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1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/05(日) 23:33:38.50 ID:oe6u/zIJ0
俺(最近は暖かくなってきたからな)

俺(それにマンションだからあんま寒くないし)

ストーブ「ねぇ俺君。つけてぇつけてぇ。最近エロ画像で抜いてばかりじゃない」

ストーブ「今日はやろうよぉ」

俺(だから寒くないんだって……)





2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/05(日) 23:36:49.25 ID:oe6u/zIJ0
ストーブ「ねぇ~いいじゃん」

俺(…………)

ストーブ「ねぇねぇー」

俺(しょうがない、つけてやるか)

カチッ

ストーブ「はぁ~……。暖かい……」

ストーブ「あなたの体温が伝わってくる……」

俺(相変わらず意味のわからないことを……)

ストーブ「…………」




3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/05(日) 23:39:25.76 ID:oe6u/zIJ0
ストーブ「…………」

俺(ん、なんか静かになったな)

ストーブ「HAHAHA、見事に引っかかったなこのファッキン野郎」

俺「何!?」

ストーブ「中から幼女が出てくるとでも思ったか? ざまあみやがれ」

俺「お前……まさか、あの時の!」




4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/05(日) 23:43:56.35 ID:oe6u/zIJ0
そう、それはいまから30年前。

俺(俺の家族がこいつにやられたんだ……)

俺(ストーブはその日突然にやってきた)

母「やっと念願のストーブね」

父「ああ」

姉「あったかーい」

俺(この寒い冬を乗り切ってくれるはずだった……)

俺(でも……)

ストーブ「おらよ! 中に出してやらぁ」

母「あぁっ……やあぁん!」

父「ふぬぅ!?」

俺(性別関係なく家族全員をヤッた化物……)




5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/05(日) 23:48:59.79 ID:oe6u/zIJ0
ストーブ「いまごろ気づいたか……」

俺「狙いは何だ?」

ストーブ「お前のナニに決まってんだろ犬野郎」

ストーブ「あの時逃げられたのはお前とお前の姉だけだからな」

ストーブ「姉の方は探すのに時間がかかりそうだった」

俺「だから、俺を先に!?」

ストーブ「たりめーよ。やったるぜえ」

エアコン「そこまでよ!」

ストーブ「お、お前はエアコン!」

ストーブ「過去に俺らの一族とお前らの一族は幾度と無く争った……」

ストーブ「その終わりなき戦いに引導を渡そうというのか?」

エアコン「いいえ、私の狙いは俺君のち●こよ」




6: 忍法帖【Lv=9,xxxP】 :2012/02/05(日) 23:50:48.00 ID:7hhTv4dA0
期待。割とまじで。




8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/05(日) 23:52:37.61 ID:oe6u/zIJ0
ストーブ「何っ!??」

エアコン「私ね、ここからずっと見てたの。俺君が毎日パソコンに向かう姿を」

エアコン「感動したわ、あそこまで熱心になれるなんて」

エアコン「それで……その………一目惚れしたの…」

俺「エアコン……」

エアコン「覚えてる? ストーブが来る前に、私と過ごした一冬を……」

エアコン「毎日毎日、暖かい暖房を入れてくれた……」

エアコン「冬だけじゃない。夏だって、毎日のように冷房を入れてくれた……」

俺「…………」




9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/05(日) 23:55:52.95 ID:oe6u/zIJ0
エアコン「私はそれだけが幸せだった……」

エアコン「お店で無駄のような日々を過ごして、私は人の温もりを知らなかった……」

エアコン「俺君が、それを私に与えてくれたの。だから……」

俺「エアコン……お前…」

ストーブ「おいおい辛気臭い話はなしだぜベイベー」

パソコン「ちょっと待って! さっきから黙って聞いてれば……」




10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/06(月) 00:00:40.86 ID:D9XPhyZ60
全員「!?」

俺「パソコン!!」

パソコン「ちょっと待ちなさいよ!」

エアコン「待つって、何を?」

パソコン「何良いムードになってんのって言ってんの!」

パソコン「いい? 私をジャンクから直してくれたのは俺君よ?」

パソコン「後から買われたあんたに取られてたまるもんですか」

ストーブ「いや、最初に言い出したのは俺なんだけど……」

エアコン「あんたは黙って。あのね、俺君。私は本当に俺君のことが好きなの
。だからね……」

パソコン「ああうざいうざい。俺君、あんなのにかまってないで掲示板いかない? ブラウザはたちあげてるよーん」




11: 忍法帖【Lv=9,xxxP】 :2012/02/06(月) 00:04:14.58 ID:IctGVwE/0
ちょっとパソコンかってくる




12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/06(月) 00:04:20.80 ID:D9XPhyZ60
ストーブ「あぁあぁぁああぁぁ!! 感情が抑え切れないぜぇえ」

パソコン「ぎゃああぁぁ!! あんた、何USB端子に出してんのよ!」

ストーブ「すまねえ、出すときはオーディオプラグにすればよかったな」

俺「俺のパソコンが……」

エアコン「ああもう、こうなったら--」

俺(!? エアコンの中から誰か出てくる?)

エアコン「よいっしょっと」

俺「誰?」

エアコン「エアコンだよ、あんたの部屋の」

パソコン「くそっ、ビジュアルで負けた!」




13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/06(月) 00:08:40.83 ID:D9XPhyZ60
俺(めっちゃくちゃ可愛い……)

パソコン「か、可愛いじゃない。予想以上に……」

ストーブ「ほお、魔力の消費は激しいが人になるのもよさそうだな」

ストーブ以外「あんたはならんでいい」

ストーブ「トホホ……」

パソコン「こうなったらあたしだって……!」

俺「パソコンも中から出てくるのか?」

パソコン「あ~、暑かった……」

エアコン「なんでそんなに服びしょ濡れなの……乳首見えてるし」

パソコン「ちょ、ちょっとグラボの温度が暑かっただけよ……」




15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/06(月) 00:12:16.83 ID:D9XPhyZ60
パソコン「べ、別に俺君がグラボをつけたわけじゃないのよ?」

パソコン「あたしがこんな格好してるのがいけないの」

パソコン「で、何をするつもりなの?」

エアコン「俺君の彼女の座を懸けたバトルをするのよ」

ストーブ「こんなSSで何しようってんだ?」

パソコン「簡単なのがいいわね……」

俺(俺が試しになんか挙げてみるか……)




16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/06(月) 00:16:49.98 ID:D9XPhyZ60
俺「あのさ、俺はいきなりのことでなんなのかわからないけど……」

俺「ギャルゲーみたいにみんな仲良くしてくってのは」

パソコン「俺君って結構バカ? そんなんであたしたちが落ち着くと思う?」

エアコン「こうなったら、何が何でも童貞奪っちゃうってのは、どう?」

ストーブ「女の戦いや…………」

俺「俺ピンチだったりする?」

ストーブ「知らね。おりゃっ」

エアコン「ひゃあぁ! や、やめてよ、顔にかかったじゃない」

ストーブ「すまねえ、今度は室外機の中で出してやるよ」

俺「結局俺はどうすればいいんだ……?」




17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/06(月) 00:20:19.23 ID:D9XPhyZ60
エアコン「ん? 俺君は普通に過ごしてくれればいいんだよ?」

俺「そうなの?」

エアコン「そのかわり、私たちも当分この姿で過ごすわ」

パソコン「私生活を通して奪えってこと?」

エアコン「その方が公平でしょ」

ストーブ「俺も参加だぜ」

ストーブ以外「あんたはいらないから」

ストーブ「トホホ…………」

パソコン「明日からでどう?」

エアコン「いいわよ。一日交代制ね」

パソコン「上等……」


かくして、二人の戦いは始まった。




18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/06(月) 00:23:41.62 ID:D9XPhyZ60
一日目~エアコン~

俺「学校なんだけど……ついて来るんだ」

エアコン「俺君がいくならどこだってついていくよ?」

俺(か、顔が近い! それに強制腕組みとは……お、おっぱおが当たるじゃないか!!)

エアコン「どうしたの? 俺君顔が赤いよ?」

俺「え、いや……そんなことはないぞ」

エアコン「ならいいんだけどね」

俺(……はぁ~、なんだろうこの緊張感は………。胸の気持ちよさなのか?)




20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/06(月) 00:26:59.69 ID:D9XPhyZ60
俺(いかん、俺は紳士だ。ディスプレイにキスをするときはラップをかけて……)

俺(じゃなくて!! エロだけで女を決めちゃいけない……たぶん)


~学校~


エアコン「俺君、おべんと食べよう☆」

俺「お、おう」

エアコン「今日はね、俺君のためにおべんと作ってきたの」

パカッ

俺「おお、すごい量だな」

エアコン「俺君が沢山食べるようにって頑張ってきたんだ」




21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/06(月) 00:29:52.84 ID:D9XPhyZ60
エアコン「あ、こ、こういうときは、あーんてしてもらったかったりするの?」

俺「ブッ!」

俺(いかん、動揺するな。ただでさえ周りの視線がキツイというのに)

エアコン「正直に言っていいんだよ、私は、俺君のこと……好きだから……」

俺「ゴクリ……じゃ、じゃあお願いしてもらおっかな」

エアコン「うん!」




22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/06(月) 00:33:22.56 ID:D9XPhyZ60
エアコン「はい、あーん」

パクっ

俺「んん、めっちゃうまいよ」

エアコン「はは、よかった。俺君が気に入ってもらえるか心配だったんだよ」

俺「めっちゃ好みの味。もっともらってもいい?」

エアコン「あ、うん。もちろん」

エアコン(よかったぁ。俺君はやっぱり優しいなぁ)

俺「なぁエアコン……」

エアコン「え? な、何?」

俺「今日はありがとな、お弁当わざわざ」

エアコン「…………///」




23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/06(月) 00:36:16.93 ID:D9XPhyZ60
エアコン「俺君が喜んでくれるなら私も嬉しい」

エアコン「私、恩返しがしたかったの」

俺「恩返し?」

エアコン「そう。前に話したでしょ? あのお店でのこと……」

俺(あの日店で売られていたエアコン……。)

エアコン(旧型で、新型に場所を追いやられながら寂しそうに動いていた……)

俺(最新のビジュアルの良いエアコンにはかなわないけど、彼女はどこか美しかった)




24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/06(月) 00:38:41.47 ID:D9XPhyZ60
俺(新型をしつこく進める店員のサジェストなんて聞こえない)

俺(俺も……一目惚れだったのだ)

俺(彼女を守ってあげたい……だから)

店員「この新型の物なら--」

俺「あの……」

店員「はい?」

俺「新型はいいんです、これください」

俺(エアコンが微笑んでくれた気がした……)




25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/06(月) 00:42:21.64 ID:D9XPhyZ60
エアコン「私本当に嬉しかったんです」

エアコン「それから、俺君の部屋に運ばれて、つけられて……」

エアコン「素敵な毎日を過ごしたの……」

エアコン「暖房をつけて、冷房をつけて。新型じゃないから加湿なんてできないけど……」

エアコン「家にいるときはずっと俺君と一緒だった」

俺「エアコン……」

エアコン「そして、俺君の姿を見て惚れてしまったの」

俺「俺の姿、か……」

エアコン「毎日パソコンに向かってキーボードを叩く君」

エアコン「熱心な心が伝わってきたの」




26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/06(月) 00:45:07.48 ID:D9XPhyZ60
エアコン「恋をするってこういうことだって知った……」

エアコン「なんだか体の奥が熱くなって。その人のことを考えると顔真っ赤にして」

俺「俺も、同じだよ……」

エアコン「俺君……」

俺「俺もエアコンのことを愛してる……」

俺「最近はストーブなんて奴がきたけど、エアコンのことが嫌いなわけじゃないんだ」

俺「ただ……」

エアコン「ただ?」




27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/06(月) 00:47:21.82 ID:D9XPhyZ60
俺「エアコン、君は省エネではないんだ……」

エアコン「えっ……?」

俺「どんなに君を愛してる俺でも、省エネの壁は超えられない……」

俺「省エネは俺の生活を支えてくれる唯一の足なんだ」

エアコン「…………」

俺「ごめんよ、エアコン……」

エアコン「俺君……」




28: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 :2012/02/06(月) 00:48:48.54 ID:0nut8uGR0
もうこれどうなるかわかんねぇな




29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/06(月) 00:51:16.80 ID:D9XPhyZ60
俺「本当にごめん、君とは恋人にはなれない」

エアコン「…………」

俺(ああ、遂に泣き出してしまった。ごめんエアコン)

エアコン「いいのよ、謝らなくて」

エアコン「俺君がそれで幸せなら、私はそれでいい」

エアコン「それに、嘘言わずに正直に言ってくれたし……」

俺(ごめん、本当にごめんよエアコン……)

キーンコーンカーンコーン


パソコン「はいはい、そこまでよお二人とも」

ストーブ「とりあえず一日目終了だな」

ストーブ「ほらほらエアコン、泣くなって」




30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/06(月) 00:55:06.04 ID:D9XPhyZ60
エアコン「借りてもいい?」

ストーブ「ああ……」

ストーブ「俺にはこれしか出来ねえからな。好きなだけこのオンボロの身体を使ってくれ」

エアコン「グスン……」

俺(これで、よかったんだよな……)

パソコン「明日は二日目よ。あんたは寝てなさい」

俺「えっ? うわぁ!」

パソコン「布団に入って寝ろってことよ。いつも明け方に寝てんでしょ?」

パソコン「ちょっとは休みなさい」

俺「ああ、うん……」




31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/06(月) 00:57:38.41 ID:D9XPhyZ60
~夜~

ストーブ「なぁエアコン」

エアコン「…………」

ストーブ「俺はどうしようもねえ野郎だよ。ファッキン野郎だ」

ストーブ「でも、これだけは言える気がするんだ」

エアコン「………」

ストーブ「足りなかったのは……お前の愛だったんじゃねえのか?」

エアコン「…………」

ストーブ「よ~く思い出してみろ」




32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/06(月) 01:00:52.82 ID:D9XPhyZ60
ストーブ「俺君はなんか無理してるように見えなかったか?」

エアコン「それは……」

ストーブ「まぁでも、俺君が本当に好きなのは他にいるってことかもしれねええけどな」

エアコン「…………」

ストーブ「安心しろって、別に俺君はお前が嫌いなわけじゃないんだよ……」

エアコン「ストーブ……」

ストーブ「ケッ、こんな恥ずかしいこと言う俺に感謝するんだな」

エアコン「………ありがとう、ストーブ」

ストーブ「お、おうよ……」




33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/06(月) 01:04:25.55 ID:D9XPhyZ60
二日目~パソコン~

パソコン「買い物ってのも悪く無いでしょ?」

俺「ま、まぁ」

パソコン「ま、せいぜい今日は財布の紐に気をつけることね」

俺(開始直後から不安だ……)

俺(俺は、本当に自分の想いを伝えられるんだろうか……)

パソコン「ん? どうしたの俺君?」

俺「あ、いやぁ、今日買うものを考えてて」

パソコン「私に買ってくれるってことよね?」

俺「お、おう」

パソコン「やったあぁ!」




34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/06(月) 01:07:35.39 ID:D9XPhyZ60
パソコン「そうそう、このワンピース欲しかったの」

パソコン「ちょっと待ってなさい、試着してくるから」

俺(なんだか後先が思いやられる……)

俺(でも、これが俺の考えた末のことなんだ、伝えないと!)

パソコン「ど、どう? か、可愛く見える?」

俺「うん、とっても」

パソコン「べ、別にお礼なんか言わないわよ?」

俺「わかってるって」




35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/06(月) 01:10:16.92 ID:D9XPhyZ60
俺(ワンピースは俺の自費で買ってあげた)

俺(彼女が笑ってくれる……。俺はそれがいつしか幸せになっていた)

パソコン「次はあっち行きましょ」

俺「ゲーセンか、いいな」

パソコン「あ、これもしかしてUFOキャッチャーってやつ?」

俺「そうだけどー、知らないのか?」

パソコン「話だけなら」

俺「ふーん」




36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/06(月) 01:12:10.95 ID:D9XPhyZ60
俺「そうだ、なんか欲しいのないか?」

パソコン「欲しいもの?」

俺「ああ、UFOキャッチャーで。俺が取ってやるよ」

俺(くそぅ、自分でこういうの言うと恥ずかしいなぁ~)

パソコン「ホントに!?」

俺「ああ」

パソコン「んーと……」




37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/06(月) 01:15:12.60 ID:D9XPhyZ60
パソコン「あれがいい!」

俺(熊のぬいぐるみか……。可愛いな。なんだかパソコンらしい)

俺「よしっ、やったるぜ」

俺(金を入れて何度か俺はぬいぐるみを狙った)

俺「難しいな……アームが弱すぎる」

パソコン「もしかして……とれないの?」

俺「いや、そんなことはないぞ。必ず取ってやる」

パソコン「そうこなくっちゃね!」




38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/06(月) 01:18:35.78 ID:D9XPhyZ60
俺「ほりゃ、とおっ」

十分経過……

俺「ぬおおお」

二十分経過……

俺「燃えろ俺の小宇宙おおお」

三十分経過……

ガシャン

俺「ほらよ」

パソコン「……あ、ありがとう」

俺「いいんだよ」

俺(パソコンの頭をさすってやる)

俺(なんだか……猫みたいだな………)

俺(それから一日中パソコンは熊のぬいぐるみを抱きしめていた……)




41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/06(月) 01:21:35.29 ID:D9XPhyZ60
~帰り道~

パソコン「今日は……その、ありがとう…」

俺「いいってことよ」

俺「あのさ、覚えてるか? 俺がお前と出会ったこと」

パソコン「出会った時のこと?」

俺「ああ」

俺「俺がよく通いつめたパソコンジャンクショップだ」

パソコン「あ……」

俺「っていっても大きな店じゃなかったな。小さいお店だ」




43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/06(月) 01:25:13.31 ID:D9XPhyZ60
俺「そんな中で、俺はお前を見つけたんだ……」

俺「初めて本体に触れた時、暖かかった…」

俺「動いてないのにだぜ? 温もりがあったんだ」

俺「俺はそれに惹かれて、そのパソコンを買ったんだ……」

俺「直すために必死だった」

俺「ジャンクショップに通いつめたよ」




44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/06(月) 01:27:13.66 ID:D9XPhyZ60
俺「必死になってパーツ探してさ…動いたときは泣きそうになってんの」

俺「当時俺にとってパソコンは金を山のように積んでも買えなかったんだ」

俺「だから、俺は……君に愛を注ぎ込んだ」

パソコン「俺君……」




45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/06(月) 01:30:34.81 ID:D9XPhyZ60
俺「だから、はっきり言う」

俺「俺、パソコンのことが--」

パーーン

俺(全てがスローモーションだった)

パソコン「俺君、危ないっ!」

俺(パソコンは、ハンドルミスを起こしたトラックに、俺をかばうために……)

俺(彼女の手から熊のぬいぐるみが落ちた……)




46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/06(月) 01:33:58.85 ID:D9XPhyZ60
俺「パソコン、パソコン!」

パソコン「俺……君………」

俺「……ああもう俺の馬鹿やろう!! ごめんパソコン。今助けるから」

パソコン「もういいのよ……もう………長くもたないから」

俺「そんな……」

パソコン「今日一日……あり、がとう………」

パソコン「愛してるよ……あなたのこと………」

俺「パソコンッ!!!」

俺(パソコンの体温はみるみるうちに下がっていった……)




47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/06(月) 01:36:04.89 ID:D9XPhyZ60
俺「目を開けてくれ、頼む。頼むよ!!」

パソコン「…………」

俺「俺はまだ--、」

俺「愛してるの一言も伝えてないんだっ!!」

俺「パソコン……目を、覚ましてくれよおぉぉ!!」

パソコン「…………」




49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/06(月) 01:39:20.54 ID:D9XPhyZ60
~その頃、俺の家~

ストーブ「なぁエアコン」

エアコン「何?」

ストーブ「今こそ俺達の出番じゃねえか……」

エアコン「そうみたい、ね」

ストーブ「俺らの全てを使って……」

エアコン「パソコンの命を救う!」

ストーブ「……じゃあ、やるか」

エアコン「うん」

ストーブ「…………じゃあな、俺君よ。パソコン、大事にしてやんな」

エアコン「俺君……ありがとう……………さようなら……」




50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/06(月) 01:43:06.46 ID:D9XPhyZ60
パソコン「…………」

俺「………」

パソコン「………んっ…」

俺「?」

パソコン「……んー、ここは?」

俺「パソコン! 目が、覚めたのか?」

パソコン「目が覚めたって--」

俺(俺はパソコンの身体を抱きしめた)

パソコン「! …………」

俺(パソコンも、わかってくれてるようだった)

俺「パソコン、ごめんな心配させて」

パソコン「ううん、あまり気にしないで」




52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/06(月) 01:47:38.61 ID:D9XPhyZ60
俺「さっきは言えなかったから……」

俺「俺、パソコンのことが好きだ」

パソコン「…………」

俺「だから、その……こ、恋人になってください」

パソコン「……………」

俺(やはり……駄目なのか………?)

バシッ

俺「痛えぇ!」

パソコン「ほら、続き行くわよ。まだ……遊び足りないんだから」

俺「………ああ」

俺(俺はちょっと血で汚れた服を着たパソコンを連れて)

俺(まだまだ今日は終わりそうになかった)





眠くなってきた。
読んでくれてありがとうです。




54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/06(月) 02:07:34.75 ID:pHXBOzmhO
おつん




55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/06(月) 02:11:16.95 ID:ElvKZmR60

ちょっと涙目になった。割とマジで