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64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/02(金) 04:51:10.23 ID:ti2US96y0
小屋

ほむら「まったく、救助に来たのに来た道がわからないだなんて。あなたはどこまで愚かなの」

さやか「はぁ?助けに来てもらっといてなにその態度?もう少し感謝の気持ちってのがあんたには無いの?」

ほむら「別にあなたには頼んでないわ。美樹さやか」

さやか「あんたねぇ、下手したら凍えて死んでたかもしれないんだよ?」

ほむら「この小屋には幸いストーブと少しだけど灯油が残っていた1人でも問題ない」

ほむら「明日になれば助けが着たわ」

さやか「っ~~……あっそう!あんたのこと心配したあたしがバカだったよ!!」

さやか「もういい。寝る」バサッ

ほむら「ふん」バサッ





66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/02(金) 04:55:09.30 ID:ti2US96y0
ほむら(ん…寒い…)

ムクッ

ほむら「はっ!?嘘、ストーブが…」

ほむら「灯油が切れたの…まだ余熱で暖かいけどこのままじゃあ…」

ほむら「どうしよう…」

チラッ

さやか「Zzz…」

ほむら「美樹さやか…」

さやか「Zzz…」

ほむら「さやか…」ユサユサ

ほむら「……」ポツーン

グゥ~

ほむら「っ///」カァァ




67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/02(金) 05:01:19.55 ID:ti2US96y0
ほむら「はぁ……」

ほむら「お腹、空いたなぁ……」

ほむら「お父さん、お母さん……まどかぁ…」グスッ

ほむら「そういえば。さやかが持ってきたお菓子」

ほむら「意地張って使えしちゃったけど…」

スッ

ほむら「?」チラ

さやか「Zzz…」

ほむら「……」ゴソゴソ

ほむら「ちょ、ちょっとだけなら…」ガサガサ

ほむら「ポッキー……杏子、巴さん。今ごろどうしてるかな」ホムホム

ほむら「美味しい……」グスッ




70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/02(金) 05:08:45.75 ID:ti2US96y0
さやか「……」ジッ

ほむら「はっ……」チラッ

さやか「やっと食べた」

ほむら「ご、ごめんなさい…」

さやか「素直じゃん」

ほむらほむぅ…」スッ

さやか「いらないよ」プイ

ほむら「え?」

さやか「こうなったのあたしの所為だもん。あたしがちゃんとしてれば、2人でこんなとこで凍えてること無かったのに」

ほむら「そんなこと……」

さやか「2人で分けても足りないよ。ならどちらかが食べて晴れたら助けを呼んだほうが合理的だよ」

ほむら「あなたから合理的なんて言葉が出るなんて」

さやか「うっさい。とにかくあたしはいらない」

ほむら「…」




73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/02(金) 05:17:14.28 ID:ti2US96y0
ほむら「さやか…」

さやか「だから、いらないったら」ツーン

ほむら「さやか」

さやか「だから、いらな、んんん…!?」

ほむら「ちゅ、ん…」

さやか「んん……」ムグムグ、ゴクン

さやか「あんた!いきなりなにすんんん~!?」

ほむら「ちゅっ、んん…ちゅう…」

ほむら「私、あなたを犠牲にして助かっても嬉しくない」

ほむら「だから、あなたが食べるまで口移しで食べさせ続けるわ」パクッ、ン…

さやか「わかった!食べる、わかったから!///」

ほむら「わかれば良いのよ」

ほむら「くうかい?……なんて」スッ

さやか「プッ…あはは。うん、いただきます」




74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/02(金) 05:23:55.14 ID:ti2US96y0
さやか「……」ポリポリ

ほむら「……」ポリポリ、チラッ

さやか「……」ポリポリ

ほむら「……」ポリポリ、チラッ

さやか「さっきからなんなのよ…」

ほむら「……食べさせてあげましょうか?」

さやか「遠慮しとく。それってさっきみたいに口移しでしょう?」

ほむら「ほむぅ……」ホムゥ…

さやか「………」ボリボリ

さやか「はぁ…わかっらよ。じゃあ、一緒に食べよう?///」

ほむら「!」パァァ

ポッキーゲーム

ポリポリ、チュ、ムグムグ、ゴクン

ポリポリ、チュ、ムグムグ、ゴクン




75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/02(金) 05:28:23.64 ID:ti2US96y0
さやか「……」ギュッ

ほむら「……ギュッ

さやか「1人で毛布に包まるより、2人で包まったほうが暖かいね」

ほむら「うん」

さやか「……」

ほむら「私達、助かるのかしら」

さやか「……」

ほむら「もし助からなくても、それはそれで良いかな。なんて」

さやか「なんでさ……」

ほむら「今、この場所でさやかと2人っきりでいられればそれで……」

さやか「バカ…」




76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/02(金) 05:39:03.31 ID:ti2US96y0
ほむら「ホントはね、この小屋に1人でいたとき。すごく心細かった」

ほむら「だから、さやかが助けに来てくれたときすごく嬉しかった」

さやか「うん……」

ほむら「けど、普段の私ってあなたのには辛く当たってるしそんなあなたに助けられるなんて」

ほむら「なんか情けないやら申し訳ないやらで素直になれなった」

さやか「なんとなく…わかってた」

ほむら「あなたって本当に鋭いわね」クスッ

さやか「あたしも、ほむらが1人で震えてるんじゃないかって。ほらあんたなんだかんだで寂しがり屋だし」

さやか「そう思ったらいてもたってもいられなくてさまどかや仁美の言葉も聞かずに、夢中でとび出して来ちゃった」

さやか「心配してるかな」

ほむら「きっとね。もしかしたら泣いてるかも」

さやか「あ~そりゃ大変だ。急いで謝りに行かなきゃ」

ほむら「絶対無事に帰って、2人で謝りましょう」

さやか「うん」




77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/02(金) 05:40:40.92 ID:ti2US96y0
身を寄せ合ってお互いを暖めながら

ほんのちょっとのお菓子を2人で分けて食べた

お腹はいっぱいにならなかったけど

心はいっぱいになった




78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/02(金) 05:45:19.40 ID:ti2US96y0
次の日の朝

ほむらとさやかは無事に救出された

救助隊に連れられて山を降りる時も

涙を浮かべた早乙女先生にすごい勢いで叱られ、力いっぱい抱きしめられた時も

病院で軽い治療を受ける時も

まどかと仁美に「心配かけてごめんと」謝った時も

2人はけっして繋いだ手を離そうとはしなかった



おわり




84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/02(金) 06:34:23.06 ID:zP/qMd66O
おもしろったですぞ(´・ω・`)b