞いてたら仕方ないよ」

友「でも……でも……そんな、原木さんが悪いなんて……」ポロポロ

女「……だって」

女「嘘だもん。その話」

友「……えっ?」




135:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 21:47:27.34 ID:auD8mxvo0
女「そんな、好きな人を取られたからって、友達を刺したりなんかしないよ」

女「……私が、八坂を傷つけたのは確かだけど」

友「……ど、どういうこと? どういうことなの?」

女「聞きたい? ……私の、本当のこと」

友「……うん」

女「……」

女「……よぉーし、語っちゃうぞ」

女「みょみょみょんに語っちゃうぞー」

友「……」




137:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 21:53:11.78 ID:T9dWzhUBO
女「八坂は私の幼馴染の女の子でね。幼稚園からずっと一緒だったんだ」

女「親友だったよ」

女「でもね、私、中学入ってクラスでいじめられてね」

友「……えっ?」

女「そりゃもう、そりゃそりゃもうもうアレでナニな日々を送っていたわけですよ」




138:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 21:58:48.27 ID:T9dWzhUBO
友「……」

女「そりゃ泣きつきましたよ八坂に。唯一の友達だったから」

女「あの女、それはそれは友達面しましたともさ」

友(なんか、聞くのが怖い……)




140:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 22:03:56.36 ID:T9dWzhUBO
女「……で、ここで、も一人私の味方が」

女「誰だっけな。名前忘れたけど、同じクラスのイケメン君がいてね」

女「私に手を差し伸べてくれたわけ」

友(……これが例の男の子かな……)

女「惚れいでか」

友「……何語だよ」




141:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 22:09:15.56 ID:T9dWzhUBO
女「そのことも八坂に相談するよね? ラブレター書けとか言われるよね?」

女「書いたとも渡したとも」

女「でーもねーそーれがねー」

女「あーさーがっこーいったらーねー」

女「こーくばーんにー貼ってあーるんだーよねー」




145:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 22:15:02.76 ID:T9dWzhUBO
友「なっ……」

女「今日のみょみょみょんといっしょーだねー」

女「いっけめんだーからねー」

女「もってもてなんだよーねー」

女「クーラスのじょーしぜーいん敵だーよねー」

友「……」

女「私も馬鹿だからさ、まだ八坂に相談しにいったんだよ」




148:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 22:21:02.32 ID:auD8mxvo0
女「そしたら、教室でイケメン君と話してるんだよ」

女「『くすくす上手くいったね』『あいつの顔見た?マジうける~』『次はどうしよっか?』
  『流石にもう俺のこと嫌いになったしょ』
  『いやいやあいつ昔から馬鹿だしそんなことないよ』『まじで~』
  『うん。ちょっと昔から知り合いだからって、馴れ馴れしいんだよな』
  『まじで~ちょ~うぜ~』『でしょー』『くすくす』『くすくす』」

友「……」ギリッ

女「ま、よーするに、これまで全部の主導者は八坂だったわけよ」




149:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 22:26:25.67 ID:auD8mxvo0
友「……最低。クズだよ。そいつら」ブルブル

女「まあ、そうなったら……まーそーだね……そーだねー……」

女「……刺すしかないわな」

友「原木さん……」

女「……ま、それだけかな」

友「……はらきさぁん……」ポロポロ

女「みょみょみょんが泣くなよ」

友「酷いよ! なんで……なんでそんなことを……」

女「……さあ。なんでだろうね」

友「幼馴染だったんでしょ? 親友だったんでしょ?」

女「……少なくとも、小学生の私はそう思っていたよ」




151:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 22:31:49.94 ID:T9dWzhUBO
女「ま、そんなこんなで、あとはご存じのとおり」

友「……」

女「『走り女』だっけ? 妖怪呼ばわりされつつ」

友「……」

女「至る現在」




154:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 22:37:55.39 ID:T9dWzhUBO
友「……」

女「これで……全部。私の、全部」

友「……」

女「信じる? この話」

友「……信じるよ」

女「……そう」




156:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 22:43:55.98 ID:auD8mxvo0
友「……私は、なんてことを……」

女「……」

友「原木さんが、あんなことするわけないのに……」

女「……しょうがないよ。嘘ついてた私が悪いんだ」

友「そんなことないよ!」

女「……」

友「友達なのに……友達のことを……私は疑ったりして……」

女「……みょみょみょんは八坂みたいに私のこと、裏切らないよね」

友「……裏切らないよ……」

女「みょみょみょんはずっと私の……友達でいてくれるよね?」

友「そうだよ……私は……絶対に原木さんを裏切らないよ……」

女「ずっと……一緒にいて、くれるよね」

友「……約束する……ずっと、一緒にいるって約束する!」

女「……ありがとー」




158:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 22:49:21.44 ID:auD8mxvo0
友「……」

友「今から、行くから」

女「え?」

友「やっぱり、直接会って謝るから」

女「……もういいよ。もう遅いし。明日、また学校で会おうよ」

友「ダメ! そんなのダメ!」

女「……」

友「すぐに行くから! 待っててね!」

女「……うん」




160:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 22:53:29.15 ID:auD8mxvo0
ドタドタ
友「私、ちょっと出かけてくるから!」

友母「清美、ちょっと待ちなさい」

友「何!? 急いでるんだけど!」

友母「大事な話があるの」

友「後にして! こっちも大事なの!!」

友父「いいから、こっちにきなさい!」

友「はぁー!? 後後! 行ってきます!」

友父「清美っ!!」

友「!」ビクッ

友父「いいからこっちに来て座りなさい!」

友「だ、だから、私は大事な用事で……」

友父「こっちの方が大事な用事なんだ!!」

友母「いいから、座りなさい! ほら! 早く!」

友「なっ……!?」




162:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 22:57:50.33 ID:auD8mxvo0
女「……」

女「……みょみょみょん」

女「こないなー……」

女「……」

女「……どうしたのかなー……」

女「……私のこと、嫌いになったのかなー……」

女「……」

女「……う、ううう……」




164:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 23:02:12.60 ID:auD8mxvo0
-翌日 ホームルーム-

教師「えー、じゃあ、大体こんなもんだけど……」チラッ

友「……自分で言います」

教師「えー、明神から一つ、お知らせがあるからお前ら聞けー」

ザワザワ

友「えー、まったく個人的なことでごめんなさい。こんな時期に急なことなんですが……」

友「転校することになりました」

ザワザワ

女「……てん……こう……?」




166:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 23:06:29.22 ID:auD8mxvo0
友「実はその……」

教師「……そんな、理由まで言わなくてもいいんだぞ」

友「いえ、大丈夫です」

友「両親が離婚しまして」

ザワザワ

友「私は母に引き取られることになりました。それで、今のマンションだと家賃も高いので……母の実家に引っ越すことに」

友「みなさん、今までありがとうございました」

友「こんな個人的なことで時間を取ってもらって申し訳ないです」

ザワザワ

友「それで……名字も変わりました」

友「明神じゃなくて……佐藤清美になります。えーっと、よろしく?」

ザワザワ

女「……さとー……?」




168:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 23:11:04.31 ID:auD8mxvo0
女2「みょ、明神さん! 転校って……」

友「うん。本当急だよね……転入試験もこれから受けるんだ」

女2「遠いの? 引っ越し先」

友「……うん」

女2「そっかぁ……」

友「それより、原木さんに……」

「明神さん引っ越しちゃうのー?」

「もうすぐ三年なのに、ありえなくねー?」

「どこ引っ越すの?」

「いつから佐藤になるの?」




169:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 23:15:22.72 ID:auD8mxvo0
友「あ、いや、その……」

女2「生徒会もさびしくなるね……そうだ、送別会しなきゃ! クラスでも生徒会でも!」

女「……」スッ

「あーいいねーそれ!」

「寄せ書きとか書かなきゃ!」

友「う、うん」

友(待って原木さん……!)




171:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 23:19:46.81 ID:T9dWzhUBO
女「……先生」

教師「ん、どうした? もうすぐ授業始まるぞ。教室に戻りなさい」

女「気分が悪いので、早退します」

教師「え、気分が悪いって……」

女「失礼します」ダッ

教師「お、おい! ちょっと待て!」




173:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 23:23:52.29 ID:auD8mxvo0
友(原木さん、どこ行っちゃったんだろ……)

友(まさか、早退しちゃった?)

友(色々謝んなきゃならないのに……!)

女2「会場はどこがいいかな?」

女3「あ、私の家使えるわよ」

女2「お、なーいす」

友(メールも返ってこない……)

女2「みょ……佐藤さんは料理が何がいい?」

友「え、あ、いやなんでも……」

友(こんな風にしてくれるのはうれしいけど……)

友(今はそれより原木さんのことが……!)




174:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 23:27:39.07 ID:auD8mxvo0
友(結局放課後になっちゃった……)

友(どうしよう。直接家に行ってみるか?)

友「よし、そうしよ……」

ブルルルルルル

友「メール……! 原木さんだ!」

≪まだ学校残ってる? 残ってるなら、体育倉庫に来て≫

友「体育倉庫? なんだろう……」

友「とにかく……」

≪わかった! すぐ行く!≫

友「原木さん……!」




177:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 23:31:19.63 ID:auD8mxvo0
ガラッ

友「うわっ、ほこりくさっ……」

友「原木さーん?」

友「いないのかな……」

女「……」スッ

友「うわっ!」

女「来てくれてありがとー」

友「び、びっくりした! 急に背後に現れないでよ」

女「……」

友「なんでこんな場所に……あ、いやそれよりも!」

友「昨日はごめん! 行けなくて!」

女「……」

友「あの後、いきなり親が離婚の話を……しかも喧嘩し始めて……」

友「連絡しなきゃいけなかったんだけど、私もいろいろ混乱してて……」

女「……」




178:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 23:34:46.62 ID:auD8mxvo0
友「とにかく、ごめん! なにもかも全部ごめん!」

女「……いいよ、別に」

友「何から謝っていいのかわからないっていうことからごめん! 本当に……」

女「そりゃあ、混乱するよ。いきなり、名字が変わったりしたら」

友「……」

女「しかしそれにしても、急な話だね」

友「……うん」

女「遠いんだって? おばさんの実家」

友「……愛媛なんだ」

女「へぇー。どこそこ? 九州?」

友「四国だよ……」

女「……遠いね……」

友「……うん」




179:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 23:38:21.45 ID:auD8mxvo0
女「……」

女「……そうやって、いなくなっちゃうんだね、結局」

友「……」

女「ずっと、一緒にいるって言ったのに」

友「……」

女「それにしても、いい友達だね。細川さんにしても皆にしても。あんなに別れを惜しんでくれて」

友「……」

女「……でもね、気をつけなよ」


女「――友達なんて、みんな最後は裏切るぜ」

友「っ!」




180:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 23:42:27.84 ID:auD8mxvo0
女「みょみょみょんも、結局は」

女「……私を裏切るんだね」

友「ち、違うよ! 私はそんな……!」

女「……いや、もうみょみょみょんじゃないのか」

女「佐藤さん」

友「……」

女「明神と比べて、ふつーすぎるよねー、さとーって……いや、でも気に入ってなかったんだっけ? 明神」

友「……だって、お母さんが……」

女「……」

女「……違うもん」

女「みょみょみょんは、みょみょみょんだもん」




183:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 23:48:10.38 ID:T9dWzhUBO
女「私のみょみょみょんは、佐藤なんかじゃない」

女「みょみょみょんだもん」

友「……原木さん。わた……」

女「佐藤なんかじゃぁあああ!」

友「ひっ!」ビクッ

女「ないもぉおおおんん!!」




185:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 23:53:58.54 ID:T9dWzhUBO
女「みょみょみょんは、みょみょみょんだよぉ!!」

女「私のぉおおお!! 私だけのみょみょみょんだろぉおお!!」

友「は、はらきさ……」

女「……私の、一番大事な……友達だよ……私が誰よりも好きな人だよ……」

友「わ、私も、原木さんのことが大事だよ……好きだよ……でも……」

女「……佐藤なんて人、知らない……」




186:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/23(金) 23:56:57.18 ID:auD8mxvo0
友「えっ?」

女「私が知っているのは、私の友達は、みょみょみょんだけだ」

女「佐藤なんて人、知らない」

友「原木さん、何を……」

女「誰だよ」

女「お前、誰だよ」

友「誰って……」

女「……返せ」

女「私のみょみょみょんを返せ」

友「……」

女「……私のことを裏切らない、私とずっと一緒にいてくれる」

女「私のみょみょみょんを返せ」キチキチキチ

友「……か、カッター……!」




189:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 00:00:01.86 ID:iT3Yp+pV0
女「そうだ。私のみょみょみょんは、私を裏切らないんだ」

女「約束したもん」

友「……や、やめて」

女「……私のみょみょみょんはずっと私のみょみょみょんなんだ」

女「お前なんか、みょみょみょんじゃない」

友「……そのカッターで、私を刺すの? 八坂みたいに? 私を殺すの?」

女「……」

女「ねぇ……」

女「ずっと……私のみょみょみょんでいてよ」

女「佐藤なんかにならないで……さ」

友「原木さん! やめて!」

女「ずぅぅうううっと私の物でいろよぉおおお!!」ブンッ

友「きゃぁあああ!」




190:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 00:03:21.10 ID:iT3Yp+pV0
友「……」

友「……あ、あれ?」

女「う、うううう……」ポロポロ

友「は、原木さん……?」

女「うううううー!」ポイッ カタンッ

友「……」

女「できないよ……」ポロポロ

女「できないよ、こんなこと……」ポロポロ

女「みょみょみょんを傷つけるなんて……私には……」ポロポロ

友「原木さん……」

女「ごめん、ごめん、ごめん、ごめん……」ポロポロ




191:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 00:04:06.00 ID:b/VETIhp0
セーフ、まだセーフ




194:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 00:06:09.55 ID:zPLLZ2ehO
友「原木さん、大丈夫……?」

女「う、ううう……近寄らないで!」

友「……」

女「危ないよ、危ないから……」

友「原木さん……」

女「嫌……嫌だ……来ないで」




195:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 00:08:56.62 ID:zPLLZ2ehO
友「……大丈夫」

女「私は……また私は、取り返しのつかないことを……」

友「大丈夫だよ。大丈夫」

女「……」

友「私はなんともないよ……八坂みたいに、怪我したりしてないから」




196:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 00:11:51.65 ID:PoLEyH/i0
友「見て」スッ

女「……うう」

友「カッター、刃しまうよ」キチキチ

友「ほら、もう危なくないよ」

女「……」

友「ね?」

女「……」

友「……今度は、大丈夫だったじゃない。自分で、思いとどまったじゃない」

友「前とは、違って。ちゃんとした人間の、原木さんは」

女「……」

女「私は……」

女「八坂のこと、刺してないよ……」

友「えっ?」

女「……カッターは確かに今みたいに突きつけたけど……」

女「怒った八坂が私の手を払って……それで怪我しちゃっただけで……」




197:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 00:15:24.26 ID:PoLEyH/i0
友「じゃあ、なんで自分が刺したなんて……」

女「……」

友「……まさかあんた、八坂のことをかばってたの? 八坂のことをかばって……自分が悪役になるような嘘を、二回もついたの?」

女「……」

女「……」コクン

友「ど、どうして!」

女「だって……」

女「だって……友達だもん……私の……大事な……」

友「……」

女「友達を傷つけるなんてこと……私には……できないよ……」

友「原木さん……」

女「でも、それでも私は、私じゃない私が……いや、それも私だ……
  それも皆、皆私だ……私は、私はそんな人間なんだよぉお……」




198:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 00:18:25.36 ID:PoLEyH/i0
女「私は……わたしは……そんな……」

友「……」

友「しっかりして、原木さん」

友「八坂なんか、友達じゃないよ」

女「……でも……」

友「友達ってのは、二人共がお互いを大切に想ってなきゃ、友達じゃないんだよ」

友「……それに、私は傷つけられてなんかいない」

友「原木さんが、友達を傷つけたことなんて、ないんだよ。これまで」

女「……」

友「……大丈夫だよ。原木さんは」




200:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 00:21:38.19 ID:PoLEyH/i0
友「……」

友「……ねぇ、私の名前をさかさまに読んでみて」

女「え?」

友「……いいから」

女「清美だから……えっと、み、よ、き?」

友「うん。みよき、だよ」

友「……『みょ』ではないけれど、『みよ』だよ」

友「私は……佐藤になっちゃったけど、でも、みょみょみょんだよ」

女「……」

友「私はずっと……みょみょみょんだよ」

女「うう……うううー」ポロポロ

友「ほら、いつまでもこんなほこり臭いところで泣いてないでさ、外出よ」




201:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 00:24:44.82 ID:PoLEyH/i0
友「あー、外は空気がいいなぁ」

女「……今の話じゃ」

友「ん?」

女「私、これまでの人生で友達が一人もいないってことに……」

友「……」

友「よかったね、私に会えて」

女「……なんか、凄いセリフだね」

友「ははは」

友「……」

友「ちょっとは、落ち着いた?」

女「……うん」

友「しっかりしろよ! あんたらしくないよ!」バシッ

女「へでっ!」




202:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 00:27:54.06 ID:PoLEyH/i0
友「……ま、私は確かに引っ越しちゃうけどさー」

友「今はメールもあるし、電話もあるし。いくらでも話せるよ」

女「……うん」

友「なんかよくわからんけど、スカイプ? とか使ったらただで電話できるんでしょ?」

友「遠距離恋愛に優しい時代だよね」

女「……うん。え、恋愛?」

友「……あ、いや」

友「遠距離交際? いや、だめか。遠距離交友とかそんな感じで……」

女「わ、私は恋愛でも全然オッケーだけど!」

友「ま、待て!」

女「オッケーだけど!」

友「待てと言うに!」




203:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 00:31:05.06 ID:PoLEyH/i0
友「……それにさ。もう、私たちもそろそろ子供じゃないんだからさ」

女「えっ!? そんなまだ心の準備が! 身体はオッケーだけど!」

友「ああもうさっきから何言ってんだこの馬鹿者!」バシッ

女「痛い!」

友「……大学、一緒の所行こうよ」

女「えっ?」

友「私、東京出てくるからさ。いや、戻ってくるから」

友「一緒の大学に行ったら、また一緒にいられるじゃない」

女「……うん」

友「なぁに、それならあと1年ちょっとの別れだ」

女「……でも私……みょみょみょんと一緒の大学に行ける自信が……」

友「そこは頑張りやがれ!」

女「う、うん!」




205:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 00:33:43.11 ID:PoLEyH/i0
女「……」

女「……どうして」

女「どうして、私にそんなに優しいの?」

友「……え?」

女「私、酷いことしたよ。みょみょみょんに」

友「……」

女「カッターなんか突きつけて……」

友「……」

女「……私、こんな奴だよ?」

女「嫉妬深くて、かっとなったらなにするかわかんないような、いかれた女だよ?」

友「……自分で言うか?」




207:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 00:39:38.82 ID:zPLLZ2ehO
女「私と一緒にいたら、私は……今度はどうなっちゃうのか……」

女「自分でもわかんないよ? 今度こそ……本気でどうにかなっちゃうかもしれないよ?」

女「なのに……なんで、みょみょみょんは……私と一緒になんて……」

友「……」

友「あんたは、どうにかなるの?」




208:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 00:43:08.74 ID:zPLLZ2ehO
友「あんたは、ちゃんとした人間になったんでしょ? それがこれから……どうにかなっち
ゃうの?」

女「……」

女「……ならない」

女「ならない」

友「だったら。いいじゃない」

友「……まあ、どうして、って言われたら」

友「私はあんたに同情してるのかもしれない」




209:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 00:46:10.76 ID:PoLEyH/i0
女「……」

友「ぶっちゃけ、あんたの境遇、相当哀れだよ」

女「……ひどい」

友「それで、同情して、みたいなところも、無くはないと思う」

友「でも、そんな話を聞く前から私は原木さんと友達だったでしょ?」

友「あと、なんだろ? 脅された恐怖とか?」

友「でも、それで一緒にいるってのもおかしな話だ」

友「……自分の感情をそんな無理に区切って、名前つけるなんて無理」

友「全部ひっくるめて……」

友「私は、原木さんが好き」

女「……みょみょみょん」




210:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 00:48:55.68 ID:PoLEyH/i0
友「好きな人とは、一緒にいるもんだ」

女「……ううう」ポロポロ

友「それだけ。簡単でしょ?」

女「……うん」ポロポロ

友「さあ、泣かないで」

女「うううううう……」ポロポロ

友「明日……いや今日から勉強しなきゃダメなんだから」

女「うっ……」

友「そりゃあ、私だってあんたのために大学のレベル下げる気はないしね」

女「うぐっ……!」

友「細川さんにお願いしておくからね。あんたの勉強見てくれって」

女「う、うううう……」




211:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 00:53:34.31 ID:zPLLZ2ehO
友「……じゃあ、私、そろそろ帰るから。引っ越しの準備とか、いろいろあるし」

女「……うん」

友「……」

女「……」

友「……またね」

女「……またね」




212:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 00:56:22.63 ID:zPLLZ2ehO
友「またね!」

女「またね!」

友「絶対また会うからな!」

女「望むところだ!」

友「じゃあ!」ダッ

女「じゃあ!!」ダッ




213:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 01:00:03.08 ID:zPLLZ2ehO
友母「清美、そろそろ行くわよ」

友「はーい」

友「……」

友「本当にあれでお別れになってしまった……」

友「無理やり送別会に引っ張ってくるべきだったな……これから皆とも仲良くさせなきゃいけないのに……」




215:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 01:02:26.04 ID:zPLLZ2ehO
友「……」

友「ま、いっか」

友「また会うしね」

友「……また」

友母「ほら、早くしなさい」

友「よし」

友「行くか」




216:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 01:03:41.50 ID:PoLEyH/i0
-数年後-

女「みょみょみょみょん! 帰ろうぜ!」

友「一個多いわ。ごめん、今日サークルで話し合いだから先帰ってて」

女「えー今日も? やだいやだいやだい! 一緒に帰るんだい!」

友「えーいやかましい。どうせ帰るの同じ家なんだから、別にいいでしょ」

女「いやいや例えそうだとしても、一緒に帰るということは一種の心的伝達的コミュニケーションであり心理学的にもだね」

友「じゃ」

女「あっ待て!」

友「ああもうしつこいなぁ。分かった分かった。じゃあちょっと待ってな。終わってからなら一緒に帰れるから」

女「よし! 絶対だな! 帰りに鯛焼きも食いに行くな!?」

友「はいはいわかったわかった」

女「よし、約束だぞ。ここ最近ずっと一人なんだからな!」

友「じゃ」

女「あっ! ちゃんと聞いてんの!?」


女「おい! 今日こそは一緒に帰ってもらうからな!」




217:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 01:04:09.80 ID:PoLEyH/i0
以上で終わりです
長々とgdgdな感じにお付き合いありがとうございました




218:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 01:04:51.84 ID:ZR3ybFVW0





219:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/24(土) 01:06:37.55 ID:AULa20Qy0
大学でのピロートークも欲しかった
佐藤さんが好きって言えよ!ってからかって
原木さんがそれやめてよー/////みたいな

何にせよハッピーエンドでよかった





220: 忍法帖【Lv=9,xxxP】 :2012/03/24(土) 01:06:39.28 ID:vlMBKm9L0