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1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 23:43:32.13 ID:/ktrDdHH0
勇者「魔王、ボクに何をしたの!!」

魔王「くくくっ、勇者といえどやはり人間は愚かな生き物よ」

魔王「ここは魔王の城。その城の主である余が何の仕掛けもしてないだろうと思ったか!」

勇者「ひ、卑怯者!」ジワッ

魔王「卑怯で結構。余にそんな口を言うのも今のうちよ」ククク

勇者「うっ、なんか、体がおかしい…ウアアアアア」

魔王「さあ、勇者よ、人間の平和など忘れてしまえ」

魔王「そして余だけのために生きる存在…」

魔王「余の充実な下僕となるのだ!!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

魔王「勇者」

勇者「何、魔王ちゃん」

魔王「…あれ?」





2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 23:48:36.77 ID:Rczmw5UA0
勇者「どうしたの、魔王ちゃん?」ニコニコ

魔王「(おかしい、どこかで魔法の術式ば間違ったのか?そんなはずじゃ…)」

勇者「どうしたの、魔王ちゃん?どこか具合悪いの?」

魔王「なっ、余に近づくな!」

勇者「!」

魔王「(術がちゃんとかかってないのであれば、まだ余を殺そうとするやもしれない。取り敢えず様子を見よう)」




3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 23:49:18.58 ID:Rczmw5UA0
勇者「……?」

魔王「ゆ、勇者よ」

勇者「うん、どうしたの?」

魔王「余は誰だ」

勇者「魔王ちゃんは、魔王ちゃんだよ」

魔王「なら…お主は余の何だ?」

勇者「え?……どうしても言わないと…駄目?」モジモジ

魔王「言え、命令だ」

勇者「その……大切な人…だよ?」カァ

魔王「(やばい、なんかキュンと来た)」




4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 23:50:16.28 ID:RVm0px1e0
だから性別をだな




8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 23:52:54.65 ID:Rczmw5UA0
勇者=少年、魔王=少女が自分のデフォ。

年はとにかく魔王の方が多いのがデフォ。




5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 23:50:30.45 ID:Rczmw5UA0
魔王「(いや、落ち着け、余よ!)」

魔王「(あれは余がかけた呪いのせいだ!)」

魔王「(思っていたのとは違うが、たしかに呪いは成功したようだ)」

魔王「(少し試してみよう)」

魔王「勇者よ。余の足を舐めるが良い」

勇者「うん、良いよ」ペロペロ




8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 23:52:54.65 ID:Rczmw5UA0
魔王「くくくっ、情けないな、勇者よ。さっきまで余を殺そうとしていた者とは思えぬ惨めな姿だ!」

勇者「!」

魔王「どうした、余は止めろとは一言も言ってないぞ」

勇者「…魔王ちゃんの足臭い」

魔王「なっ!」

勇者「ちゃんと洗ってる?」

魔王「よ、余計なお世話だ!」




11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 23:54:33.54 ID:Rczmw5UA0
勇者「ちょっと待ってって」

魔王「なっ、待て、どこに逃げるつもりだ!」

勇者(遠くから)「すぐ来るからー!」

魔王「ええいっ、乙女の足が臭いとは無礼な奴め!」

魔王「もう良い。死んだ側近の代わりに余の黒騎士にでも使おうと思ったが」

魔王「ここで自害を命じて余だけで人類を滅亡させてやる!」

魔王「うん?戻って来るな」

勇者「はい、魔王ちゃん、ちょっとここに足入れて」

魔王「あ?」




13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 23:55:55.99 ID:Rczmw5UA0
魔王「何だ、これは」

勇者「盥だよ?」

魔王「その手に持ってるのはなんだ」

勇者「石鹸とタオルだよ?」

魔王「何故そんなものを持ってきた?」

勇者「だって魔王ちゃんの足が汚いから」

勇者「洗ってあげようと思って」ニコニコ

魔王「」

勇者「ほら、早く盥に足入れて」ハヨ




14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 23:57:20.47 ID:LiHDdheu0

何て読むの?




15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 23:57:31.57 ID:Rczmw5UA0
>>14 たらい

勇者「まず左足から」

魔王「なっ!待て!余は」

勇者「ほら、じっとしてないと垢が取れないよ」

魔王「っ!やめないか。余が誰だと思って…」

勇者「いくらが魔王ちゃんが魔王でも足を汚くすると駄目だよ」

勇者「水虫とかできたらどうするの?」

魔王「なっ、馬鹿を言え!余の足にが水虫ができるなど…」




16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 23:59:41.61 ID:Rczmw5UA0
勇者「まず足元から綺麗に洗って」ググッ

魔王「っ!お主、今何をした」

勇者「うん?ちょっとついでにツボとかも押してあげようと思って」

勇者「痛い所あったら言ってね」グッ

魔王「うっ!!」

勇者「痛い?」

魔王「や、やめろ…(変な気分になる。人に足を洗ってもらうのがこんなに……)」

勇者「痛かったら声出しても良いよ」コシコシ

魔王「んっ!っ!」

勇者「指の間もちゃんと洗って……」グッ

魔王「ひぃっ!」




19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 00:01:57.26 ID:Rczmw5UA0
勇者「はい、こっちは終わり、次は右足ね」

魔王「ぜぇ……はぁ…はぁ…(やめろ…こんなのもう耐えられるわけがない)」

勇者「ほら、早く右足頂戴」ハヨハヨ

魔王「もう…もういいだろ。自分でやる」

勇者「ええ、ここまで来てそれはないよ」

勇者「どうせ魔王ちゃん一人だと適当にするんでしょ?」

勇者「ほら、早く足!」

魔王「や、やめろ、引っ張るな…やめ……(グッ)ひぎぃっ!」




20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 00:03:24.06 ID:FMkwu98T0
勇者「ふぅ…終わったよ」

勇者「盥の水が真っ暗だよ。どれだけ洗ってないの?」

魔王「……」ビクンビクン

勇者「これからはボクが毎朝毎晩魔王ちゃんの足洗ってあげなきゃね」

魔王「!!やめろ!そんなしたら余が死んでしまう!」

勇者「大袈裟だな」ニパァ

勇者「…あ、そうだった。足舐めるんだったね」

魔王「っ、それはもう良い!」

勇者「え、そうなの?」




23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 00:06:31.74 ID:Rczmw5UA0
魔王「そうやって余が完全にお主を余の手中に収めていると思わせて、慢心している隙に余を殺すつもりだろ」

勇者「…?ボクは魔王ちゃん殺さないよ?」

勇者「魔王ちゃんはボクの……大切な人だし」モジモジ

勇者「でも、魔王ちゃんのためなら死んでもいい」

魔王「ぬぅ(あくまで知らん振りをするつもりだな)」

魔王「ならこっちにも考えがあるぞ」

魔王「勇者!」

魔王「余の夜のお世話をしろ!」




29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 00:11:06.82 ID:FMkwu98T0
魔王「さて、勇者、余の服を脱がせろ」

勇者「ふえ?」

魔王「何をぼやけておる。さっさとせぬか」

勇者「う、うん……」

魔王「(くくくっ、どうじゃ。幾ら勇者とて男)」

魔王「(演技をしているのであれば余の魅力的な体を見たら我慢できず余を襲おうとするに違いない)」

魔王「(さあ、来い、勇者。余の体を見て本性のままに動く獣になるのだ)」

勇者「ま、魔王ちゃん…、全部脱がせたよ」

魔王「うむ、ご苦労だった」ペターン




31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 00:12:59.12 ID:FMkwu98T0
魔王「(顔を逸らしておるな)」ニヤニヤ

魔王「勇者、余をちゃんと見よ」

勇者「え?」

魔王「命令じゃ」

勇者「う…うん……///////」

魔王「何を恥ずかしがっておる」

勇者「だって……」

魔王「余の裸を見て興奮したのか?」ニヤリ

勇者「……///////」




33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 00:14:57.21 ID:FMkwu98T0
魔王「そうか、そうか」

勇者「………」

魔王「では、余は寝る」

勇者「!」

魔王「なんだ?何か不満でもあるのか?」

勇者「あ、あのね、魔王ちゃん」

魔王「(くくくっ、ひっかかったな。このまま奴を滾らせて余を襲うように誘えば……)」

勇者「裸で寝ると風邪を引くよ?」

魔王「何?」




34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 00:19:54.04 ID:FMkwu98T0
勇者「お布団があるとは言っても、ちゃんと寝巻き着ないと風邪引くよ」

魔王「な、何かと思えばそんな話か」

魔王「余は魔王じゃ。風邪などひかん」

勇者「でも…」

魔王「しかし、少し肌寒い気はしなくもないな」

勇者「じゃあ」

魔王「お主も入ってこい」

勇者「え!?」

魔王「何を驚いておる。余の夜の世話をせよと言ったはずだ」

勇者「ふ、服のことだったんじゃ…」

魔王「それだけで終わるわけがなかろう」ニヤニヤ




35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 00:21:52.63 ID:FMkwu98T0
勇者「じゃ、じゃあ……」

魔王「お主も脱げ」

勇者「え!?」

魔王「(懐に剣など潜めているかも知れぬからな)命令だ」

勇者「うぅ……恥ずかしいのに…」モゾモゾ

勇者「ぜ、全部脱いだよ」

魔王「!?」




36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 00:23:30.94 ID:FMkwu98T0
魔王「お主、何だ、その傷だらけの体は」

勇者「!」

勇者は体の傷を隠すけど、両手で隠しきれないほどの傷が勇者の全身を覆おっている。

魔王「なんでそんなに傷ばかりなんだ」

勇者「だって…ボク勇者だし」

魔王「!」

勇者「戦ってたら、傷なんていつも……」




37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 00:26:29.87 ID:FMkwu98T0
魔王「薬草とかあるではないか!」

勇者「回復は出来るけど傷までなくなるわけじゃないよ」

勇者「寧ろ薬使いすぎると体の自己再生能力が鈍ってきて傷跡が酷く残って……」

魔王「」

勇者「こ、こんな体だから、魔王ちゃんに見せたくなかったのに……」ウルッ




38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 00:28:32.66 ID:FMkwu98T0
魔王「な、泣くな、愚か者が!」

勇者「」ヒクッ

魔王「傷が何だと言うんだ」

魔王「寧ろお主がそれ程強い魔物たちに勝ち抜いてきた証拠だ。誇らしく思え」

勇者「魔王ちゃん…」

魔王「余の下僕ならそれぐらいの傷恥ずかしがることはない」

魔王「余は寛大だからなっ」

勇者「……うん、ありがとう、魔王ちゃん」




39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 00:30:00.33 ID:FMkwu98T0
魔王「(何をやっているのだ、余は)」

魔王「(奴の演技を見ぬくつもりが、逆に相手の涙に動じてしまうなどと)」

魔王「(いや、しかし、今まで見た感じでは演技である様子はなかった)」

魔王「(何か勇者として、絶対に出来るわけのないことを命じなければ見分けがつかない)」

魔王「って、お主は何をしておる」

勇者「ふえ?」

魔王「何故そんなに余と離れた所で横になっておる」距離:3m




41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 00:33:15.44 ID:FMkwu98T0
魔王「もっと近くに寄れ」

勇者「う、うん…」2m

魔王「もっとだ」

勇者「……」1m

魔王「肌がくっつくまで近付かぬか!」イラッ

勇者「!!」ギュー




44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 00:36:31.26 ID:FMkwu98T0
勇者「///////」ギュー

魔王「ふむ、勇者抱き枕はなかなか良いな」

魔王「特に下半身の部分が温かい」ニヤリ

勇者「せ、生理現象だよ」カァァ

魔王「ちびっ子勇者の分際で男だと言いたいのか?」

勇者「……」カァ

魔王「まぁ、良い。裸である以上余に害をなすこともできぬだろう」

魔王「このまま寝るぞ」

勇者「う、うん……」




46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 00:38:21.23 ID:FMkwu98T0
魔王「うん……うーん、良く寝たな」ブルッ

魔王「……寒っ」

魔王「勇者……勇者はどこに行っ…まさか!」

魔王「服がない。逃げたのか?」

魔王「余に殺気を出していたなら睡眠中と言え余が気付かなかったはずがない」

魔王「逃げたとしか……」

魔王「くっ、余ともあろう者がなんという失態を…」

勇者「あ、魔王ちゃん、朝ご飯持ってきたよ」

魔王「」




47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 00:40:01.99 ID:FMkwu98T0
勇者「洗う水も持ってきたよ」

魔王「お主、逃げなかったのか?」

勇者「逃げる?なんで?」

魔王「」

勇者「ほら、温かい水持ってきたから顔洗って朝ご飯食べて」

魔王「う、うむ…」




48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 00:41:19.24 ID:FMkwu98T0
魔王「これを…お主が作ったのか?」

勇者「うん」

勇者「朝ご飯は大事だからね」

魔王「オムレツにサラダにオレンジジュース」

魔王「…器用なんだな」

勇者「一人旅すると自然と習うよ」エッヘン




52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 00:46:57.70 ID:FMkwu98T0
魔王「まぁ、良い。余は寛大だからな」

魔王「初日ぐらい、これぐらいの朝食でも許してやろう」

勇者「え、魔王ちゃんは普段どんな食事してたの?」

魔王「…」

・・・・・・・・・・・・・・・・・

魔王「侍女、ご飯よこせ」

侍女「そこにあるパン適当にかじっていてください」

魔王「なんだと!余に朝を焼いてもないただの食パンで済ませというのか!」シニタイカ

侍女「私殺したらそれさえも食えなくなりますが、宜しいですか?」

魔王「」パンオイシイ

・・・・・・・・・・・・・・・・・

魔王「オムレツというのは温かいな」ジワッ

勇者「温かいうちに早く食べて」ナンデナクノ?




55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 00:50:43.92 ID:FMkwu98T0
魔王「良し!腹も満たしたことだ!」

魔王「勇者も手中に収めたことだし、本格的に人類侵略計画を…」

勇者「まず服着てよ」

魔王「え、ああ、そうだったな」

勇者「はい、着せてあげる」

魔王「う、うむ……」

魔王「というか、昨日はあんなに恥ずかしがってたのに何で今日はなんともないんだ」

勇者「なんか慣れてきた」

魔王「余の体は一晩で見飽きるほどのものだったのか」ショボーン




57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 00:52:48.19 ID:FMkwu98T0
勇者「そんなことないよ」

勇者「魔王ちゃん凄くきれいだもん」

魔王「あ、当たり前だな」

魔王「魔王の余のことだから、力も美しさも魔界一番だ」

勇者「魔界の住民は人間界だと皆犯罪者になれるね」←悪意はない

魔王「待て、どういう意味だ」




58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 00:56:11.63 ID:FMkwu98T0
勇者「人たちから見ても、魔王ちゃんが一番綺麗って意味だよ」

魔王「そ、そうか。それなら良いのだ」

魔王「しかし、人間の雄どもは巨乳好きなのではなかったのか」

勇者「そんな人も居るよ」

勇者「でも胸なんて人の体の一部でしかないよ」

勇者「胸で人の好き嫌いを決めるような人は最低だよ」

勇者「魔王ちゃんの内面の美しさが分からない奴は男以前の人間…いや生き物の範疇に入らない……」

勇者「…ようにしてあげるよ」

魔王「お主は本当に勇者なのか?」

勇者「ボクは魔王ちゃんが大好きな勇者だよ?」




60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 01:00:38.09 ID:FMkwu98T0
勇者「ボクは魔王ちゃんのこと大好きだよ」

勇者「あ」

魔王「…なんじゃ」

勇者「やっぱ二番目かも知んない」

魔王「何っ!?」

魔王「誰だ、その一番目の奴は」

魔王「余の人類侵略計画の第一をそいつを血祭りにあげることにしてや…」




61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 01:06:01.54 ID:FMkwu98T0
勇者「あ、待って」

勇者「でも…それだと……あ、だって……あ」

勇者「魔王ちゃんが一番だよ?」

魔王「釈然としないな」

勇者「証拠に足洗ってあげたらいいの?」

魔王「やめろ!というかお主はもう余に近づくな!足に手を伸ばすな!」




64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 01:08:30.35 ID:FMkwu98T0
勇者「……魔王ちゃんはボクが触るのが嫌なの?」

魔王「あ?」

勇者「ごめんなさい、もう魔王ちゃんのこと触らない」

魔王「待て、余はいつそんなことを…」

勇者「」サッ

魔王「…」

勇者「……魔王ちゃんのこと大好きだよ?」エヘッ

魔王「言動を一致させろ」




65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 01:13:30.92 ID:FMkwu98T0
勇者「足洗わせて」

魔王「嫌だと言うに!」

勇者「……うん、大丈夫」

勇者「例え魔王ちゃんがボクのこと嫌いでもボクは魔王ちゃんのこと好きだから」

勇者「だから、一生魔王ちゃんがボクが魔王ちゃんに近づくことを許さないとしてもボクは魔王ちゃんのこと好きだよ」距離:10m

魔王「……」

勇者「……」距離:20m

魔王「……」

勇者「魔王ちゃん大好きだよ?」距離:30m

魔王「もう足を洗ってくださいお願いします」




66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 01:18:19.74 ID:FMkwu98T0
勇者「ふぅー!」スッキリ

魔王「あぁ……ぁぁ…」ビクンビクン

勇者「魔王ちゃん、まだ昼寝するには早いよ」

魔王「うるさい、余はお主のせいで疲れたのだ」

魔王「それにどうせこの城には誰も居ないからな」

魔王「余にあれこれしろと言う連中ももう居ない」

魔王「だからお主も余の命令に従って黙ってそこに居ろ」

勇者「はい」




67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 01:19:10.72 ID:FMkwu98T0
勇者「……」

魔王「……」

勇者「……」

魔王「……」

勇者「……魔王ちゃん」

魔王「何だ」

勇者「呼んでみただけ」




68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 01:20:57.35 ID:FMkwu98T0
勇者「……」

魔王「……」

勇者「……」

魔王「……」

勇者「……魔王ちゃん、大好き」

魔王「お主は十分ごとそれを言わんと死ぬのか?」

勇者「五分ごとでも言えるよ?なんなら毎分…」

魔王「もう黙っていろ」




70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 01:25:02.97 ID:FMkwu98T0
勇者「……」

魔王「……」

勇者「魔王ちゃんはにぃとだね」

魔王「なんだそれは」

勇者「仕事も何もしないでただゴロゴロして時間を潰すのが日課な人」

魔王「勇者に勝ったのだ。少しは休んでも良かろう」

勇者「にぃとは皆明日から頑張るって言うんだって」

魔王「うるさい!余はにぃとではないぞ!」




71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 01:27:31.75 ID:/gRs07/80
>>70
なんだ俺達か




72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 01:28:15.23 ID:7QLncWyZ0
俺たち魔王だったのか




73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 01:29:51.06 ID:FMkwu98T0
魔王「もう良い!そんなに暇なら余がお主に仕事を与えよ」

勇者「ほんと!魔王ちゃん大好き!」

勇者「ボク魔王ちゃんのためなら何んでも喜んでするよ」

魔王「良し、じゃあ、これからこの城の窓を全部一人で掃除して来い!」

魔王「舌で!」

勇者「!!!」カビーン

魔王「ふん!」ネル

勇者「……」

魔王「……」

勇者「魔王城のガラス窓なんてないよ?」

魔王「そうだった」チクショウ




76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 01:32:41.47 ID:FMkwu98T0
勇者「代わりに魔王ちゃんの体マッサージしてあげる」疲れてるっぽいし」

魔王「余を殺すつもりか」

勇者「気持ちいいよ?」

魔王「だから駄目なのだ」

勇者「魔王ちゃんが足マッサージをもらって緩んでる顔凄く綺麗だったよ」←他意はない

魔王「目が怖い。それ以上寄るな」

勇者「魔王ちゃんの肩押したら魔王ちゃんどんな風にないてくれるのかぁ」wktk

魔王「やめろって言っただろ。命令だ、その手を余の肩からはな……ぎにゃーー」




78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 01:35:10.50 ID:FMkwu98T0
魔王「……ん?」

勇者「あ、起きた」

魔王「(どれだけ意識が切れていたのだ)お主…死にたいか?」

勇者「魔王ちゃんがボクに死んで欲しかったらボクは良いよ」

勇者「でも、わがまま言うとやっぱ生きて魔王ちゃんと一緒に居た方が良いよ」カァ

魔王「……」

魔王「いつの間に外に運んだ」

勇者「日差しが良いから裏庭で日浴びようと思って」

勇者「魔王ちゃんの肌、光あまり浴びてなくて青いもん」

魔王「これは日光と関係おらぬ」




79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 01:36:41.26 ID:FMkwu98T0
勇者「はい、これ飲み物」

魔王「……なんだこの青色の水は」

勇者「ハワイアンブルー」

魔王「……」

※アルコールは二十歳から

勇者「オレンジの方が良かった」

魔王「いや、このまま呑もう」チュー




80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 01:37:57.66 ID:FMkwu98T0
魔王「この白いベンチはどっから持ってきた」

勇者「なんか『側近の部屋』に置いてあったよ?」

魔王「あいつ普段余に仕事させて一人で日光浴してたのか」

魔王「殺す」

勇者「!」

勇者「…ごめんなさい、ボクがもう殺しちゃった」ジワッ

魔王「そういえばそうだったな」イヤ、ナクナ




81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 01:40:23.03 ID:FMkwu98T0
魔王「ちょっと暑いな」

勇者「お代りあるよ」

魔王「うむ」

勇者「扇もあるよ」パタパタ

魔王「うむ」スズシイ

勇者「…」パタパタ

魔王「……暑いか?」

勇者「全然」汗マミレ

魔王「今思ってるこを正直に言え」

勇者「魔王ちゃん大好き」

魔王「それ以外には」

勇者「何も思ってないよ」パタパタ

魔王「」




82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 01:44:02.88 ID:FMkwu98T0
勇者「プハー、涼しいね」←飲んでいるものはオレンジ

魔王「余の寛大さを讃えるが良い」

勇者「キャー魔王ちゃんステキー、大好きだよ」

魔王「…なんか皮肉ってるように聞こえるが、お主が言うと怒る気にならんな」

勇者「真心が篭ってるからかな」

魔王「……真心……か…」

魔王「(諸全、余の術にかかっているだけだというものを…)」

魔王「(……余は何をしているのだ)」




83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 01:46:29.60 ID:FMkwu98T0
魔王「(余と雌雄を争うべく相手を弄んで楽しいのか)」

魔王「(いくら、今の勇者が余の忠節な下僕となっている所で所詮は呪いの産物)」

魔王「(余のことを本当に讃えているわけではない)」

魔王「(他の魔物どももそうだった)」

魔王「(先代の魔王の娘であるから魔王として置いてはあるものの)」

魔王「(無能な余のことを皆無視して、蔑ろにした)」

魔王「(余は、ただ自分を讃えるための『人形』が欲しかっただけではないのか)」




86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 01:52:41.58 ID:FMkwu98T0
魔王「勇者」

勇者「うん?何、魔王ちゃん」

魔王「お主に命じる」






魔王「今この場で自決しろ」




89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 01:59:19.01 ID:FMkwu98T0
勇者「じけ…つ?……」

勇者「魔王ちゃんは…ボクに死んで欲しいの?」

魔王「そうだ!お主が死ねば、人間どもはお主の死を知って絶望と恐怖に陥るであろう」

魔王「そうなった人間どもを、余は何の慈悲もなく踏み潰すのだ」

魔王「そしたら皆も余を讃えるであろう」

魔王「先代誰も勝てなかった勇者を殺し、人間どもをこの世から消し去って魔物たちの世界を作るという宿願を余が果たすのだ」

魔王「そしたら…そしたら誰もが余のことを真心を持って恐れるであろう。讃えるであろう」

魔王「お主のような『人形』の口を借りずとも」

魔王「余は誰もが仰ぐ存在となれるのだ」




90:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 02:00:42.31 ID:FMkwu98T0
勇者「良いよ」

魔王「!」

勇者「ボクが死んで魔王ちゃんが幸せになるんだったら」

勇者「ボク、ここで死んでも良いよ」

勇者「魔王ちゃんは人たちを苦しめるのが大好きだもんね」

魔王「……っ!」

勇者「魔王ちゃんが幸せになるのなら、好きにしても良いよ」

魔王「」

勇者「でも、ちょっと欲を言えば、魔王ちゃんが喜ぶ姿、側で見たかったなーなんて」

勇者「えへへ、調子に乗りすぎだよね。もうすぐ死ぬ癖に」




91:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 02:01:58.54 ID:FMkwu98T0
魔王「…」

勇者「でも魔王ちゃん、これだけは信じて欲しいよ」

勇者「ボクは魔王ちゃんのことが好きだよ」

勇者「この気持ちは、きっとつくられたものなんかじゃないよ」

勇者「ボクはきっと始めて会った時から、魔王ちゃんのことが好きだったんだよ」

魔王「!!」

勇者「だから、大切な人のためなら」

勇者「ボクの命なんて、捨てられるよ」




92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 02:03:35.21 ID:FMkwu98T0
勇者「じゃあ、魔王ちゃん、さようなら」

勇者「魔王ちゃんのこと大好きだったよ」

そして自分の腹に伝説の剣を刺す勇者

勇者「……いだい……」

魔王「!!」

勇者「…早く…死なないかな」

勇者「いくら魔王ちゃんのためでも…」

勇者「やっぱり死ぬのは痛いよ……」




93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 02:05:16.13 ID:FMkwu98T0
魔王「や、やめろ」

魔王「今すぐやめろ、勇者!」

勇者「……」

だが、たくさん血を流した勇者の耳にもう魔王の声は届かない。

魔王「っ!外に誰かあるか!」

魔王「誰でも良い!回復の呪文が使える者が居ないのか!」

魔王「このままでは、勇者が…勇者が死んでしまう!」




95:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 02:08:07.99 ID:FMkwu98T0
が、魔王城は先日勇者との乗り込みで空っぽな状態。残っている者など居ない。

勇者「……」

魔王「勇者!勇者、死ぬな!」

魔王「余が悪かった!余が酷いこと言ってすまなかった」

魔王「だから死ぬな、勇者ー!!」ボロボロ




96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 02:14:02.97 ID:FMkwu98T0
勇者「……うん?」

魔王「勇者!気がついたか!」

勇者「……あれ?ボク…なんで…」

魔王「勇者……良かった……よがっだぁ゛」

勇者「魔王ちゃん…?」

勇者「なんで、泣いてるの?」

勇者「あ、そうだ」

勇者「ボク死ななきゃいけないのに」

勇者「ごめんね、魔王ちゃん」

勇者「なんかちょっと刺した所が悪かったみたい」




99:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 02:17:41.17 ID:FMkwu98T0
勇者「今回はちゃんと死ぬから泣かないで」

勇者「ボク魔王ちゃんが泣くの見たくない」

そう言いながら再び剣の先を自分に向かって握る勇者

魔王「やめぬか、馬鹿者!」

勇者「」ビクッ

魔王「死ぬでない……死ぬな!」

魔王「生きろ……生きてずっと余の側に居ろ」

魔王「余を独りにするな……」




100:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 02:20:24.45 ID:FMkwu98T0
勇者「あれ?…刺したはずの傷がない

勇者「……もしかして、魔王ちゃんが助けてくれたの?」

勇者「でも、どうやって」

魔王「余を誰だと思っておる」

魔王「余は魔王ぞ」

魔王「出来ないことなんてない」

勇者「魔王ちゃん……」

魔王「…実はお主の道具バッグにあったせかいじゅの葉を使っただけだけど」




101:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 02:24:04.32 ID:FMkwu98T0
魔王「とにかく、余はお主が死ぬなどゆるさぬ」

魔王「お主はこれからずっと余と一緒に居るのだ」

勇者「…ほんと?」

勇者「ボクずっと魔王ちゃんと一緒に居ても良い?」

魔王「そうだ」

魔王「命令だ、勇者」

魔王「絶対死ぬな。ずっと余の側に居ろ」

勇者「……うん、わかった」




102:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 02:24:44.49 ID:FMkwu98T0
終わり




104:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 02:27:28.90 ID:FMkwu98T0
一部終わった

二部あるけど……まだ作成中なので今回はここまで


第二部
http://ss-station.2chblog.jp/archives/3931375.html




105:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 02:28:01.73 ID:7QLncWyZ0
不完全燃焼だがこれもこれでいいと思う。乙




108:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 02:36:07.95 ID:PX9lMCHwO





110:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 02:51:31.41 ID:FMkwu98T0