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1: ◆eyH5F3DPSk 2014/10/11(土) 14:34:43.48 ID:MoyRaDKD0
ことり「にこちゃんは選ばし髪型の持ち主なの」

にこ「いや、だからそれさっき聞いたから」

にこ「その選ばれし、って何? どういうわけ?」

ことり「ええ、まずはそれからお話ししましょう……」

にこ「もったいぶらなくていいから早く」

ことり「えー? にこちゃんは私とおしゃべりしたくないの?」

にこ「あんたの会話のネタ、私の好きなところかピロートークの練習しかないじゃない」

ことり「……はっ」

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2: ◆eyH5F3DPSk 2014/10/11(土) 14:37:36.24 ID:MoyRaDKD0
にこ「で、にこのツインテールがどうかしたの?」

ことり「ふふっ、言っちゃおうかなぁ?」

にこ「帰るわよ」

ことり「お泊り」

にこ「ついてくる気満々なのね」

ことり「もちろん」

にこ「ついてこられても困るし、さっさと話して」

3: ◆eyH5F3DPSk 2014/10/11(土) 14:38:32.57 ID:MoyRaDKD0
ことり「にこちゃんの髪型だとね……」

にこ「うん」





ことり「髪型を崩さずにパンツがかぶれるんだよ!」




にこ「……帰りたい」

ことり「いやいや、話はこれからだよ」

4: ◆eyH5F3DPSk 2014/10/11(土) 14:41:45.90 ID:MoyRaDKD0
にこ「だから、何で急にパンツが出て来るの。いろいろ過程を飛ばしすぎじゃないの?」

ことり「えー? 告白、デート、キスと来たら次はパンツだよ?」

にこ「あんたの中の恋人ってそう言うことするの?」

ことり「そうだよ! ご多分に漏れず数多くの恋人はパンツをかぶるんだよっ!」

にこ「ことり、色々おかしい」

ことり「そんなところも好きなんだよねっ」

にこ「ええ。ふたを開けたらこんなに変態だとは思わなかったわ」

5: ◆eyH5F3DPSk 2014/10/11(土) 14:44:06.72 ID:MoyRaDKD0
ことり「とりあえずにこちゃんにはパンツをかぶってもらいます」

にこ「なんでそうなるのよ」

ことり「はい、ここにことりのパンツがあります」

にこ「なんで脱いでるのよ」

ことり「にこちゃん、受け取ってくれる?」

にこ「なんでよ」

ことり「ええい! こうなったら実力行使で!」

にこ「ストーップ!」

6: ◆eyH5F3DPSk 2014/10/11(土) 14:46:13.56 ID:MoyRaDKD0
ことり「はい」

にこ「あのね。いきなり人にパンツかぶらせようとするんじゃないわよ」

ことり「……そうだね、諦めるよ」

にこ「……いや、別に怒ってるわけじゃ」

にこ「……そんなに悲しそうにしなくても……その」

ことり「うう、にこちゃんは私を受け入れてくれなかったよ」

にこ「ああもう! そんなこと言うんだったら私のパンツをかぶればいいじゃない!」

ことり「できないよっ!」

にこ「!?」

7: ◆eyH5F3DPSk 2014/10/11(土) 14:48:03.72 ID:MoyRaDKD0
ことり「……だって」

にこ「な、なに?」

ことり「だって、とさかが潰れちゃう……」

にこ「……うん」

ことり「私のアイデンティがなくなっちゃうよ! それじゃにこちゃんは……私のことキライになっちゃう」

にこ「そんなわけないでしょ!」

ことり「!」

8: ◆eyH5F3DPSk 2014/10/11(土) 14:49:34.96 ID:MoyRaDKD0
にこ「髪型ひとつ変わったくらいで嫌いなんかになるわけない」

にこ「ことりはことりよ。私の好きな人じゃない」

ことり「にこちゃん……」

にこ「私は、どんなことりだって好きよ」

ことり「パンツかぶってても?」

にこ「うん」

にこ「……いや、ちょっと待って。色々おかしいわ」

9: ◆eyH5F3DPSk 2014/10/11(土) 14:51:56.36 ID:MoyRaDKD0
ことり「にこちゃん」

にこ「冷静に考えてみればどうなのよ。パンツかぶるって」

にこ「例え本人の了承があったとしてもおかしいわよ」

ことり「にこちゃーん」

にこ「そんなの変態のすることじゃない……それなのに何で私がそんなこと……」

にこ「いや、ことりが嫌いってわけじゃないけど……でもパンツは……」

ことり「にこちゃん」

にこ「何?」

ことり「もうパンツ、かぶせちゃいました」

にこ「えっ」

10: ◆eyH5F3DPSk 2014/10/11(土) 14:56:06.08 ID:MoyRaDKD0
にこ「い、いつの間に……!」

ことり「ふっふっふ、隙だらけだよにこちゃん」

にこ「頭を締め付けるようなゴムの感触……っ、まさか本当に――――――――」

ことり「そう、にこちゃんは生まれ変わったんだよ。新しい自分に!」

にこ「こ、こんな変わり方って……」

にこ「……」

ことり「ちょっと興奮してる」

にこ「ち、ちがうわよぉ!」

11: ◆eyH5F3DPSk 2014/10/11(土) 14:58:59.10 ID:MoyRaDKD0
にこ「……そ、そんなことり、あんた今何履いてるの」

ことり「セクハラだよにこちゃん」

にこ「あんたに言われたくないわよ! それより……」

ことり「そう、だね……ことりは今……何も……」

にこ「」

ことり「にこちゃん鼻血」

にこ「うそっ」

ことり「うーそっ♪」

にこ「ぐっ、かわいいと思ってしまう自分が憎い」

12: ◆eyH5F3DPSk 2014/10/11(土) 15:00:50.97 ID:MoyRaDKD0



カタッ




にこ「!」

ことり「あれ? 今何か物音が……」

にこ「う、嘘!? 誰!?」

にこ「……そ、そんな……私が変態になり下がった瞬間を見られるなんて」

にこ「アイドルとして……失格、だわ」

ことり「大丈夫だよ、にこちゃん」

13: ◆eyH5F3DPSk 2014/10/11(土) 15:03:01.65 ID:MoyRaDKD0
にこ「そんな、大丈夫なわけ……」

希「あ、にこっち、ことりちゃん。もう来てたん?」

海未「私たちが1番乗りだと思ったんですが……」

にこ「ぎゃああああ!?」

希「!?」

海未「ど、どうしました!?」

14: ◆eyH5F3DPSk 2014/10/11(土) 15:06:23.48 ID:MoyRaDKD0
にこ「み、見ないで! こっちに来ないで!」

海未「え? ええっ?」

希「ど、どうしたん、にこっち? そんなにあわてなくても……」

にこ「これは誤解だからっ! ことりとは健全なお付き合いを――――――――」

希「ヘアゴム、ウチは似合ってると思うよ?」

にこ「……へ?」

海未「ええ、スポーツ選手みたいですね」

にこ「へあ?」

15: ◆eyH5F3DPSk 2014/10/11(土) 15:08:02.66 ID:MoyRaDKD0
ことり「はい、にこちゃん。鏡だよっ」

にこ「……なにこれ」

ことり「ヘアゴム」

にこ「サッカー選手とかがつけてる……アレ?」

ことり「それ」

にこ「さっきの締め付けは……」

ことり「これ」

にこ「……騙された」

ことり「騙しちゃったっ♪」

16: ◆eyH5F3DPSk 2014/10/11(土) 15:09:18.29 ID:MoyRaDKD0
海未「何かしていたんですか?」

希「まーたイチャイチャしてたん?」

にこ「人生狂わされるところだった」

海未「?」

希「?」

17: ◆eyH5F3DPSk 2014/10/11(土) 15:11:03.21 ID:MoyRaDKD0
にこ「ことり、あんた後で覚えてなさいよ」

ことり「うん」

にこ「いや、うんじゃなくて……」

ことり「続きはおうちに帰ってから……ね?」

にこ「……」

にこ「……パンツはごめんよ」

ことり「にこちゃんが変態さんになっちゃう日も近いみたいだね」

にこ「ぐぬぬ……」

18: ◆eyH5F3DPSk 2014/10/11(土) 15:12:58.83 ID:MoyRaDKD0
希「ことりちゃん、またにこっちのおうちにお呼ばれ?」

ことり「そうだよ」

にこ「呼んでないわよ」

海未「2人は本当に仲良しですね」

ことり「うんっ」

にこ「どこがよ」

希「照れ屋さんやなぁ、にこっちは」

にこ「……はぁ、もうそれでいいわ。別にパンツかぶってたところを見られたわけじゃないんだし」

19: ◆eyH5F3DPSk 2014/10/11(土) 15:15:12.90 ID:MoyRaDKD0
海未「パンツ?」

にこ「なっ、なんでもない!」

希「あれ? そういえば花陽ちゃん、先に来てなかった?」

ことり「花陽ちゃん? 見てないけど……」

海未「今日の昼休み、真姫の作曲の手伝いする前に顔を出すと言っていたんですが……」

にこ「まさか、あの音って」

ことり「でも、ドアはちゃんと閉まってたけどなぁ」

にこ「……ちょっと待って。閉まってる方がまずいわよ!」

20: ◆eyH5F3DPSk 2014/10/11(土) 15:16:18.69 ID:MoyRaDKD0









花陽「ま、真姫ちゃん……いい?」

真姫「構わないわ。ちょうど休憩中だし」

真姫「ん? どうしたの花陽。顔が赤いけど」

花陽「あ……う、うん」

21: ◆eyH5F3DPSk 2014/10/11(土) 15:18:12.94 ID:MoyRaDKD0
花陽「真姫ちゃんは……私のこと、好き?」

真姫「……好きよ」

花陽「わっ、私も!」

真姫「……花陽、あなた変よ」

真姫「別にそんな……確認し合ったりすることなかったじゃない」

花陽「そ、そうだよね……ごめんね……あはは」

真姫「別にいいけど……」

22: ◆eyH5F3DPSk 2014/10/11(土) 15:20:01.01 ID:MoyRaDKD0
花陽「……真姫ちゃん、お願いがあります」

真姫「ん」

花陽「恋人たちが……キスの次にするものなの」

真姫「……えっ、こ、ここで?」

花陽「うんっ」

真姫「……待って、心の準備が――――――――」

花陽「花陽のパンツ、受け取ってください……!」

真姫「」

23: ◆eyH5F3DPSk 2014/10/11(土) 15:22:10.65 ID:MoyRaDKD0
真姫「あ……え?」

花陽「ご、ごめんなさいっ! こ、こんなこと言われても困るよね?」

花陽「わ、忘れて……」

真姫「なんだ、そんなこと」

花陽「えええええっ!?」

真姫「あ、い、今のはちがっ……」

真姫「そ、想像してたことよりアレじゃなかったというか……その……」

24: ◆eyH5F3DPSk 2014/10/11(土) 15:24:24.20 ID:MoyRaDKD0
花陽「え? なに? どういうこと?」

花陽「真姫ちゃん、何……考えてたの?」

真姫「あ、その、あの……」

にこ「花陽! そのままじゃ変態になるわよ!」

ことり「花陽ちゃん! 誤解だから……!」

真姫「うぅっ、変なこと考えてごめんなさい……」

にこ「え?」

ことり「あれ?」

25: ◆eyH5F3DPSk 2014/10/11(土) 15:26:42.06 ID:MoyRaDKD0
にこ「何この状況。駆けつけてきて正解だった?」

花陽「え、こ、これは……私にもよくわからなくて」

ことり「花陽ちゃんがパンツ持ってる……?」

花陽「あっ! こ、これは違うのっ!」

にこ「何? 真姫ちゃんにパンツ見せて……真姫ちゃんが謝った?」

ことり「この短時間で一体どんなプレイが……」

にこ「あんた黙ってなさい」

26: ◆eyH5F3DPSk 2014/10/11(土) 15:31:01.98 ID:MoyRaDKD0
真姫「……」

にこ「まあ、経緯は違えどあんたも同じ被害者ってわけね。たぶん」

ことり「にこちゃんが素直にパンツをかぶらなかったからこんな被害者が……」

にこ「いや、違うから。絶対ないわよ」

花陽「え? ご多分に漏れずって言ってたのに……?」

にこ「……なるほど。花陽も被害者ってわけね」

花陽「ひがいしゃ……」

ことり「にこちゃん、パンツ」

にこ「ああもううるさい! あとでね!」

ことり「了解しましたっ!」

にこ「あああああ、しまった……変態に言質とられた」

27: ◆eyH5F3DPSk 2014/10/11(土) 15:34:13.60 ID:MoyRaDKD0







穂乃果「……次は凛ちゃんの番だよ」

凛「くっ、む、難しいにゃ」

絵里「凛、頑張ってね! 部活に行けるかどうかはあなたにかかってるんだから!」

凛「うん!」

凛「あっ」

穂乃果「り、凛ちゃんの意気込みで……」

絵里「トランプタワーが……」

凛「ああっ、ご、ごめんなさい!」

28: ◆eyH5F3DPSk 2014/10/11(土) 15:36:50.17 ID:MoyRaDKD0
穂乃果「大丈夫! 今度こそうまくいくよ!」

絵里「そうね。諦めちゃダメよ、凛」

凛「穂乃果ちゃん……絵里ちゃん……!」

絵里「……でも、集中力アップのための練習になるの? これ」

絵里「トランプタワー3段と、練習での集中はちょっと違うと思うんだけど」

穂乃果「海未ちゃんに怒られないためには、ちゃんと特訓しないと!」

凛「うん! こうやって成果を出せば、海未ちゃんだってきっと褒めてくれるよ!」

絵里「そう? なんだか違う気がするんだけど……そう言われたら手伝うしかないわね!」

29: ◆eyH5F3DPSk 2014/10/11(土) 15:40:39.25 ID:MoyRaDKD0






海未「……出て行ったにこたちも、戻って来ませんね」

希「ウチら2人きりやなぁ」

海未「……」

希「……」

海未「今日は休みになりそうですね」

希「うん、そうやね」

30: ◆eyH5F3DPSk 2014/10/11(土) 15:44:42.29 ID:MoyRaDKD0
希「……パンツ」

海未「!?」

希「聞こえてたんやろ、海未ちゃんも」

海未「い、いえ。そんなことは……」

希「ウチもちょっと恥ずかしいけど、海未ちゃんがやりたいんやったら……」

海未「だ、ダメです! 破廉恥すぎます!」

希「そ、そうやね!」

海未「……」

希「……」

海未「……で、でも、少しくらいなら……」

希「!」

31: ◆eyH5F3DPSk 2014/10/11(土) 15:46:51.02 ID:MoyRaDKD0
海未「な、なんて……言ってみただけですよ。ふふ」

希「……う、海未ちゃんのせいでドキドキしてきた」

海未「すみません……私もです」

希「忘れよ、こんなこと」

海未「そうですね。はい」

希「……」

海未「……」

にこ「それで、かぶるの? かぶらないの?」

ことり「どっちなの?」

希「!?」

海未「」

32: ◆eyH5F3DPSk 2014/10/11(土) 15:49:28.82 ID:MoyRaDKD0
海未「きききっ、聞いてたんですか!?」

にこ「ええ。じれったくて……ちょっと憧れちゃうくらいだったわ!」

希「あ、憧れ?」

ことり「ああいう雰囲気はあんまりないもんね。にこちゃんとは」

にこ「そうね。ことり、さっき持ってたパンツはちゃんと履いたわけ?」

ことり「うん。にこちゃんのためにとってるよ」

にこ「バカ」

海未「う、うぅ……聞かれていたとは」

希「そもそも、何でそんなパンツの話が出たん?」

33: ◆eyH5F3DPSk 2014/10/11(土) 15:51:31.99 ID:MoyRaDKD0
にこ「あんたたちもこっちの話聞いてたんじゃない」

希「だって、不可抗力やもん……」

海未「そ、それより話題を変えませんか?」

ことり「ああ、パンツの話題が出たのは……にこちゃんの髪型だと、パンツをすんなりかぶれるってところから始まってね」

にこ「話題変わってない」

34: ◆eyH5F3DPSk 2014/10/11(土) 15:54:43.93 ID:MoyRaDKD0
希「ああ、だからかぶらせようと話してたんや」

ことり「本当は私もかぶりたいんだけど……髪型が、ね」

海未「?」

にこ「海未? 何よ、首を傾げて。変なところでもあった?」

にこ「……いや、一貫して変ね。謝るわ」

海未「そうですね……ではなく、ことりがかぶりたいのなら、ことりが髪型を変えればいいのではないかと思いまして」

ことり「……さすが海未ちゃん!」

海未「え?」

35: ◆eyH5F3DPSk 2014/10/11(土) 15:57:23.06 ID:MoyRaDKD0
ことり「そうだ。にこちゃんはことりの髪型が変わっても好きって言ってくれたし……これで完璧っ!」

にこ「海未! なんてことしてくれるのよ!」

海未「え、ええっ?」

にこ「変態に知識を与えるなんてことをしたら……それはもう大変なことに――――――――」

ことり「希ちゃん、そこのヘアゴムとって」

希「これ?」

ことり「そうそう」

にこ「まずい、準備が着々と整って行く……」

36: ◆eyH5F3DPSk 2014/10/11(土) 16:01:18.63 ID:MoyRaDKD0
にこ「せめてパンツだけは死守しなくちゃ……」

ことり「そしてにこちゃんのパンツはここに」

にこ「」

にこ「なんで持ってるのよ!?」

ことり「恋人ですから……」

にこ「没収!」

ことり「ああっ、家宝が」

39: ◆eyH5F3DPSk 2014/10/11(土) 16:04:28.32 ID:MoyRaDKD0
穂乃果「やっとできたよぉー!」

絵里「ええ、完成したわね。でも生徒会室にそのまま置いてきちゃってよかったの?」

穂乃果「記念にとっておくんだよ」

凛「これで海未ちゃんにも怒られな……」

にこ「」

凛「……い」

穂乃果「に、にこちゃんが……」

絵里「ことりのパンツを……」

凛「盗んでるにゃああああああ!」

にこ「ちがあああああう!」





     おわり

45: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/13(月) 14:20:33.09 ID:0uFlfzZ1o
乙乙