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1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/03(金) 22:16:43.92 ID:eHBkvlog0
菫「久しぶりだな、照」

の後付け補完SSです







2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/03(金) 22:18:38.42 ID:eHBkvlog0
照「ただいま…」

咲「おかえりなさい。あれ?帰りが早いね」

照「ん…ちょっと」

咲「久しぶりの友達に会うっ言ってたから、もっと遅くなるかと思ってた」

照「そのつもりだったんだけど…飲むペース、間違えたかな…」バサッ

咲「大丈夫?」ヒロイッ

照「……」

咲「何か、飲む?」



3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/03(金) 22:22:10.53 ID:eHBkvlog0
照「…そんなことまで、しなくていいよ」

咲「へ?」

照「あ、いや、今、服、拾ってかけてくれたでしょ?」

咲「あ…シワになっちゃうかなと思って」

照「うん。嬉しいんだけど…」

咲「けど?」

照「ごめん。ちょっと疲れてるから、先お風呂入っていい?」

咲「あ、うん」



4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/03(金) 22:25:06.52 ID:eHBkvlog0
ーお風呂場ー

照「っ…あんな言い方はなかったな…」シャー

照「普通に、ありがとうって言えばよかった」

照「…何にイラついてるんだろう?」

照「やっぱり私も、菫と同じように思ってるのかな…」

照「…ううん。あんな風に言って帰ってきちゃったんだから」

照「例え、同じ気持ちが咲から返ってこなくても」

照「私の気持ちが間違ってることにはならない」

照「…さっきも、はっきりそう言えればよかった」

照「はぁ…とりあえず咲に謝ろう」



5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/03(金) 22:28:39.50 ID:eHBkvlog0
咲「あ、お姉ちゃ…」

照「さっきはごめん」

咲「え?」

照「つっかかるような言い方して」

咲「あー…別に気にしてないよ」

照「えっと、疲れてたというか、いろいろ考えてたというか…」

咲「あ!それ!」

照「え?」

咲「そう、あの、最近お姉ちゃん、疲れてるみたいだから」

咲「一緒に、温泉でもどうかなーって」

照「温泉?」



6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/03(金) 22:31:55.65 ID:eHBkvlog0
咲「うん。いつもと違うところで、のんびりできたら、いろいろ休まると思うんだ」

咲「それに、もうこの年になると一緒にお風呂に入ったりできないでしょ?」

咲「だから、大きいお風呂で、その、姉妹水入らずと言うか…」

照「あー…」

咲「ね?」

照「…私と咲じゃ、休みが合わない。日帰りってわけにも行かないだろうし」

咲「あ、それはいいの!私がお姉ちゃんの休みに合わせるから!」

照「え、悪いよ」

咲「ううん。あの、所長さんがね『咲ちゃん全然休まないから、有給消化しちゃいなよ。最近仕事も忙しくないし』って言ってくれてて」

照「有給消化…そっか、そういうのあるんだね」

咲「うん。だから事前に言ってくれれば、数日くらい休めるの」

照「でも、咲の休みなんだから、咲のために使えばいいよ」

咲「ううん、だから私がお姉ちゃんと過ごしたいの」

照「あっ…」

咲「ダメかな…?」



8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/03(金) 22:34:47.12 ID:eHBkvlog0
照「…ううん。そう言ってくれると嬉しい」

咲「よかったぁ」

照「でも、温泉じゃなくてもよくない?家で、のんびり過ごそう」

咲「温泉はイヤ?」

照「うーん、気が、休まらないかな…」

咲「そっか…分かった」

照「ごめん。誘ってくれたのに」

咲「ううん。いいよ。お姉ちゃんの休みが続きそうな日教えてね?」

照「分かった。確認しておく」

咲「あ、そうだ!あとね…」タタタッ

照「?」

咲「ちょっと待っててね」

照「うん」



10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/03(金) 22:38:18.39 ID:eHBkvlog0
咲「…はい」コトン

照「ミルクティー?」

咲「うん。飲んでみて」

照「…おいしい」

咲「でしょ?」

照「見た目はいつものミルクティーなんだけど、まろやかというか、コクがあるというか…」

咲「あはは。さすがだね。それね、黒酢が入ってるの」

照「本当に?」

咲「そう。疲れてる時にはね、酸っぱいものがいいんだって。でも、お姉ちゃん酸っぱいの好きじゃないでしょ?」

照「うん」

咲「そういうときには、ミルクティーに入れると美味しくてあったまるんだって」

照「すごい。全然分からない」

咲「まぁ人から聞いたんだけどね」

照「そっか」



11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/03(金) 22:40:02.86 ID:eHBkvlog0
咲「少しは、元気になった?」

照「え?あぁ大丈夫、お風呂入ったらすっきりしたし…」

咲「ううん。そうじゃなくて、最近上の空っていうか」

照「そ、そう?」

咲「うん。だからね、私になにかできないかなってずっと考えてた」

咲「ねぇ?私にできることがあったらなんでも…」

照「…咲は」

咲「ん?」

照「咲は、どうしてそんなに優しいの?」

咲「え、別に普通…」

照「ううん。咲は優しいよ。麻雀のプロをやってると、それなりにちやほやされるけれど」

照「咲みたいに優しい人はいない」

咲「そ、そうかな…?」

照「うん」



13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/03(金) 22:41:29.45 ID:eHBkvlog0
咲「もし、そうだとしたら、きっとそれは…」

咲「私がお姉ちゃんのことを好きだからだよ」

照「っ!///」

咲「…どうしたの?」

照「む…むせた…」ゲホゲホッ

咲「大丈夫!?」サスリサスリ

照「ごほっ…だ、だいじょうぶ…」

咲「よかった…」



14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/03(金) 22:44:08.83 ID:eHBkvlog0
照「…ねぇ咲。贅沢だと思う?」

咲「え、急にどうしたの?」

照「充分満ちたりてるのに、それ以上欲しくなるのは、贅沢だと思う?」

咲「抽象的すぎて分からないよ…」

照「そうだよね。忘れて」

咲「う、うん」

照「…やっぱり、おいしいね、これ」ズズッ

咲「そうだね」

照「ありがとう」

咲「…うん」

照「じゃあ、そろそろ私は…」カタッ

咲「あ、うん、おやすみなさい」

照「おやすみ」



15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/03(金) 22:47:05.25 ID:eHBkvlog0
咲「ま、待って!」

照「?」

咲「えっと、さっきの答え、になるか分からないけど」

咲「私ね、子供の頃はもう二度とお姉ちゃんに会うことはないんだ、って思ってたから」

咲「今、この瞬間も奇跡みたいだなって思うの」

照「大袈裟じゃない?もう何年も一緒に暮らしてるのに」

咲「そうだね。大袈裟かもしれないね。でも、そのくらい私には嬉しいことだったんだ」

照「…そっか」

咲「でも、もしこの生活に慣れて、お姉ちゃんに…例えばもっと家事をしてほしいとか」

照「うっ…」

咲「お姉ちゃんに、もっと何かを求める日がきたら、それはきっと贅沢じゃなくて幸福なことだと私は思うよ」

照「咲…」



16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/03(金) 22:49:50.80 ID:eHBkvlog0
咲「答え…になった?」

照「…うん」

咲「よかった」

照「咲」ギュッ

咲「うわわ、何?」

照「…やっぱり、温泉行こうか」

咲「へ?なんで?」

照「気が変わった」

咲「えーなにそれー」



17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/03(金) 22:50:57.61 ID:eHBkvlog0
照「どうしようか?思い切って10日くらい泊まる?」

咲「そんなにお姉ちゃん休めないでしょ…」

照「でも、できるだけ長く休ませてもらおう」

咲「ダメだよ、あんまり迷惑かけちゃ」

照「いつも、いい子にしてるから」

咲「営業スマイル?」

照「そう」ニコッ

咲「でも、よかった、やっぱり温泉行きたかったもん」

照「ん。私も」

咲「え?」

照「ありがとう、咲」

咲「う、うん?どういたしまして」



18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/03(金) 22:52:22.20 ID:eHBkvlog0
ブブブッ

菫「ん?」


From:宮永照
Sub:さっきはごめん

急に帰ってしまってごめんなさい。私の言葉不足だった。
今なら、はっきり言える。
例え、相手から同じ気持ちが返ってこなくても、私の気持ちが間違ってることにはならない。
菫もそう。
どうか、自分を否定しないで。
私は、菫の幸せを願ってるよ。


菫「なんだこれ…」



19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/03(金) 22:56:14.58 ID:eHBkvlog0
菫「違うんだよ、照」

菫「私は、お前みたいに素直でもないし、一途でもない」

菫「もっと、打算的で、そのくせ臆病な…」

プルルッ

菫「うわっ!また照…じゃないな、電話か」

菫『もしも…』

泉『せんぱ~い!!!』

菫『うるさっ…泉か』

泉『せんぱ~い、聞いてくださいよ~私また…』

菫『分かった分かった、聞いてやるから電話で大声で喋るな!』

泉『うっ…ぐすっ…すびばせん』



20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/03(金) 22:57:59.53 ID:eHBkvlog0
菫『なんだよ、泣いてるのか…』

泉『もぉ~一人酒ですよぉ…』

菫『どこで飲んでるんだ?今、そっちに行くから』

泉『駅前の個室居酒屋小鍛冶です…』

菫『ちっ…またあそこか…』

泉『へ?』

菫『すぐ着くから。大人しくしてろよ』ピッ



21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/03(金) 23:00:58.16 ID:eHBkvlog0
ー居酒屋ー

店員「いらっしゃいませー…あ」

菫「…待ち合わせなんですけど、二条って客…」

店員「あ、はい、ええっと、こちらです。ご案内します」

菫「まさか同じ店に二度くるはめになるとは…」

店員「こちらです」ガラッ

泉「あっ…せんぱい」

菫「とりあえず、生で」

店員「はい!よろこんで!ごゆっくり~」

泉「せんぱーい、聞いてくださいよ、私また…」

菫「振られたんだろ?」

泉「どうして分かるんですかぁ…」



24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/03(金) 23:06:20.48 ID:eHBkvlog0
菫「お前が、私を呼び出す理由なんてそれしかないじゃないか」

泉「さすが先輩ですわ…やっぱ白糸台のシャープシューターは健在ですね」

菫「おだてても、おごらんぞ」

泉「ええっ」

菫「それで、今回の相手は、誰だ?」

泉「ぐすっ…ぶ、部長…」

菫「はぁ!?おまっ…」

店員「生おまち~!」ガラッ

菫「!?ど、どうも」

店員「ごゆっくりどうぞー!」



25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/03(金) 23:08:15.25 ID:eHBkvlog0
菫「…部長って妻子いるだろ?」ヒソヒソ

泉「知ってますよ。そんなこと…」

菫「部長の奥さんに会ったことがあるが、美人で家庭的で優しくて、そのうえ巨乳だった」

菫「お前に勝ち目ないだろ…」

泉「うぇええん!もっと優しい言葉かけてくださいよ!」

菫「あ、すまん」

泉「分かってるんです。そんなこと…」

泉「でも、私には負けが分かってても戦わなきゃあかんときがあるんです」

菫「お前は、何時代の人間だよ…」

泉「でもでも!好きになったら止められないやないですか!」

菫「っ!」

泉「…どうかしましたか?」



26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/03(金) 23:12:11.24 ID:eHBkvlog0
菫「なんでもない。続けろ」

泉「え!なんでもない顔やないですよ。絶対なにかありますって!」

菫「うるさいな。私はお前の愚痴を聞いてやるためにわざわざ来たんだ。思う存分愚痴れよ」

泉「はっ!そういえば、先輩の愚痴聞いたことないです!聞かせてください!」

菫「私に愚痴などない。不満があったらそれは全部私の責任だ」

泉「嘘や!嘘嘘。絶対さっき嫌なこと思い出したみたいな顔しましたもん」

菫「なんでそんなに鋭いんだよ…」

泉「いいやないですか。奢って、愚痴だけ聞かされて、先輩損しっぱなしですよ。愚痴くらい言っちゃいましょ」

菫「だから、奢るとは言ってないだろ!」

泉「だって、私お財布持って来てないですもん」

菫「は?」



28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/03(金) 23:14:17.41 ID:eHBkvlog0
泉「すみませーん」

店員「はい!ご注文ですかー?」

泉「生おかわりください、あと手羽先と揚げ出し豆腐とキムチと…」

菫「おい!?」

泉「あ、なんか釜飯も美味しいらしいですよ。二人前ください」

店員「はい。よろこんで~!」

菫「何、頼みまくってるんだよ!」

泉「ほら、先輩こんなに払うんやから、なにか吐き出さな損ですよ」

菫「おい…大阪人はみんなこんななのか…」

泉「さぁ?私は、わりと礼儀正しいって言われますけどね」

菫「嘘だろ…」



30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/03(金) 23:18:00.87 ID:eHBkvlog0
泉「ささっ、ぱぁっと吐いちゃいましょ」

菫「はぁ…分かったよ。ちょっと失恋したんだ」

泉「え!仲間やないですか!」

菫「いや…失恋ってわけじゃないかな」

菫「勝手に好きな気がして、相手に恋人がいないことをいいことに、勝手に盛り上がって、勝手に諦めただけだ」

泉「なんだかパッとしないですね…」

菫「うるさいな。いろいろ複雑なんだよ」

泉「複雑もなにも言っちゃえばいいやないですか。それだけですよ」

菫「そんな簡単じゃないんだ」

泉「そうですかねぇ…」



31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/03(金) 23:21:03.18 ID:eHBkvlog0
菫「あー何も知らないくせに、好き勝手言うな!教えてやる。その相手は同性なんだよ」

泉「へ?」

菫「相手は、女性だよ」

泉「えっと…それは、先輩はそういう人ってことですか?」

菫「あぁ、そうだよ。分かるか?今までどれだけ悩んできたか」

菫「否定しない人に出会えた思ったら、そいつは別の誰かが好きで、心底私は一生一人だと思ったさ」

菫「泉の、報われない恋愛体質に同情もするが、それでも私はお前が…」

泉「じゃあ、私でいいんやないですか?」

菫「…は?///」



33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/03(金) 23:24:46.91 ID:eHBkvlog0
泉「そうしましょう!先輩!私は絶対先輩のこと否定したりしませんし」

菫「ちょっ…だってお前は部長が…」

泉「それは、さっき終わりました」

菫「……」

泉「いいやないですか。先輩、かっこいいし、仕事できるし、優しいしもろ私の好みですよ」

泉「そういうのは、大体既婚者なんやけど…盲点でしたわ」

菫「え…もうこれ決まりなのか?」

泉「決まりですよ。よろしくお願いしますね。先輩」ギュッ

菫「うわっ…酒くさ」

泉「~♪」



34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/03(金) 23:26:24.21 ID:eHBkvlog0
菫「…なんだかなぁ」

菫「やっぱり、私はお前が羨ましいよ」

泉「ふふふ…私みたいに、何も考えんと押し切るタイプがいれば、先輩みたいにうじうじ考えて押し切られるタイプがいるんですよ」

泉「きっと、私たち上手くいきます」

菫「まったく…その自信はどこからくるんだ?」

泉「大阪人だからやないですか?」

菫「おい大阪人に失礼だろ…まぁ、でもこういうのもいいかもな」



35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/03(金) 23:27:38.89 ID:eHBkvlog0
ブブブッ

照「ん?」

From弘世菫
sub:メールありがとな

やっぱり、私とお前は違うよ。
私はお前みたいに素直でもなければ一途でもないんだ。
でも、自分を否定しちゃいけないのはお前の言うとおりだった。
ありがとう。
こんなメールを送ってくるってことは、なにかいいことがあったんじゃないか?
私も、照の幸せを心から願ってる


照「一途?素直?そうかな…?」

照「でも、きっと菫にもいいことがあったんだね」

咲「お姉ちゃん…まぶしい…」

照「あ、ごめん」

咲「ううん、おやすみなさい」

照「ん。おやすみ」


カン



37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/03(金) 23:30:38.28 ID:LW8Ae+SQ0




38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/03(金) 23:39:03.04 ID:f/LUHBHm0
乙乙ー!



39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/03(金) 23:40:56.98 ID:xK95NvmU0